愛していた家族を事故で失った
家族揃ってドライブしていた日だった
いきなり目の前が真っ白になって、
気がついたら家族が血だらけで倒れていた
俺だけが助かってしまった
死ぬことに躊躇いはなかった
霧
ドサッ
女子生徒
きゃーーーーーーっ!!!!!
男子生徒
…せ、先生っ!!!!
霧
霧
…ん
看護婦
看護婦
…!
看護婦
先生!意識が戻りました!
看護婦
看護婦
君、わかる?
霧
霧
くそっ…!!
霧
なんで生きてんだよ…!!!!
霧
うわあああっ!!!!!!!
看護婦
看護婦
どう?少しは落ち着いた?
霧
…はい
看護婦
よかった
看護婦
なにか飲み物持ってくるから、ちょっとここで待っててね!
霧
ありがとうございます
霧
霧
うぅっ……
霧
なんで俺なんだよ…なんで俺だけが生き残ってんだよ……!!
?
?
あの…
?
大丈夫…?
霧
っ……
?
…ちょっとこっち来て!
霧
え?…おいっ!
?
?
ふぅ…
霧
なに?おまえ…
?
あ、ごめんね!急に!
?
泣くなら、人がいないとこの方がいいかなって…!
霧
霧
別に泣かねぇし
?
いいんだよ、泣いて
?
辛かったね
霧
霧
…うっ……うぅっ…
なぜか涙がこみ上げてきた
俺が泣き止むまでずっと背中をさすってくれていた
?
?
すっきりした?
霧
…おう
?
そっか!じゃあ看護婦さんも心配してる頃だし、そろそろ戻ろ!
霧
……
看護婦
あ!もう…探したのよ!!
?
ごめんなさい〜!私が連れてっちゃった!
看護婦
あら、海ちゃんじゃないの!
看護婦
心配させないでよね!
海
ごめんって〜笑
これが海と俺の出会いだった
海は、すごい明るい女の子だった
その日から、俺と海はよくあの場所へ行って話をした
俺は死にたいという感情が薄れ、
海が好きという感情が芽生えた
でも出会って1週間後…
霧
あ、海〜!
海
海
…どうも
様子がおかしかった
まるで知らない人みたいだった
看護婦
あ、海ちゃんお待たせ〜!
霧
……
看護婦
あら、霧くん!
海
…?
看護婦
看護婦
あ…
看護婦
霧くん、ちょっとこっちで話せるかしら
霧
…はい
この時、海が1週間で記憶がリセットされるということを知った
好きな人が俺のことを覚えてすらない
そのショックから、海とは会わないようにしていた
でも、もしかしたら思い出すかも…
そう思って俺は生きることを決めた
そしてそのまま、俺は退院した
入院していた間にできたみんなとの差は凄かった
それに耐えられなくなって、屋上でサボることが増えた
そしてある日
海
うっ…ぅっ……
泣きながらフェンスを登ろうとする海が現れた
思わず止めたが、死にたい気持ちはよくわかる
だから、せめて死ぬ前に楽しかった思い出を残させてあげたい
あわよくば、死ぬという選択を無くしたい
そう思って、1週間
恋人になってもらった