時系列としてはスメールでダインスレイヴが登場する魔神任務の直後からフォンテーヌの第1幕より以前となっています
この物語には以下の点が含まれています
・稚拙なセリフ
・原作設定の捏造
・オリキャラの登場
苦手な方はご遠慮ください
メルビレイ(?)
ふー...ついたついた
パイモン
こんな所にピラミッドがあるなんてな!
旅人(空)
ピラミッドでなにかやることでもあるの?
メルビレイ(?)
ええ
ピラミッドの中は、灼熱の大地とは違い壁の影のおかげでひんやりしていて心地が良かった。陽の暑さを反射していた砂粒が原因で上からも下からもムワッとしていたが、これなら快適な探索ができそうだ。だが、一つだけ欠点をあげると若干薄暗い。砂岩の隙間から刺してくる日光のおかげでなんとか壁は階段を認識できるが、動きにくいことには変わらない。仕方なく目を凝らしてぶつからないように気をつけながらメルビレイの後ろに続く。
パイモン
だけどなんでピラミッドに...?
メルビレイ(?)
答えはここにある
旅人(空)
この壁に?
メルビレイ(?)
ええ。見ておいて
メルビレイ(?)
ギギギッ....
パイモン
おお、手で壁を押したら隠し部屋が出てきたぞ!?
パイモン
もしかしてお宝か!?
メルビレイ(?)
そんなわけないでしょ
パイモン
でも、なんでこんなところに隠し部屋があるなんて気づいたんだ?
メルビレイ(?)
壁と壁の繋ぎ目に使われている接着剤が違う。
メルビレイ(?)
あっちは白い接着剤なのに対して、こっちは肌色。
メルビレイ(?)
経年劣化で段々と白色に変化していくのだけれども、こっちは比較的新し目
メルビレイ(?)
まるで、新しく上から継ぎ足したかのようにね...
旅人(空)
後からやってきて外れやすいように....?
メルビレイ(?)
正解
パイモン
メルビレイって頭いいんだな
メルビレイ(?)
ふん。
メルビレイ(?)
スメールのピラミッドにおいてこういった小さな発見が重要となるの
メルビレイ(?)
さっ行くわよ。
メルビレイが鼻を高々に鳴らしながら暗い部屋に入っていく。
続いて2人も入っていった。
パイモン
あいつってけっこう感情豊かなんだな....
パイモン
見た目に反して
旅人(空)
...だね
メルビレイ(?)
何してるの?早く行くわよ。
パイモン
おう!今行くぞ!
パイモン
うっ....暗いな....
パイモン
メルビレイの足音しか頼ることがないぞ....しかもどこにいるのか分からない...
旅人(空)
パイモン!どこ!?
パイモン
ここだぞ!ここ!
旅人(空)
どこ!?
パイモン
おわぁ!?旅人!オイラの髪を掴むなよ!
旅人(空)
あ、ごめん!
パイモン
しっかりしてくれよ!痛!
パイモン
うぅどこかの壁にぶつかってしまったぞ...。
メルビレイ(?)
はぁ...
メルビレイ(?)
えーと...プライマル火種は...
メルビレイ(?)
あった
メルビレイがプライマル火種を嵌める台座を蹴ったようで、その衝撃でプライマル火種が空間を照らし始めた。
空は中央の壁一面にある金色の壁画が目に入った。
壁画の中心には光り輝くキングデシェレトの象徴である大きな目が書かれていた。その右側にはヘンテコな形をした数人が描かれていて恐れを抱いている表情をしている。左は......なんだこれ?初めて見た。そばに書かれているピラミッドよりも大きい白い機械のようなものが右の人民を襲おうとしていた。躍動感があると同時にとても奇妙で不気味なものを感じ取る。
メルビレイ(?)
ドンピシャ...
パイモン
うわぁ、すごく大きな壁画だな...
パイモン
おいら、こんな大きな壁画見たのキングデシェレトの霊廟の地下以来だぞ....
旅人(空)
これは...何?
メルビレイ(?)
キングデシェレトが作り上げた王国の...
メルビレイ(?)
最後の末路よ
旅人(空)
末路?
メルビレイ(?)
この砂漠の大地はかつて人が沢山住める程環境が整い繁栄していたのだけれども、500年前のカーンルイアの厄災がきっかけで荒廃した大地になってしまった。
メルビレイ(?)
魔神にここのピラミッド辺りに追いやられている途中でこれを描いたみたいわね。
旅人(空)
この白い魔物が魔神?
パイモン
これ...なんだ?
メルビレイ(?)
終焉機。
メルビレイ(?)
機械のように見えるけれどれっきとした魔神
メルビレイ(?)
璃月で生まれ、スメールに数百年の恐怖を刻み込んだ忌々しい魔神よ。
パイモン
どういうことなんだ?オイラこんなやつ初めて見たぞ...
メルビレイ(?)
終焉機は数百年前に戦火を目の当たりをした民共がそれを恐怖し、怖気付いたあまりに生み出された負の感情の塊。それに鉄くずが取り囲まれてできたの。だから機械っぽいみたいな見た目をしてる。
パイモン
ふむ...
パイモン
ふむ?なるほど?
メルビレイ(?)
私は終焉機を調べあげている。
メルビレイ(?)
だからこの壁画があるピラミッドにやったきたの
パイモン
こいつが王国を滅亡させたんだろ?
パイモン
なんでそんなやばいものを調べてるんだ?
メルビレイ(?)
....
パイモン
メルビレイ?
メルビレイ(?)
なんとなく
パイモン
なっ、なんだよそれ!
メルビレイ(?)
研究という行為は小さな好奇心が生まれるものよ。
メルビレイ(?)
スメールの教令院の人達と交流したあなた達なら分かっているはずだわ。
旅人(空)
...ん?
メルビレイ(?)
ゲホッ!!ゲホッ!!ゴホッ!!
パイモン
大丈夫か!?
メルビレイ(?)
失礼
メルビレイ(?)
口に砂が
メルビレイ(?)
まだこのピラミッドには続きがあるから行きましょう。
メルビレイ(?)
ゲホッゴホッ
壁画の横には小さな階段があり、メルビレイは小さな枝にプライマル火種を移して移動し始めた。
メルビレイ(?)
ゲホッ....
メルビレイ(?)
チッ...
パイモン
なぁメルビレイ。大丈夫か?顔色悪いぞ...
パイモン
一旦戻った方がいいんじゃないか?
メルビレイ(?)
いや...ゲホッ!大丈夫...ゴホッゴホッ!
パイモン
だといいんだが...
メルビレイ(?)
それでさっきの続きなんだけど
メルビレイ(?)
かつてスメールには砂漠を統治していたキングデシェレトと花神の2人の王が存在していた。
メルビレイ(?)
この地に降り堕ちた花神は72日間さまよったところにキングデシェレトに拾われたの。
メルビレイ(?)
この2人は非常に仲が良く、数千年前の魔神戦争でも血を流すことなく王権を共有することによってやり過ごした程よ。
パイモン
平和だなぁ
パイモン
それって何年前なんだ?
メルビレイ(?)
さぁね
メルビレイ(?)
少なくとも数千年前よ
メルビレイ(?)
それで、次第に花神とキングデシェレトは恋に落ちるようになった
パイモン
いいことじゃないか!
メルビレイ(?)
だけどそれが破滅を呼ぶきっかけになる。
メルビレイ(?)
とある日キングデシェレトは花神だけに自分の''狂想''を話した...
パイモン
''狂想''?
メルビレイ(?)
天理の手を借りずに、自らの手で民を導こうをしたの。当然花神は反対した。天理に逆らったらどうなるか........その先にあるのは滅亡だけだと........だけど、花神は最終的にキングデシェレトを受け入れた。
パイモン
そ、それでどうなったんだ....?
メルビレイ(?)
結果から言うと彼は花神の導きによって禁忌の知識を手に入れた。天空と深淵の全ての知識に通じる秘密通路ーーーーー。だけど、その代償に花神は命を落とした。
パイモン
そんな...
メルビレイ(?)
命を落とした花神を目の当たりにして絶望したキングデシェレトだったけれど、彼は最後まで彼女に対する執念を燃やして諦めきれなかった。その末永遠のオアシス作り上げたの。それは確か.....どこだっけ?忘れた。
旅人(空)
デマーヴァント山の底
メルビレイ(?)
あら、知っているの?
旅人(空)
うん
旅人(空)
というか行ったことある
メルビレイ(?)
へぇ....綺麗だった?
旅人(空)
うん........荒廃した大地の中に輝く桃源郷だった。意義を挟む余地がない綺麗な場所だった。
メルビレイ(?)
羨ましい。私もそれを見てみたい。
メルビレイ(?)
それで禁忌の知識を手に入れたキングデシェレトだったけど繁栄は長くは続かない。直ぐにそのあとスメール全土に魔鱗病が流行ったり、天理の怒りによって大地に裁きが下って、王国は滅亡に至った。大半の国民は死んだのだけど一部の人間は逃げるように端っこに住み着きひっそりと暮らしていた
メルビレイ(?)
その時、500年前のカーンルイアの厄災が起きてしまった。
パイモン
その時、壁画に描いてあった終焉機がやってきたってわけか?
メルビレイ(?)
正解。砂漠の民は抵抗する術なく虐殺されてしまったの。
パイモン
酷い話だな!
メルビレイ(?)
禁忌の知識さえなければまだ完全滅亡は避けられたはずだけどね。
パイモン
ん?なんでだ?
メルビレイ(?)
さっきも言ったと思うけど
メルビレイ(?)
終焉機は負の感情で生まれた魔神。璃月からスメールに移動する間にエネルギーを大分消費していたと考えられるの。
メルビレイ(?)
所詮は負の感情を燃やしてそれを稼働エネルギーとして動かしていたからね...
メルビレイ(?)
だからそこを全力で時間稼ぎすれば何とかなったはずだわ
パイモン
うーん...
パイモン
結局それも結果論だからなぁ...
メルビレイ(?)
皮肉なものよね 。自らの活路を見出そうとした結果自分も、そして自分の国も破滅するなんて
パイモン
へぇ...
パイモン
メルビレイって物知りなんだな!どこでそれを知ったんだ?
メルビレイ(?)
....
メルビレイ(?)
文献よ。読み漁った。
旅人(空)
(文献...?それが本当だとしても詳しすぎる...。)
旅人(空)
(砂漠の人達でさえ歴史の勘違いが原因で森林の民との軋轢があったのに、砂漠生まれでもない1人の女性がこんなに知っているのだろうか。)
メルビレイ(?)
だけどね、森林地域ができた時の歴史の文献が一切なくて空白期間が出来上がっている。
メルビレイ(?)
王国が滅亡する少し前に森林の前駆体であるオアシスが作られたの。キングデシェレトの無謀さに愛想を尽くした草神の眷属アランナラが力を行使し、今の森林地域が出来上がった。
メルビレイ(?)
でも、アランナラだけの力で森林ができたとは考えにくい....
メルビレイ(?)
誰かの力を借りたはず 。そこの時期の文献はぽっくりと穴が空いているかのように存在しない。
メルビレイ(?)
奇妙だとは思わない?
パイモン
確かにな。
パイモン
森林ができる前の話は分かっているだろ?それなのにそこから先の情報が何も残っていないのはおかしすぎるぞ..
メルビレイ(?)
それに現草神クラクサナリデビはとある日の変哲もない場で、突拍子もなしに現れた。
メルビレイ(?)
スメールの歴史は謎に満ちすぎている...。
旅人(空)
(ちゃんとマハールッカデヴァタの情報が世界樹が消えているみたい...)
メルビレイ(?)
まぁ、その謎が歴史の面白いポイントなんだけど...ゲホッ!ゴホッ!
旅人(空)
本当に大丈夫?
メルビレイ(?)
...大丈夫
パイモン
ん?階段を降り切ったみたいだな...。相も変わらず真っ暗だぞ...
メルビレイ(?)
1番欲しいものがここにある。
旅人(空)
欲しいもの?
メルビレイ(?)
ちょっと待っててちょうだい。また、プライマル火種つけるから。
パイモン
うう!いきなり眩しくなるのが慣れない!
パイモン
...って何も無いじゃないか
壁画があった部屋とは一変し、今いる部屋はプライマル火種の台座以外何も無かった。よく目を凝らすと埃を被ったプライマル構造体が無像に置かれている。
旅人(空)
片手剣ごと抜いて何をするつもり...?
メルビレイ(?)
実は終焉機はね体が崩壊していく中でコアを形成するように進化した。そして、今私たちがいるピラミッドにそのコアがある。
パイモン
ええ!?
旅人(空)
えっ...
そういうとメルビレイは片手剣の鞘の先を地面に強く叩くと衝撃で地面が波打った。
旅人(空)
うわ!
パイモン
大丈夫かよ旅人...
パイモン
っておわぁ!!!
パイモン
プライマル構造体が起き上がった!?
メルビレイ(?)
!
メルビレイ(?)
衝撃のせいなのか警備プログラムが発動したのか定かではないけれど緊急事態のようね。
メルビレイ(?)
旅人にこいつらを足止めできる実力は?
旅人(空)
あるよ。余裕
メルビレイ(?)
私はコアを取り出したい。それまでにお願いしてもいい?
旅人(空)
...わかった。
旅人(空)
パイモンどこかに隠れておいて
パイモン
お、おう...
メルビレイ(?)
(さてと)
後ろで空とプライマル構造体が戦っている音が聞こえている最中、鞘先で抉った地面を掘り返すとそこには木箱程度のくぼみがあり、その中には青白い光を放つキューブ状のものがあった
メルビレイ(?)
(あった、あった...)
メルビレイ(?)
(ご丁寧に緑色のバリアが3重に貼られているわね。だけど流石に数百年経つとその封印力もさぞ弱っているでしょう。)
メルビレイ(?)
よいしょっと...
メルビレイ(?)
(よし...手に入れた。)
コアを手に入れた時、ほとんどのプライマル構造体は地面に突っ伏していたが、背後にいた構造体が空に攻撃を仕掛けていたのが見えたので、メルビレイは左拳を図体に打ち付ける。構造体は黒煙を上げながら地面に倒れた...。
パイモン
ふー...終わったぞ...
パイモン
どうなるかと思った
旅人(空)
ありがとう。油断していた。
メルビレイ(?)
ふふ。私も時間稼ぎをしてくれてありがとう。
メルビレイ(?)
ほら、これが動力源よ。
パイモン
これがコア?
パイモン
なんか思っていたのと全然違うぞ...
旅人(空)
パイモンはどんなものを想像してたの?
パイモン
こんな小さいものじゃなくて、もーーーっと大きくてゴツゴツしたものかと...
パイモン
恐ろしい魔神からこんな手のひらに収まるサイズに縮まるなんて...。
メルビレイ(?)
残念だけどこれが現実ね。
旅人(空)
そういえばさっきの緑の光は?
メルビレイ(?)
ああ、それは.....ってあれ?
メルビレイ(?)
消えてる
パイモン
消えちゃったみたいだな。
旅人(空)
残念
メルビレイ(?)
分かっていると思うけれどあの光は封印するためのバリア。
メルビレイ(?)
草神の眷属アランナラが厄災の後にチカラを使ったものよ。
パイモン
アランナラが?どういうことだ?
メルビレイ(?)
終焉機が活動停止した後、オアシスで暮らしていたアランナラ達が代わりにコアを砂漠のあっちこっちに封印し始め、二度と目覚めぬようにした。
メルビレイ(?)
キングデシェレトも死に、封印できるほどの実力者も砂漠に居なかったのだから当然の流れよね。だけど、眷属の力もたかがしれているから簡単に突破できたけど
旅人(空)
あっちこっちということはまだ何個かあるの?
メルビレイ(?)
全部で4つよ。
メルビレイ(?)
その内これを含めて3つ見つけたからあと1つ。
パイモン
早いな!
メルビレイ(?)
これ自体数日前からやっていたんですもの。
メルビレイ(?)
ようやくこれで暑苦しい砂漠からおさらばできるってわけ。
旅人(空)
気になったんだけどなんで終焉機だけを調べているの?もっと他に候補があったんじゃない?
メルビレイ(?)
....
メルビレイ(?)
そうね。
メルビレイ(?)
なんとなくと言いたいのだけれども一応理由はある。
メルビレイ(?)
ここまでエネルギーが満ちるまで圧縮をしてコアを作り出せるように進化したのは終焉機だけ。他のカーンルイアの厄災で暴れていた魔神は一重に灰も残っていないわ。
メルビレイ(?)
負の感情から誕生した魔神がどのようにして進化して行ったのか。それだけでも調べる価値はあるでしょう?
旅人(空)
....うん。
メルビレイ(?)
さっ、コアは回収出来たし一旦出ましょ?こんな陰気だらけのところ二度とゴメンだわ....
旅人(空)
.....
メルビレイ(?)
....?
メルビレイ(?)
行かないの?
旅人(空)
研究することは確かにいいことだと思う。だけど、封印されていたものを再び取り出すっていうのは果たしていい事だと思うの?
メルビレイ(?)
.....ふむ。
メルビレイ(?)
いいか悪いかで言ったら悪いでしょうね。
旅人(空)
だったら...
メルビレイ(?)
全部が終わったら破壊するから....今は...ね?
旅人(空)
...
メルビレイ(?)
うーん。あ、そうだ
メルビレイ(?)
じゃあこれ。今はあなたに預けることにする。私はしばらく何もできない。これでいい?
旅人(空)
わかった。
メルビレイ(?)
それに、それを持っていると体調がどんどん悪くなっていくから...
メルビレイ(?)
ゲホッ、ゴホッ