しんみりとした雰囲気の中
彼はただ死を待っていました
父
...お前を、、養子、に、したのが
父
間違、え、ていた...
喋れないはずなのですが、
最後の勇気を振り絞って、貴方の父は話していました
養子
僕も、貴方を父にしたのが間違いでした。
彼は、にやりと頬を歪ませました
そして、こう告げたのです
養子
今までの功績をそのままで死なせてあげます
養子
最後に、言い残すことはありますか?
ズルズルと、彼は足を引きずって
貴方の父に近づいていきました
鏡が一枚入る程の距離で、
貴方の父はようやく口を開きました
父
...哀歌、、を、
父
後継ぎ、に、すべき、だった、、
その言葉を聞いた途端、
彼は、何かが崩れてしまったのでしょう
ものすごく、取り乱していました
養子
何故ですか、
養子
何故僕を養子になんかとったりしたんですか!!
養子
僕を、愛していないくせして!!
そのように彼は問いかけましたが
貴方の父は、もう動いていませんでした
思い出ばかりのこの場所で、
最後を、迎えていました。
そう、私が伝えたかったのは―――
哀歌
父は、寿命で死んだのではなく、
哀歌
唯一の息子に、殺されて死んだのだということ――――
それを、彼女は伝えたかったらしい
つまり、私の父上は
人を愛しきれていなかった。
彼女は相変わらず、大人びている口調だ
私と年は変わらないのに。
彼女とは、幼い頃に別れた
私が剣を握らなくなって、会わなくなった
彼女も、船に乗って旅をしているみたい
彼女は昔から、パティシエになることを夢にしていた
船の上でも、その仕事をしているのかな
本当に、私と違って自由人だ
♡50