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朝。 目を開けた瞬間、体が重かった。
……やば。頭、痛い……
熱がある。 立ち上がっただけでふらっとする。
でも――
休んだら、また騒ぎになるし……今日は行かなきゃ
無理をして制服に着替え、学校に向かった。 けれど教室へ続く廊下に足を踏み入れた瞬間。
ゆいちゃん!!?
通陽の声が響いた
稲葉通陽
しまった……見つかった……
星野 ゆい
そう言った途端、ふらりと体が傾いた。
危ない!
支えてくれたのは琳寧
ひんやりした手が、額に触れた。
菅田琳寧
星野 ゆい
菅田琳寧
菅田琳寧
悠仁が私の手首をそっと掴む。 いつも眠そうなのに、今は目がちゃんと開いている。
星野 ゆい
歩ける……つもりだったのに
一歩踏み出すたび、視界が揺れる。 そのたびに、9人がわらわら集まってくる。
井上瑞稀
橋本涼
井上瑞稀
橋本涼
井上瑞稀
鈴木悠仁
その心配の仕方なんなの……
結局、私の手を取ったのは――星輝だった。
川崎星輝
きゅっと手を握る小さな力。 昨日のあの頼りなさげな笑顔を思い出して、 私も思わず頷いた。
星野 ゆい
その瞬間、9人の背後で空気がバチバチした。
本髙克樹
菅田琳寧
井上瑞稀
矢花黎
橋本涼
失礼しまーす!
通陽の元気すぎる声と共に、 保健室の先生が驚くほどの人数がなだれ込んだ。
ちょ、ちょっと!?多すぎない!?(保健室の先生)
大事な子なので
いや琳寧くん落ち着いて
先生に軽く押し戻されつつも、 9人は布団に寝かされた私を囲んで離れない。
額に冷たいタオルが当てられた時、 涼が優しく髪を撫でた。
橋本涼
隣で大輝が静かに薬を用意して、
今野大輝
星野 ゆい
腰をそっと支えてくれるのは瑞稀
すると黎がスマホで写真を撮ろうとして――
撮るな!!
全員から殴られそうになっていた。
なんなの、この騒がしさ……でも……
熱のせいか、 彼らの優しさが胸にしみる。
星野 ゆい
そう呟いた瞬間、 視界がぼやけ、眠気が襲ってきた。
眠……い……
薄れゆく意識の中で、 私はぽつりと呟いた。
星野 ゆい
自分で言ったのに、 誰の名前を口にしたのか覚えていない。
ただ、次の瞬間。
空気が――凍りついた。
菅田琳寧
井上瑞稀
本髙克樹
鈴木悠仁
今野大輝
橋本涼
川崎星輝
9人の視線が鋭く私に注がれる。
でももう、答えられなかった。 私は深い眠りに落ちて――
そしてその横で、9人は静かに決意する。
「……あいつが誰を呼んだのか。 絶対、自分が一番に確かめる」
争奪戦は、さらに激しさを増していく。