テラーノベル
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あれから、数年。
何もかもが上手くいっていた。
やっぱりドイツのおかげだろう、あの後もドイツの快進撃は進み、
まぁソ連も、今はまずいがきっと落とせるだろう。
そう思っている頃のことだった。
…"イタリア降伏"。
あれからドイツがおかしくなった。
イタリアをわざわざ救出し、降伏できないよう監禁。
それはまだいい。
いつの日からか、
イタリアの『やめて』と泣きわめく声や、
ドイツが大きな物音をたて、
戦時中に何度も見たあの陵辱の光景を彷彿とさせるような、
あの音が、聞こえてきた。
オレはそれを見ぬふりをして、
聞かぬふりをして、
そっと耳を塞いだ。
…けど。
今日はたまたま、どうしてもドイツに聞かねばならない用事があった。
あの日からずっと自室にこもってイタリアと一緒にいるが、
……正直にいえば、行きたくない。
まだこの目で見ていないから違うかもしれない可能性だってある。
だけど、見てしまったら。
オーストリア
ドイツ
明らかに遅れて彼の部屋から物音が聞こえる。
どうやらイタリアは寝ているようで、
すやすや、と若干不規則な寝息が聞こえてきた。
ドイツ
ドアが開く。
部屋の中は極力見ない。
要件、要件だけ聞けば良い。
それだけの話だ。
…なのに。
怖いものみたさの好奇心だろうか、真実を追求する探究心からだろうか、
オレは出てきたドイツの顔ではなく、
部屋の中を、見てしまった。
……そこは、ドイツの部屋というには汚れていた。
書類や地図、駒などは床に散乱し、
ナイフには血が付着し、
奥で眠っているイタリアは、
目を腫らして、ぐちゃぐちゃな状態だ。
…なにより、
彼の鎖骨部に、歯型があった。
オーストリア
あぁ、
…本当だったんだ。
オーストリア
本当に、なんでこんなもの見てしまったんだろう。
どうしてドイツはここまでイタリアに執着しているんだろう。
どうしてイタリアは簡単に人を裏切るんだろう。
どうして、
どうしてオレは、
…ドイツの一番になれないんだろう。
オーストリア
ドイツ
あぁ、もう、
…どうでもいいや。
オーストリア
オーストリア
オーストリア
オーストリア
オーストリア
ドイツ
最近不眠不食で疲れていたというのに、
どうしてかドイツを勢いのまま突き飛ばしていた。
目が熱い。
息が吸えない。
くるしい。
オーストリア
オーストリア
オーストリア
オーストリア
悔しい、悔しい、悔しい、
悔しい悔しい悔しい悔しい...!!!!!!
あいつより、オレのほうがずっと出来の良いはずなのに…!!!!
オーストリア
オーストリア
オーストリア
…………
……今、
オレ、
なんて言おうとした。
オーストリア
オーストリア
オーストリア
ドイツ
オレは頭を空っぽにして、
彼に要件を伝えた。
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