湊
湊
雫
雫
そうやって想いを伝えてくれたのはいつだっけ
もうあれからどれくらい経ったのだろう
もうあの頃の私たちには戻れない
湊
湊
湊
美香
美香
雫
私は早乙女 雫 (さおとめ しずく)
16歳の高校1年だ
私には有難いことに恋人がいる
それが七海 湊 (ななみ みなと)
私の2つ上の先輩だ
美香
美香
私の友達の美香が話し始める
その通りだ
私の彼氏の湊先輩はもう彼氏と呼べないのではないか
雫
雫
雫
美香
美香
雫
雫
今日も同じような学校が終わった
雫
湊
雫
湊先輩と偶然会ってしまった
最近あんまり話していなかったから少し気まずかった
湊
雫
湊
湊
雫
湊
雫
湊
雫
だめだ
先輩といると日頃の恨みも消えてしまう
まるで魔法がかかったみたいに
でもそう思っているのは私だけ
そうやって貴方はまた作り笑顔を私に向けるんだ
雫
湊
雫
言ってしまった
気が緩んだ
湊
湊先輩の顔が一気に暗くなるのがわかる
雫
湊
雫
湊
湊
雫
雫
雫
視界が滲む
目から熱いものが溢れそうになった
湊
雫
私は先輩と付き合っている
なのに何処か危ない雰囲気がする
私よりも優先している女の子たちがいる
休日に2人で私に言わずに遊びに行っている女の子がいる
インスタで女の子のストーリーにいつも返信している
全部知ってる
他にも、全部
あなたのその揺れるリュックについてるキーホルダーだって、女の先輩から貰ったものでしょ?
自分の気持ちを正直に言ったら怒られて
もうどうしたらいいの
雫
だめだ
泣いてしまう
雫
雫
涙が溢れて止まらなくなった
湊
私はこの時気づかなかった
先輩が遠くで泣いている私を見ていたところを。
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