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作品ページ
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これは、一冊の本の物語
とても残酷で、幸せなどは到底感じられないお話ですが
貴方は本を開きますか？
覚悟が出来たのならば
本をめくって見てください。
・・・
覚悟は出来ていますか？
勿論。
あるから此処に来た。
それ位は分かるだろう？
貴方様が何を思っているのかは詮索致しませんが、
その思いに全てを任せてしまうのは
おすすめしませんよ
忠告ありがとう。
まあ、気が確かなままだったら、 忠告を守るよ
・・・
無事に戻られることを祈っています
こんなおかしな『ゲーム』を用意しておきながら何を言う
・・・
まあ、「生き残れば」良いんだろ？
そうでした、これを
何だこのプレート
中に入ったら、そのプレートを首にかけて下さい。
それが参加条件です。
主人公...？
まあいい、分かった。
じゃあな
見た目はただの一軒家。
これで『殺戮げぇむ』？
本当か？
まあ、良いんだ
俺が生き残れば良いんだから。
父
母
皆プレートを首にかけている
カランと軽い音を立てて首にかける。
父親は「父」母親は「母」兄は「兄」弟は「弟」彼女は「恋人」幼馴染は「友人」という文字が書かれているプレートをそれぞれ付けている。
そして俺は「主人公」
恋人
口を開くのは彼女...「恋人」
恋人
恋人
恋人
でも、なんだと言うんだ？
しかもこんなに話しているのに未だに一言も喋らないコイツらはなんなんだ？
兄
兄
兄
兄
兄
兄
何故「父親」と「母親」「弟」、幼馴染は黙っている
親友
親友
さっきの話しぶりからして「恋人」もそうだろう。
父
父
弟
弟
そうか。
母
否定もしない。
という事は、『誰か』を殺したいという意思があってこの『げぇむ』に参加した訳だな。
まあ、誰を殺したいかは大体分かっている。
自分も居るんだがな。
数秒の沈黙の後、耳障りな雑音が聞こえてきた。
砂嵐のような音。よくある雑音。
さあさ、皆々様
お集まり頂きありがとうございます
最初に案内していた男とは明らかに違う声
ここに集まっている皆様は
「何らかの理由」があり御参加して頂いている訳ですが。
残念ながら、
多くの参加者の皆様の「理由」は
無視します。
は？
誰も口に出さなかったが、皆思っただろうな。
おっと、露骨に嫌な顔をされていますね皆様。
簡単に言えば、
「特定の人物が皆様を生かすも殺すも自由にするという事です。」
「どういう事だ」「聞いていた話と違う」
心の声がダダ漏れになっている。
そこで使うのは皆様の付けている ”プレート”で御座います。
ああ、分かりやすく付けて頂きありがとうございます
では、全てを握る方を発表しますね
「親友」さん。
貴方様が全てを決めて下さい。
うん？
親友
ですから、「親友」さん、貴方様が皆様を生かすも殺すも自由にお決め下さい。
え？
そこは...主人公ではないのか？
何故...
あら？「親友」さん、震えていますけど、大丈夫ですか？
親友
そうです！全員殺しても良し、誰かだけを殺しても良し、又は
全員を生かしても大丈夫です。
まあ、そんなつまらない事をするとは思いませんけどぉ？
では、皆様。シンキングタイムとして1日。そうですね、明日の20時まで、この家で生活して下さい。
その間に、「親友」さんは誰をどうするか決めて下さい。
今日から明日の20時までは人を殺すこと、又は相手に危害を加える事を禁止とします。
それまでは、『自由』に皆様で生活して下さい。
分かりましたか？
誰も、言葉が出るわけがない。
返事が無い...というのは了解したと言う事でよろしいでしょうかね？
まあ、了解して貰わないと「困るのですが。」
では、明日の20時にまたお会いしましょう！
では！
どのくらい沈黙が流れていただろう
何も喋れる訳が無かった、喋られなかった。
というか、
喋ったら、何か「親友」の気に触りそうで、怖かった。
皆には勿論、自分も入っている。
この1日で1番地獄なのは
「親友」だ。
皆さんどうもこんにちは。
またお会いしましたね。
前ページまでのお話は、この物語全体の「起」の部分になります。
招待状が届いた全員が参加したようですね。
大体の登場人物の「何かしらの理由」は破棄されてしまった訳ですが。
破棄されていなかったらどうなっていたのでしょう。
全てを握る事になった「親友」
何故か自分に渡された「主人公」のプレート。
これから、どうなるのでしょう。
地獄と緊張の1日が始まるようです。
勇気を出してページを捲って後悔しましたか？もしくは、この世界に入り込みましたか？
次は「承」が始まります。
さあ、貴方は続きのページを捲りますか？
