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本当の幸せ

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本当の幸せ

13 - あと1週間

♥

482

2022年04月07日

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医者から余命宣告を受けていると告げられてあれから1週間が過ぎた

僕はできる限り君の傍にいた

寂しい思いをしないように、 辛い思いをしないように、

それでも君は余命宣告のことを 話す気配はなかった

どう聞きだそうか悩みながらいつもの君がいる病室に足を運ぶと…

ガラガラ

…ッ

誰もいなかった

ただ僕の目の前に見えた景色は

彼か苦しんだであろう血を吐いた形跡

たくさんの医療機械

僕は不安になり近くにいた 看護師に聞いた

ッあ、あの!

黄くんは、この病室の人はどこに…?!

看護師

あぁ黄さんならICUですよ

あいしーゆー、?

看護師

集中治療室のことです、あそこを曲がって直ぐですよ

!!ありがとうございます

僕は怒られない程度に小走りで向かった

集中治療室…初めて行く場所

それは彼がだんだんと死へ近ずいていると言う意味だ

無事であって欲しい、行ったらまた笑顔で「青ちゃん」そう呼んでくれることを願って向かった

着いて早々目に入ったのは

酸素マスクをつけ、たくさんの医療機械に囲まれて眠っている黄くん

この部屋に入る前医者に「今日は話すのは難しい」と言われた

だけどこんな君を前にして帰るなんて 選択肢は僕の中にはなかった

ギュ

冷えてしまっている君の手をとり 温めるように優しく握る

僕は今、この瞬間に決意した

絶対に余命のことを聞きだすと…

黄くん、、僕は黄くんがいないとダメなんだ……

だから起きてよ…

返事が返ってくることはなくても僕は 一日中君が起きるまで声をかけ続けた

あと1週間

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