いれいすなら、信じられる

その後も、生徒会のみんながずっと私を囲んで、 近づいてくる人たちを睨んでいた。 何だったんだろ…？

さて、今のうちに着替えてこないと… 更衣室まで結構遠いし、急がなきゃ そう思って歩いていると…

明らかにチャラい人たちに声をかけられた。 めんどくさ…だからこんな格好したくなかったんだよ… そのまま無視して更衣室の方へ急ぐ。

適当にあしらうと、その中の1人がイラついた様子で 私の手をつかんで強く引っ張った。

その瞬間、私にとってトラウマとしか言いようがない記憶が 脳内に流れた。

ーおい、何口答えしてんだよー ー何だよその目！喧嘩売ってんのか！？－ ーごめんなさい、ごめんなさいー ーもうしません、だからやめて…ー 痛い 痛い 痛い 怖い 苦しい ごめんなさい ごめんなさい ごめんなさい ごめんなさい ごめんなさい

聞こえてきた声に、顔を上げる。 悠佑さんと、いふさん…？ 私に背を向けて、私と相手たちの間に入ってくれている。

まだ体が震えて、上手く喋れない。 早く話さないと、殴られる… とりあえず今は、話せないことを謝らないと…

すると、悠佑さんが手を伸ばしてきた。 殴られるっ…

言われた通り深呼吸すると、少し落ち着くのが分かった。 フラッシュバック…久しぶりだな

だいぶ落ち着いたので、これまでのことを簡単に話す。 話し終わった後、ふと顔を上げると…

悠佑さんが、見たこともない顔で怒っていた。 いつもみんなをまとめてるイメージだから、びっくり… って、ちょっと！？今にも3人組に殴りかかりそうなんだけど！？

落ち着いてくれたみたいでよかった… にしても、いふさんすっごい暴れてんじゃん… 確かに、フラッシュバックは怖かったけど、そんな怒る…？ とりあえず、フラッシュバックは収まったし、あのチャラい人たちも 帰ってくれそうで、一安心した。