霊媒師と天使

2話－クソ親－

病院で子供が生まれた。

赤子の産声と

母親の荒い息が

部屋で響く。

こんな子要らないわ！

母親はそう叫ぶ。

赤子の髪色が白いから。

不倫して離婚した父親と

髪色と目の色が同じだから。

生まれてまも無い俺は、

施設に押し付けられた。

とんとん。

何故か

俺は、弦と名付けられて

この人に育てられた。

それと同時に、

この人は指導役だった。

3歳になった頃から

一日中、訓練漬け

休みは週に1日だけ。

それにその1日は

勉強ばかり

ほとんど休みは無い。

歳を重ねるにつれ

訓練は過酷になる。

本当に死にかける日だってザラにある。

脱水症状、熱中症、酸欠

そんなのは無視

気合いで十分。

そう言われる。

この人は最低だ。

つくづく思う

こんな毎日のせいで

12歳でこの施設の成績トップだった。

この施設の奴らは

俺が何をしても何かができても

一切褒めることは無かった。

この施設の人間は嫌い

今なら、…

…やっぱ、やめた。