恭平
大吾
いつも通りフランクに会話をしていると 恭平の後ろに 一人の男の子が立っていることに気づいた 恭平と同じ高校の制服を着ていて お友達かな?と思い会釈しようとした時、 ザァと大きな風が吹いた
恭平
前髪が風に揺れて視界がクリアになって 目の前のその男の子と目が合った瞬間 全てがゆっくりとスローモーションになった
小柄で柔らかそうな肌にふんわりとセットした前髪、 きゅるんとした大きな瞳ときゅっと閉じた唇が どこか周りを警戒している子猫のような 雰囲気を感じさせる
まるで金縛りにあったように動けなくなって 近くで恭平が何かを話している気がするのに 何を言っているのか理解できない ただそのまん丸な瞳に吸い込まれて その場に立っていられることしかできなくて
なんだこれ、と初めての感覚に戸惑っていると
恭平
と恭平が紹介してくれる するとりゅちぇと呼ばれたその子が
流星
と挨拶してくれるから
大吾
とこちらも挨拶する オオニシくんはペコリと効果音がつきそうな 可愛らしいお辞儀をしたあと 顔を上げて俺を見る
大きな瞳がキラキラと輝いていて リュウセイ...?流星? あぁ、名前の通りやな、目に星が輝いてる
もっとじっくり見ていたいと 目を逸らさずに見つめていると
恭平
恭平が家に上がろうと会話を終わらせる その声に俺を見ていたオオニシくんがハッとなって
流星
と手を振ってくるりと俺らに背を向けて 歩き出した
恭平
と恭平が家の鍵を開けながら言う
大吾
と適当に返事をしながら オオニシくんの背中を見つめていると 急に立ち止まってこちらを振り返った
再びオオニシくんと目が合う さっきよりも遠くて瞳のキラキラまでは 見えないけどそれでも 彼がものすごく可愛らしいことに変わりはなかった なんだか捕まえてしまいたい衝動に駆られて 俺から逃げるように走っていった
恭平
恭平が玄関の扉を押さえながら俺の方を向く
大吾
俺は何事もなかったかのように恭平の家に上がった
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