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倫太郎

愁斗は、ひでと別れを告げた1ヶ月前くらいに…

倫太郎

大きな穴があるって言われて。

ひで

え、?穴、?

倫太郎

視界欠損って言って、視界の一部が黒くなってしまったんだよ。

ひで

え…気づかなかった…、。

倫太郎

最初はちっちゃい穴だったみたいだけど、だんだん大きくなっていって。

ひで

連絡取れなくなる最後の頃…
キスする時、唇にしてくれなくなったのって…

倫太郎

そうだね…
ちょうど視界の真ん中,あたりだから有り得るかもね。

ひで

なのにおれ、冷めたと思って…唇にしてって何回も言っちゃった…

倫太郎

そうだったんだね

ひで

嫌だったよね…多分…焦ったよね…

倫太郎

でも、言わなきゃわかんないもん…ひでは悪くないよ

ひで

うん…そのあとは、、?

倫太郎

そのあとキラキラが見えるとか言い出したり、目が腫れちゃった日もあったりして。

倫太郎

ある日、目が痛くて、床にうずくまってて。

倫太郎

でもじっとしていられないくらいの激痛で。

倫太郎

夜中だったし、急患で行ってそのまま入院したんだよ。

倫太郎

目のがんが見つかったの。

ひで

え…

倫太郎

すぐ入院だったから、相当状況は悪かったんだよね。

倫太郎

体調のいい時だけ、短時間だけ、学校行ったりして、徐々にひでとの時間も減らしてった。

倫太郎

でも、入院して1週間経った頃かな、

倫太郎

遅刻だったけど、同じように学校行くために準備してた時。

倫太郎

これまでにないくらいの激痛が、両目に走っちゃった。

ひで

え…。。

倫太郎

そこから絶対安静になって、そのまま学校に行けなくなったんだ。

ひで

そう、だったんだ。

倫太郎

腫瘍はね、手術で取れたんだけど、同時に網膜剥離を起こしちゃったせいで、

倫太郎

両目失明しちゃったんだ…

ひで

そんな…

倫太郎

明るさとかは多少感じるみたいだけど、常日頃から真っ暗って言ってる。

そんなことがあったなんて… 驚きだった。

何にも知らずに、 冷たい態度をとる愁斗に怒鳴って 勝手に怒って。

彼氏としてありえない行動だったな…と 罪悪感でいっぱいだった…

倫太郎

入院したその日にね、手術をした場合、失明しちゃうかもって言われてたから、怖くなったんだと思う。

倫太郎

だから、自分から高校退学したいって。言ってきたんだよ

ひで

そうだったんだ…

倫太郎

でも、しゅーと、ずっとひでが忘れられなくて。

倫太郎

手術直前まで、ひでと撮った写真を見つめて。ひでの顔を撫でて。

倫太郎

目が覚めて…完全に失明したってわかってからも、その写真,抱きしめて泣いてたんだ。

ひで

…ウウッ…涙

ひで

抱きしめたかった…その時に…

ひで

そばにいたかった……

倫太郎

俺も何回も聞いたんだ、

倫太郎

本当に黙っていなくなってもいいのか?って

倫太郎

辛くなるのは愁斗だよって

倫太郎

ひでは必ずそばにいてくれるよって。

ひで

うん…

倫太郎

でも頑なに自分の意思は曲げなかったんだ…

ひで

愁斗なりに考えたんだね…

倫太郎

うん…

初めて知ったあのときのこと。 全てが点と点で結ばれたんだ。

倫太郎

でも…今、よく眠れてるのよかった…

ひで

しゅーと、眠れてないの…?

倫太郎

うん、ちょっと精神的不安も出てて、病院にも通ってるんだ,今。

ひで

だから、あの時、座り込んで焦ってたんだ。

倫太郎

この前?

ひで

そう。

ひで

ない,ないって。座って過呼吸になってた。今思えば杖がどこかに行っちゃったんだなって思って。

倫太郎

そう、杖が命だからね。

倫太郎

一緒に行きたいんだけど、休み取れなくて。

ひで

そうだよね…

倫太郎

最近不安からの発作…多いんだよね…

ひで

そうなんだ…

ひで

ねぇ、聞いてもいい??

倫太郎

ん、?

ひで

なんで、愁斗は俺のこと忘れられたの?

倫太郎

ツ…

倫太郎

それは…

ひで

俺何言われても、大丈夫だから、聞きたい。

倫太郎

うん。

倫太郎

失明してから2年が経った頃…
俺とゆっくり街散歩に出かけたんだ

倫太郎

やっと恐怖心なく外を歩けるようになった時期で。

倫太郎

久しぶりにニコニコ笑顔で外を気持ち良さそうに歩いてたんだ、しゅーと。

ひで

うん。

倫太郎

そこで…

倫太郎

ひでと女性が手を繋いで歩いてるのを偶然見かけた、

倫太郎

それを俺が口に出して言っちゃったんだ…

倫太郎

「ひでと女の人手繋いでる」って…

ひで

ツ……

倫太郎

俺も言わなきゃよかったんだ。

倫太郎

そこから…愁斗は「もうひでは俺のことなんて忘れてる」って諦めがついた、というか

倫太郎

気持ちが切れてしまったんだと思う。少しの間部屋に篭っちゃったりして…。

倫太郎

愁斗から離れたのに…自分勝手だよね

ひで

自分勝手なんかじゃない。申し訳ないことした…

ひで

俺…ずっと好きなのに…大好きなのに…

ひで

忘れられないのに…

倫太郎

うん。そうだよね。

倫太郎

ごめんね。

ひで

いや、全然。むしろ教えてくれてありがとう

ひで

ブーッブーッ📱

倫太郎

電話?

ひで

あ、いや、

倫太郎

彼女?

ひで

…はい

倫太郎

出てあげな

ひで

うん…

ひで

もしもし?

ハナ

あ、ひでくん。

ハナ

既読つかないから心配した。

ひで

ごめんごめん。

ハナ

何時に帰ってくる?

ひで

遅いかも。

ハナ

じゃあ待ってるね。

ひで

寝てていいよ?

ハナ

やだ…待つもん。

ひで

だよね…なるべく早く帰る。

ハナ

うん…待ってる。

倫太郎

彼女?

ひで

うん。

倫太郎

結婚考えてるの?

ひで

…ツ…うん。

倫太郎

いいね

倫太郎

ごめんね、時間もらっちゃって

ひで

いや、大丈夫

倫太郎

早く帰ってあげて

ひで

倫太郎

ね?ひで?

ひで

愁斗が起きるまで一緒にいたい…

倫太郎

え、?

ひで

どうしても愁斗が気になる。

倫太郎

ひで…

ひで

彼女と愛伝え合ってる時でも、頭の中に愁斗がいて。

ひで

俺もこの1ヶ月…愁斗のこと頭から離れなかった…

倫太郎

そんな…

ひで

やっぱり俺が初めて愛した人だから。

倫太郎

愁斗喜ぶと思う。

倫太郎

ひでに言うのは違うのかもしれないけど、愁斗は…無理矢理ひでへの思いを消し去った、忘れるように努力してた…から。

ひで

申し訳ない……大好きなんだ…でも俺今でも…

ひで

もし迷惑じゃなければ…いさせてほしい。

倫太郎

うん。いいよ

ひで

そして…できるなら…これからも愁斗のこと俺も守りたい…

倫太郎

そんな…俺も1人で守りきれなくて不安だったから、一緒に守る人ができるの本当嬉しい…泣きそう

ひで

うん…ウルウル

ひで

ありがとう…

俺はそう伝えると… 眠る愁斗の横に座り、 ずっと眺めていた。

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