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その日から、隠蔽が始まった。
出生記録は改ざんされ、
結月という名前だけが、外の世界に残された。
苗字は、消された。
結月は物心つく頃には
すでに"普通"を演じることを覚えていた。
五条は何も言わなかった。
ただ、ある日。
テーブルの上に、黒いサングラスが置かれていた。
五条 悟(幼少期)
軽い声だった。
五条 悟(幼少期)
結月はサングラスを手に取る。
レンズ越しに世界が少しだけ、鈍くなる。
それでもーー楽だった。
結月(幼少期)
結月は笑った。
五条は肩をすくめる。
五条 悟(幼少期)
その言葉は軽かった。
けれど。
結月がサングラスをかけた瞬間、
五条はほんの一拍だけ、視線を逸らした。
それが、唯一の沈黙だった。
世界は、結月の瞳を知らない。
六眼は、歴史から消された。
だが。
それでも光は消えない。
少女は今日も笑う。
軽やかに。
なんでもないように。
そして戦場に立つときだけーー
その瞳は、未来を見ている。
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