雪女
よーし、こんだけあれば十分ですね!
鈴音
こ、こんなにいいんですか?
鈴音
元の世界に帰るまでの間なのに…
雪女
いいんですよ、お金はお二人が払ってくれますし。これは先程の無礼のお詫びとしてですから
蒼
それ、雪女ちゃんが言わないでよー
蓮
蓮
まあ、俺は別にいいけど
雪女
おお、流石蓮様!かっこいい!
蒼
そりゃあ、僕だって愛しの鈴音ちゃんのためならいくらでも買ってあげるけどさー
鈴音
…
雪女
…
鈴音
それより…
鈴音
さっきからほかの妖怪の視線が…
雪女
そうですね…
妖怪1
…なにあれ?見たことない人
妖怪2
っていうかなんで蓮様と蒼様と一緒にいるのよ、憎たらしい…
妖怪3
消えてくればいいのに、邪魔ね…
鈴音
(食べるっていうより女の子達からの視線がこわい…)
雪女
鈴音さん、大丈夫ですか?
鈴音
だ、大丈夫です
蓮
鈴音
それにしても、妖界って色んなものが売ってるんですね
鈴音
着物や浴衣だけじゃなくて洋服も売ってるなんて…
蒼
ふふっ、僕達は趣味で和服を着てるからねー
鈴音
あれ?私が和服着てるところなんて見たことないですよね?
蒼
いやいや、そう思っただけだよー
鈴音
そうですか…
鈴音
鈴音
(…?)
鈴音
(なんだろう、さっきから違和感を感じる…)
鈴音
(懐かしい…?)
鈴音
(なんだろう…)
雪女
あ、そうだ!鈴音さん!
鈴音
なんですか?
雪女
早く城に帰って洋服を見ませんか?
雪女
私、初めて洋服を買ったのでちょっと気になっていて…
鈴音
そうですね、行きましょうか!
雪女
では、お二人共。もう城から近いので私達は先に行きますね!
蒼
うん、僕達もすぐに帰るよ
雪女
では失礼します
鈴音
お二人共、また後で!
蒼
うん、また後でねー
蓮
蓮
馬鹿
蒼
ごめんって、ちょっと口が滑っちゃって
蓮
なーにが「和服の方が可愛い」だよ
蓮
ボロ出しやがって
蒼
…やっぱり、蓮も気づいてたんだ
蓮
当たり前だ
蓮
あいつは…
蓮
鈴は。俺の婚約者だったんだから
蒼
そうだね、まあ…
蒼
チャンスがあれば奪うけどさ
蓮
そんなこと言ってたな
蒼
懐かしいね、鈴ちゃんが姿を消してから100年も経ってたんだよ
蒼
まさか、妖界に戻ってくるとは思わなかったなー
蓮
俺も、最初は気づかなかった。鬼にしては妖力が全くなかったから
蓮
でも、あの性格と見た目は鈴しかいない。
蒼
そうだね、それにしてもなんで人間界にいってたんだろう
蒼
なんで記憶がないんだろう
蒼
それになんで100年が経った今、こっちに戻ってきたんだろう…
蓮
疑問は山ほどある
蓮
でも、今できることは鈴の記憶を徐々に戻していくことと…
蓮
妖力のないあいつを守ることだけだ
蒼
うーん、あんないい子に隠し事なんて本当はしたくないけど
蒼
今はやむを得ないね
蒼
そろそろ帰ろう、2人が心配する
蓮
…
蒼
大丈夫だよ、いざという時は僕がみんなを守るから
蓮
…ありがとう、でも無茶だけはするなよ
蒼
蓮は優しいなー
蒼
いい弟をもって幸せだよ
蓮
双子のくせに兄貴づらすんなよ
蒼
ふふっ
蓮
ははっ
蒼
行こうか、蓮
蓮
ん、分かった
???
…
???
蓮様の隣は私のものなのに…
???
許せない
???
「あの時」と同じ目にあわせてやる