主
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第73話『順番待ち』
こさめ
こさめ
こさめの叫びは、笑いと泣き声の境界に震えていた。
頬を濡らす涙は止めようがなく、嗚咽まじりに胸の奥から溢れていく。
らんは黙ってその背中に手を添え、ゆっくりと撫でた。
華奢な肩が小刻みに震え、手のひらに伝わる鼓動は乱れている。
けれど、そのぬくもりは、確かに「懐かしい」ものだった。
らん
搾り出すように口から漏れる声。
こさめは泣きながら首を横に振った。
こさめ
小さな拳がらんの胸を叩く。
痛みよりも、その言葉の重みがらんを深く抉った。
胸の奥に溢れる懐かしさは確かにある。
だが、その感情はこさめにだけ向けられていた。
いるまを見ても、なつを見ても、すちやみことを見ても――そこには空白しかない。
らん
温もりに涙を浮かべながらも、その痛感が心を締め付けた。
部屋は静まり返っていた。
誰も口を開けない。
空気は濃く張りつめ、ただこさめの泣き声だけが響いている。
やがて、いるまが動いた。
いるま
掠れた声でそう言うと、なつとすち、みことの肩を軽く叩いた。
三人は一瞬戸惑った顔を見せたが、言葉を飲み込み、いるまの後を追って部屋を出る。
閉まるドアの音がやけに大きく響いた。
廊下に出た瞬間、いるまの背中はぐらりと揺れた。
体が小さく見えるほど、肩は落ち、拳は震えている。
――あの日。
事故に遭ったらんに駆け寄ったのは自分だった。
血に染まる姿を、崩れ落ちる声を、一番近くで聞いた。
誰よりも恐怖し、誰よりも願った。
なのに。
思い出されたのは、自分ではなかった。
いるま
黒い感情が喉を塞ぎ、肺を焼く。
嫉妬とも焦燥とも言えぬ濁流が、胸をずたずたに引き裂いていく。
――そのときだった。
?
声が、聞こえた。
耳元ではない。
頭の奥底、影の隙間から滲み出るように。
いるま
?
?
?
いるまの視界が歪んだ。
黒い衝動に足を引かれる。
――だが。
なつ
唐突に、なつの声がその闇を切り裂いた。
いるまは驚き、振り返る。
なつは肩をすくめ、しかし真剣な目でいるまを見ていた。
なつ
いるま
なつ
なつ
軽口のようで、その声には確かな力があった。
すちが、横からそっと言葉を添える。
すち
みこと
すち
すち
すち
なつが頷き、みことも小さく拳を握った。
その姿を見た瞬間、いるまの中の黒い声は霧散していった。
拳をほどき、深く息を吐く。
いるま
自分の影に呑まれるところだった。
だが仲間の声が、それを引き戻してくれた。
いるま
いるまは低く呟き、視線を落とす。
なつ
なつ
なつが笑いながら言う。
いるま
いるまも小さく笑った。
その背中はもう、先ほどのように泣きそうではなかった。
一方その頃。
らんはこさめを抱き締めたまま、静かに目を閉じていた。
思い出した記憶の断片――笑い声、泣き顔、ふざけた姿。
すべてが「こさめ」に結びついていた。
らん
喉の奥で掠れた声がこぼれる。
こさめは涙に濡れた顔を上げ、にかっと笑った。
こさめ
こさめ
その言葉が、らんの胸に深く刺さった。
他の誰を思い出せなくても、こさめはそれを責めなかった。
その優しさが、逆に苦しかった。
らん
らんはそれだけを言い、震える手でこさめの髪を撫で続けた。
扉の向こうでは、仲間たちがそれぞれの想いを胸に、順番を待っている。
記憶の欠片が繋がる日を、信じて。
第73話・了
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𝙉𝙚𝙭𝙩 ︎ ⇝♡10
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コメント
2件
投稿ありがとうございます!!!! ……語彙力分けてくれませんかね? なんでそんな上手く書けるんですか?
投稿ありがとうございます!!待ってましたぁぁぁぁぁぁぁ✨️✨️ サムネ的には📢くんだけど🍵くんの発言的に👑くんっぽいような気もする...考察やっぱ苦手だぁ😭 続き楽しみにしてます!!!