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もしもし、こちら加賀美霊能探偵事務所です。

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もしもし、こちら加賀美霊能探偵事務所です。

3 - もしもし、こちら加賀美霊能探偵事務所です。 3

♥

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2020年07月29日

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玉姫

はぁ……

玉姫

幽霊の調査、今日か……

玉姫

身の安全は約束するって言ってたけど、やっぱり怖いなあ……

玉姫

でも行かなきゃ……せめて、奏美ちゃんと七海ちゃんがどうなっているかだけでも……

加賀美

おや、来たね。

玉姫

はい、今日はよろしくお願いいたします……

加賀美

おっと、それを言うのはまだ早いんじゃないかな? 僕はまだ前金を貰ってない。

玉姫

……

そう言われると玉姫は、黙って封筒一枚を加賀美に手渡した。中には前にバイトをして稼いだ金があった。

加賀美

ひぃふぅみぃ……五万円丁度、承った。除霊は必ず成功させよう。奏美さんと七海さんの捜索もね。

玉姫

除霊って、そんなにかかるものなんですか?

加賀美

そりゃあ命懸けの職業だからね。本来ならばこれでも割に合わないさ。米軍の時は百万ドル支払ってもらったよ。

玉姫

百万ドルって、一億!?

加賀美

金を持っている客はいいねぇ。大抵そういう手合いは怨みを買ってるものだし、なにより払いがいい……

加賀美

金払いのいい客のおかげで、こんなデカい神社も買い取れたんだよ。もっとも、この神社、曰く付きだけれどね……

玉姫

曰く付き? 幽霊でも住み着いてたんですか?

加賀美

……似たようなものかな。この神社ね、昔は普通に神社として機能していたんだけれど、昭和辺りを境に代々担当していた巫女が次々と変死してるんだよ。どうしてそんな事態になっているかは大体察しがつくと思う。

玉姫

……

加賀美

今になってようやく僕に解決されたわけだね。だから次、客として来る時も、そんな風に怖がらなくても大丈夫だよ。

玉姫

……私あまり金払いはよくはない方だと思うんですけど、何で私の依頼を引き受けてくださったんですか? さっきも割りに合わないとか……

加賀美

……いや、別に客を選ぶつもりはないさ。それに、この辺にいるやばい奴は粗方片付いたからねぇ、ここら一帯に幽霊が出現したとしても程度が知れてる。

加賀美

それに暇だしねぇ……

玉姫

……

加賀美

さて、そろそろ行こうか。善は急げだよ。

玉姫

あ……

いざ現場に来てみれば、そこには多くの警察官がいた。

玉姫

(警官、行方不明者が出てるんだから、考えてみれば当然だった……)

玉姫

か、加賀美さん。私達、通してもらえるでしょうか?

加賀美

ああ、大丈夫だよ。通ろうか。

玉姫

ええっ?

その場で待機している警官など眼中にないとばかりに、加賀美は通り過ぎようとする。当然警官の1人が止めに来た。

警官

あー、君達。此処は立ち入り禁止だよ。

加賀美

知っているよ。これを責任者に渡してくれたまえ。

そう言って差し出したのは自分の名刺であった。

警官

加賀美霊能探偵事務所……チッ、例のペテン師かよ……ちょっと待ってろ。

警官の態度の豹変っぷりに玉姫は驚きを隠せなかった。警官が奥に進んでまたすくこっちに戻って来る。

警官

通れ。何をする気か知らんが、さっさと消え失せろ。

加賀美

おやおや、随分と口が悪いじゃないか。事件を解決してやろうという人間に向ける態度ではないと思うのだが。

警官

内の管轄に土足で入り込んでくる奴に態度もクソもあるか。

加賀美

やれやれ……柊さん、行くとしようか。

玉姫

は、はい……

警官

あーそれと、警部から一つ伝言を預かっている。

加賀美

警官

『いつの日かお前を、殺人の罪で逮捕する』だそうだ。

玉姫

っ……!

加賀美

……そうかい。

加賀美

この辺でいいんだね?

玉姫

は、はい……

玉姫

……あの

加賀美

ん?

玉姫

人を……殺したんですか?

加賀美

……誤解を受けやすい職業なだけさ。

否定も肯定もしなかった。玉姫にとっては非常に恐ろしく思えている。

玉姫

……

加賀美

……なるほど、結界がある。幽霊の存在は間違いない。警察が死体を発見できないのも説明がつくな。

玉姫

え、結界? というと、バリアみたいなものですか?

加賀美

物理的な攻撃を防ぐアレとはちょっと違うかな。鍵付きの部屋みたいなものさ。霊感のある人間でも中を覗くことはできないし、侵入もできない。

玉姫

(そうは言ってもピンとこない……)

玉姫

その、結界っていうのはどこら辺にあるんです?

加賀美

うん、ここ

玉姫

……え?

加賀美

僕達、今その結界の中にいるよ。ただ、認識できないし、干渉も出来ないだけでね。まあ実質入ってないようなものさ。

玉姫

(ま、ますます訳がわからない……。入ってるのに入ってない?)

加賀美

しかし、その行方不明の友達がいるとしたら、十中八九結界の中だろうね。

玉姫

だ、だとしたら……どうやってその、結界に入るんです?

加賀美

至ってシンプルだよ

そういって加賀美は右腕の人差し指と中指をピンと立てる。

加賀美

強盗と手口は同じさ。こじ開けて入る。

深呼吸次の瞬間行動を起こした。

加賀美

理ノ法皇ヨ、捻ジ曲ゲラレシ虚空、今此処ニアリ。コレヲ粉砕シ申ス。急急如律令ッ!

瞬間、ガラスが破壊されたかのような甲高い音が耳を劈いた。外見的変化はなけれど、突然の事で腰を抜かした玉姫であった。

玉姫

んあっ……びっくりした……

加賀美

驚かせてすまないね。何分、霊感を持ったお客様なんて初めてで……ッ!

待て! 前を見るな!

玉姫

んえっ……?

咄嗟に反応できるはずもなかった玉姫、そして反応出来なかった事を激しく後悔したのであった。

何しろその目の前にあったのは……

手足を木の枝で釘付けにされ、臓物がまろび出た奏美の姿があったからだ。

玉姫

え、あ……あ、え、う、い、イヤアアアアアアアアアアァァァァァァァ!!!!!!

信じがたい残酷な光景に、発狂せざるを得ない玉姫。恐怖で涙も共に溢れ落ちる。

加賀美

(なんて運が悪い……まさか目の前に死体があったとは……しかも、こんなスプラッターな殺し方をするとは……?)

対して加賀美は気分こそ悪くしたが、平常心を保っていた。落ち着いて死体に近寄る。

加賀美

(妙だな……霊紋を感じない?)

玉姫

あう、うあう……どうして、どうして……うっ、うぉえええっ!

嘔吐さえしてしまう玉姫の精神的ショックは如何程のものか。

加賀美

(不可抗力……というわけにはいかないな。しかし……)

加賀美

柊君、君の心労は察して余りある。だが今はどうか堪えて先に進んで欲しい。

玉姫

ううっ、もう嫌……嫌あああ……

加賀美

柊君! 今此処で立ち往生していては彼女の二の舞になる! 結界を破ったから幽霊からして見れば強盗に入られたような物、激昂するか恐怖するか、どちらにしろ今幽霊は興奮状態にある! 見つけ次第襲いかかるだろう! 君がその調子では万が一守りきれないかもしれない!

玉姫

………………

加賀美

さ、肩に掴まって。すぐに此処を離れる

玉姫

……は、はい……

玉姫

……

加賀美

……

玉姫

あの、加賀美さん

加賀美

なんだい?

玉姫

幽霊って、あんなのばっかりなんですか?

加賀美

流石に今回のは運が悪かっただけさ。効率の悪さから考えて、あんな猟奇的な殺し方はかなり稀なケースだ。

加賀美

(しかし引っかかる……霊は物に触れると、霊紋という残留エネルギーが色濃く付着するものだが……)

加賀美

(あるいは、霊紋を残さない能力が……いや、聞いたことがないし、現実的でもない)

加賀美

(もしや……)

玉姫

加賀美さんって、いつもあんなのと戦ってるんですか?

加賀美

ん? あ、ああ、まあ、いつもってほどではないけどね。依頼の数もピンキリさ。

玉姫

それでも、何回も戦ってるんですよね……怖くないんですか。

加賀美

まあ、怖いさ。その為に除霊の練習を死ぬほどやった。

玉姫

そ、そうですよね。じゃあ……

玉姫

あの後ろにいる白い和服の女の人の事も気付いてますよね?

加賀美

後ろと言われてすかさず振り向いた加賀美。しかしそこに広がるのは緑と茶色の風景だけであった。

玉姫

(今は見えない……けど流石に察しがついた。素人目の憶測だけど、多分霊力とか超能力みたいなもので身を隠してるんだと思う……腕の立つ霊能力者だっていうんなら、きっと気付いてくれるはずーー)

加賀美

うん、問題ないよ

玉姫

!?

玉姫

いや、本当に問題ないんですか!? そりゃあ、見えないかもしれませんけど、さっきまで居たんです! 白い和服の女性が!

加賀美

大丈夫だよ。それよりも先に進もう

玉姫

そんな……

玉姫

……!

なんて性根の腐った幽霊だろう。霊能力者がこっちを向いていない時だけ姿を現すとは

玉姫

(死人のような白い肌、間違いない!)

玉姫

! か、加賀美さん! いました! 幽霊が! さっきよりも近づいてます!

加賀美

柊君、頼むから僕を信用してくれないかい? 大丈夫だと言っているだろう?

玉姫

なんで大丈夫なんて言えるんですか! 肝心の幽霊が徐々に近づいてきてるんですよ!

玉姫

(ーー!)

そう言っている合間にも、後ろを向いて見れば明らかに距離を近づけている白い和服の女性がいた。

玉姫

ペテン師! 役立たず! いいから後ろを向いてくださいよ!

加賀美

………………

玉姫

…………ああ……

玉姫は、最早死を覚悟した。悟ったのだ。結局自分は迷走していただけだったのだと、今更自覚したのだ。 考えてみれば分かるだろう。みっともなく生き残るのであれば、友人である二人は綺麗さっぱり忘れるべきだったのだ。

今玉姫を支配していたのは、諦めと生き恥。それを精算しようとしていたのかもしれない。 後ろを向いたのは

???

ーーチサレ……

加賀美

……

加賀美

捕まえた。

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