ザァァァァ
雨か…
傘…持ってきてないや。
最悪。
雨…降らないでよ
その雨は、私の心の中を表しているようだった___。
前の返事。今いい?
うん。
ごめん、君の事好きじゃないし、好きになれない。
だから、断らせてくれ。
分かった。わざわざありがとう。
さよなら、
あなたに言われてから、哀しみが一気に込み上げてきた。
それと共に、「諦める」という考えが頭に浮かんだ。
ザァァァァ
うわっ…強くなってきたし…
どうしよう…
あっ、!
あの…!
はい…?
気弱そうな男…あの人とは大違い。
なんですか…?
さっきからずっと困ったような顔してて…
傘、ないんですか?
えぇ…
雨が降るとは、知らずに家を出てきたので…
あの…
僕ので良ければ使ってください…!
差し出されたのは、透明のビニール傘。
いいんですか?
あなたの傘がないじゃないですか、
僕はそこにあるマンションに住んでいるので、
遠慮なくお使い下さい!
でも…
美人の女性がこんな大雨の中、濡れて帰ったら
風邪を引いてしまいますよ…!
美人…
あっ、!
僕ってば、見知らぬ女性に…!
すいません…。
ふふふっ
面白い方ですね(笑)
あははっ
あっ!では、これで!
あっ!
あのっ…
傘…明日、お返ししてもいいですか、