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昨夜の雨が嘘のように晴れ渡った翌日。
昼休みの屋上へと続く階段の踊り場は、風通しが良く、4人にとっての「聖域」となっていた。
大和
理央
理央
大和
大和
大和が大きな口を開けて待っていたところに、理央はひょいと飾り付けのレタスを放り込む。
理央
と理央が小悪魔的に微笑むと、大和は「ひでー!」と言いながらも、どこか嬉しそうにそれを咀嚼している。
少し離れたところで、湊と悠真は並んで座っていた。
悠真
湊
悠真
悠真の言葉はいつも通り厳しいが、湊のノートを指差すその手は、時折、湊の指先に触れそうで触れない、絶妙な距離を保っている。
理央
理央が、大和の頭を軽く小突きながら口を開いた。
理央
理央
理央
その提案に、大和が「おっ、いいな!」と身を乗り出す。
大和
大和
大和
湊
湊の目がキラキラと輝く。案の定、チョロい。
悠真は面白くなさそうに、手元の英単語帳をパタンと閉じた。
悠真
湊
湊が悠真の制服の袖を、縋るようにギュッと掴んだ。
その瞬間、悠真の視線が湊の指先に固定される。
数秒の沈黙の後、悠真は溜息をつき、視線を逸らした。
悠真
悠真
湊
無邪気に喜ぶ湊。その「大好き」が、友人としてのものだと分かっている悠真の表情は、どこか苦々しい。
それを見守る理央の瞳には、冷徹な観察者としての光が宿っていた。
放課後。ネオンが眩しいゲームセンターは、学校帰りの生徒たちで溢れていた。
大和
大和が指差したのは、大きなタレ目のパンダのぬいぐるみだった。
湊
湊が身を乗り出してクレーンゲームを覗き込む。
大和
大和
大和が意気揚々とコインを投入するが、アームは無情にもパンダの首を掠めて空を切る。
大和
理央
理央が呆れたように横から割り込み、手際よくボタンを操作する。
数回の手直しの後、パンダのぬいぐるみは見事に落下口へと転がり落ちた。
理央
湊
湊がぬいぐるみを抱きしめて笑う。その光景を、悠真は少し離れた場所で、腕を組んで黙って見ていた。
理央
いつの間にか悠真の隣に移動していた理央が、耳元で囁く。
悠真
理央
悠真の眉間に深い皺が寄る。
悠真
理央
理央
理央の視線の先には、湊とパンダを奪い合うようにして騒いでいる大和がいた。
悠真
悠真がぼそりと呟くと、理央はふっと自嘲気味に笑った。
理央
帰宅後。4人のスマホは再び活発に動き出す。
リア充予備軍(4)
やまと
やまと
みなと
みなと
りお
りお
悠真
悠真
みなと
グループトークの裏側で、大和は理央に個別のメッセージを送っていた。
やまと
りお
やまと
やまと
りお
やまと
やまと
りお
りお
やまと
画面を見つめたまま、理央の心臓が不規則に跳ねる。
いつもは「筋肉バカ」と切り捨てている大和の
時折見せるこういうストレートな言葉に、計算高い理央の論理はあっさりと崩壊してしまう。
りお
りお
そっけない返信を打ちながらも、理央はベッドの上で顔を覆った。
自分の頬が熱くなっているのが、鏡を見なくてもわかる。
一方、湊の部屋。
悠真から送られてきた課題をようやく終えた湊は、窓の外を眺めていた。
ふと、理央に言われた言葉が頭をよぎる。
『悠真くんの独占欲、気づいてないの?』
湊
湊は、悠真との幼い頃からの記憶を辿る。
転んで膝を擦りむいた時、一番に駆け寄ってきてくれたのは悠真だった。
他の奴と遊んでいると、いつの間にか横に入り込んでくるのも悠真だった。
厳しい言葉の裏側にある、切なくなるほどの熱視線。
湊
湊は、自分の胸の高鳴りを落ち着かせるように、理央に取ってもらったパンダを強く抱きしめた。
もし、理央の言うことが本当だとしたら。
もし、悠真が自分を「親友以上」として見ているのだとしたら。
そんな期待と恐怖が入り混じった感情に名前を付けることが、今の湊にはまだ出来なかった。