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※注意※ 死ネタ、ちょいBL、いふない 誤字脱字、語彙力皆無 このストーリーはフィクションです ご本人様とは一切関係ありません 地雷様・純オタ様は自衛よろしくお願いします!
※今回いふくん視点有り
このストーリーはオリジナルです 他のユーザー様の作品と似ていたとしても、 パクリではありません!
ずっと、あの日常が続くと思っていたのに
未だに事実を受け止められない。 流す涙の粒が、診断書にシミを付けていく。
ないこが無感症だった。 ないこがこの世にいるのも、あと数年程だろう。
Ifくん
Ifくん
グスグスと鼻をすすったと同時に、ガチャ、と玄関のドアが開く音がした。
ないこが帰って来た。 よりによって、最悪のタイミングで。
Ifくん
急いで涙を拭き、泣いたことを誤魔化そうと動く。
ないこの足音がだんだんと近づいて来る焦りからなのか、気が動転した俺は、ないこの診断書を自分の鞄に突っ込んでしまった。
ないこくん
Ifくん
ないこくん
Ifくん
いつもと変わらない態度で接する俺に、ないこは何も疑っていないようだ。 きっと、まだ気づいていないのだろう。
俺が、ないこが無感症だと知ってしまったことを。
Ifくん
ないこくん
Ifくん
ないこくん
Ifくん
ないこくん
のんびりと鞄から課題を取り出すないこ。 今の空気で診断書を見つけてしまったことを言うわけにいかず、気分が晴れないまま俺は ないこ と課題を進めた。
ガチャ
帰宅した俺は、母親の言葉に適当に相槌を打ちながら自分の部屋に鞄を下ろした。
Ifくん
変に入っていた力を抜くと、口から深いため息が出た。
ガサゴソと鞄を漁ると、先程 咄嗟に隠した診断書が出てきた。 何だか目の前にある診断書が他人のものに見えてくる。
しかし、名前の欄に書いているのは変わらず ないこの名前。 信じたくない気持ちと 目の前にある事実が頭の中で回った。
もう既に枯れてしまったはずの涙が また目から溢れてくる。
Ifくん
ないこが死ぬなんて…ッ
ないこは、俺が この世で一番好きな人なのに
ないこに恋心を抱いたのは、小2の春。
初めの頃は興味を持っていただけだった。
担任の先生
担任の先生
担任の先生
クラスメイト達
Ifくん
ないこは、俺の斜め前の席だった。 後ろからも表情が伺える。
少し目にかかる長さの桃色の前髪。 愛らしさのある双葉。 光を閉じ込めたような 髪と同じ色のキラキラした瞳。
俺より身長の低い彼は、俺と比べて一つか二つ程幼いように見えた。
Ifくん
興味本位でないこに近づいた俺は、身を乗り出しながら元気よく声を掛けた。
ないこくん
Ifくん
ないこくん
元気に挨拶する俺に続いて、ないこも元気な声で返してくれた。
Ifくん
ないこくん
そう返事して笑うないこ。 その笑顔があまりにも可愛くて、愛おしくて、俺は一瞬で恋に落ちた。
あれから、俺はないこに一途に恋をしていた。
叶わない恋だというのは、当然気付いていた。 でも、諦め切れなかった。
いつもクラスの中心にいて、よく外で遊んだり、勉強も楽しんでしていたないこは、普段の行動や性格から、親やクラスメイトだけでなく、先生からも気に入られていた。
たくさんの人から愛情をもらっているんだな とわかる、幸せに満ち溢れた笑顔。 あの笑顔が、俺は何よりも大好きだった。
ただ、最近になって その笑顔は見られなくなった。
何があったのかと不思議に思っていたら、まさか無感症だったとは。 そりゃ、見られなくなるのも当然だ。 だって、ないこはもう、愛情を感じられないのだから。
ふと、昨日の出来事を思い出す。
俺の手を振り払ったときのないこは、怯えたような顔をしていた。 自分を守るかのようにみんなから距離をとって。
Ifくん
あの時は、まだ無感症だと知っていなかったから驚いて声も出なかったが、今なら理由がわかる。
最近では光が減ったないこの瞳。 もう、あの頃の瞳を見ることが出来ないのかと思うと、切ない気持ちになる。 ないこが、俺がいつも見ていたないこじゃなくなっていく気がした。
じゃあ、ないこは?
ないこのことだ。きっと、俺たちのことを考えて黙っていたに違いない。
実家も遠いところにあって独り暮らしをしているないこは、俺よりも誰かに相談しにくい。
今のないこには、俺らが必要だ。
じゃないと、ないこがいつまで経っても苦しいままだ。
Ifくん
Ifくん
覚悟を決めた俺は、下の階にいる母親に確認して ないこに電話を掛けた。
まろが帰って、静まり返った部屋。
課題を片付けながらため息を吐く。
ただ二人で黙々と課題を進めていただけだったが、はたして、まろにバレていないだろうか…
ないこくん
へたれ込むようにしてソファに腰掛ける。 今の時刻を確認しようとすると、カレンダーが視界に入った。
今日の日付から2つ進んだ日付に付いている印。 「病院」と書かれている文字を見て、思い出した。
確か、2日後に無感症の定期健診があったっけ。
無感症は進行しない病気だ。 けれど、生活に関わるため、定期的に病院へ向かわないといけない。 正直言って面倒くさいが、行かないといけないことには変わりない。
ないこくん
引き出しの取っ手に手をかけ、手前に引く。 が、そこに診断書は入っていない。
ないこくん
記憶をたどるが、診断書をしまった記憶があるのはこの引き出しだけ。
ないこくん
ないこくん
誰かが持って帰ったとして考えると、当てはまる人物はいふまろだけ。
まろが、持って帰った?
鼓動が早くなる。 そうではないと信じたい。
まろにバレてしまったら大変なことになる。 焦った俺は、スマホに震える手でまろの電話番号を入力する。
その瞬間、電話の着信音が鳴った。 通話相手は、いふまろ。
きっと、違う用件で掛けてきただけだ。 俺のことじゃない。
そう自分に言い聞かせるが、鼓動は早くなるばかり。
「通話する」を押そうとした指がふらふらと動く。 しばらくの間通話に出るか迷ったが、ついに覚悟を決めて、まろからの電話に出た。
ないこくん
Ifくん(通話中)
Ifくん(通話中)
ないこくん
「聞きたいこと」。その言葉にドキッとする。 電話の向こうのまろも、どこか堅い声をしていた。 電話ではいけないのか聞くが、まろの意思は変わらない。
Ifくん(通話中)
ないこくん
震えた声でそう言った俺は、まろとの通話を切り、準備を始めた。
電話を掛けてから数十分。 ガチャ、という音と共に、母親の声が聞こえた。
Ifくんの母親
Ifくん
あいまいに返事をした後に、俺の部屋のドアが開いた。
ドアの向こう側にいる、桃色の髪をした彼。 少し陰のある瞳は、泳いでいた。
Ifくん
ないこくん
まるで初めて来たかのような反応から、ないこも色々と察したことに気づいた。
Ifくん
トントンと、自分の目の前にあるベッドを軽く叩く。 ないこは俯いたままベッドの上に座った。
ないこくん
Ifくん
Ifくん
そう言って、ないこに一枚の紙を見せた。 そう、ないこの無感症の診断書を。
ないこの表情が変わった。 驚いたような、怯えたような顔になる。
ないこくん
Ifくん
Ifくん
問いただすと、彼の桃色の瞳から涙が零れた。
ないこくん
Ifくん
Ifくん
ないこの涙を拭い、目線を合わせて問う。
暫し沈黙が続いたあと、ないこは小さく口を開いた。
ないこくん
「愛情無感症」。
Ifくん
診断書を見た時点で、ないこが無感症なのは決まっていたことやし、気付いていた。 でも、
重苦しい空気が、俺とないこがいる空間に流れた。