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翌日の放課後。 私は、誰にも気づかれないようにそっと教室を出ようとしていた。
昨日みたいに9人全員来たら、絶対また騒ぎになるし…… 今日は静かに帰りたい……
カバンを抱えて廊下へ向かった――その時。
星乃さん!
星野 ゆい
静かな声に振り向くと、そこには大輝が立っていた。 本を胸に抱え、穏やかな目でこちらを見ている。
今野大輝
星野 ゆい
今野大輝
大輝はそっと、一冊のノートを差し出した。
今野大輝
星野 ゆい
今野大輝
淡々とした声なのに、 ほんの少しだけ照れたようで、胸がきゅっとした。
やばい、優しすぎる……
今野大輝
その時。
ちょっと待って
後ろから低い声がして、 振り返ると琳寧が壁にもたれかかっていた。
菅田琳寧
井上瑞稀
今度は瑞稀が駆けてきて、通陽と琳寧の間に割り込む。
井上瑞稀
星野 ゆい
井上瑞稀
菅田琳寧
琳寧がため息をつくと、通陽がむっと頬を膨らませた。
稲葉通陽
菅田琳寧
井上瑞稀
菅田琳寧
井上瑞稀
やめて~~~~!!
どうしてこうなるの……と思っていると、 大輝が微笑みながら私の耳元で囁いた。
今野大輝
ドキッ。
今野大輝
次の瞬間。
橋本涼
本髙克樹
橋本涼
井上瑞稀
廊下が男子9人で埋まる。 全員が私の方を向いて、好き勝手に話し出す。
鈴木悠仁
井上瑞稀
橋本涼
今野大輝
星野 ゆい
困っていると、星輝が私の腕をきゅっと握った。
川崎星輝
その目が、うるっとしていて―― 断れない。
星野 ゆい
言った瞬間。 廊下の空気がピシッと固まった。
……は?
橋本涼
井上瑞稀
全員の嫉妬の視線が、星輝に向けられる。
川崎星輝
星輝は嬉しそうに微笑んで、私の手をそっと引いた。
――その手は、小さくて温かかった。
校門までの道。 星輝はスキップしそうな勢いで笑っていた。
川崎星輝
星野 ゆい
子犬みたいに笑う星輝を見て、 思わず私も笑ってしまう。
でも、ふと後ろを振り返ったその瞬間。
星野 ゆい
少し離れたところに―― 9人全員がこっちを見ていた。
悠仁は腕を組み、 通陽は頬を膨らませ、 琳寧は完全に不機嫌、 克樹は微笑んでるけど目が笑ってなくて、 黎はなぜかスマホで写真撮っている。
なにこれ……なんのパレード……?
そんな中、星輝だけは私の手を離さない。
川崎星輝
その無邪気な言葉に、 後ろの9人の視線が一斉に鋭くなった。
あ、これ……明日絶対修羅場じゃん……
胸が高鳴る。 怖いような、嬉しいような、不思議な感情。
――こうして、私と9人の関係は、静かに動き出していく。