パチ...パチパチ
練炭の音がしている。息も苦しくなってきた。さすがに今回は逝けるだろうか...
奏斗
幸汰!
バリバリッバンッ
奏斗
あぁ想汰、こんな所にいたんだね可哀想に、大丈夫。僕が来たからね、さ、おいで。
幸汰
ぁ...
グイッ
幸汰
いっ...
奏斗
!ごめん想汰...でもこうしないとついてきてくれないなんて、、疲れてるんだろう?
幸汰
やめ...
奏斗
可愛いねぇ想汰♡
あぁ、また失敗だ
俺はもうしばらく外に出ていない。こいつが居ない時は鎖で繋がれている。
欲しい物は何でも手に入る。家事も仕事も全部奏斗がやってくれる。確かに快適ではある。だが問題がないといえば嘘になる。
夜、(一応)恋人である俺らは性行為をする。
顔も見せてくれない。縛られたまま。ずっとただいじられているだけ。一方的だ。辛い。
辛いうえにこいつは激しく、長い。抵抗したって泣いたってこいつの気が済むまでは終わらない。
それともう1つ、
奏斗
想汰のような事には絶対させないから。(ボソッ)
俺の双子の兄にやっている線香の匂い
俺はこれが嫌いだ。
幸汰
(俺は想汰じゃなくて幸汰だよ)
想汰が殺される前は、あんなに良い奴だったのに
でもそれでもいいから、
幸汰
俺を見ろよ...
奏斗
想汰、何か言った?
幸汰
もう我慢できない。俺は幸汰だよ奏斗!
奏斗
想汰...いきなりどうしたんだよ...
奏斗
かまって欲しいのか、そっか、大丈夫。気持ちいい事したら変な事なんて忘れるから。
ドサッ
幸汰
え、違っ...や...
奏斗
想汰...好きだよ
幸汰
んっ
奏斗が俺を見てくれるのは死のうとしてる時ぐらいだ。
俺が死んだら、泣きながら名前を呼んでくれるだろうか。