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森をぬけた先に広がっていたのは、「イグラムの谷」と呼ばれる魔物の巣だった。
昼間でも光が差さないその地には、かつて多くの旅人が足を踏み入れ、そして戻らなかったという。
だがリナは止まらなかった。
リナ
片手にもらった地図を握り道無き道を頼りに、彼女は小さな足で谷へと踏み入れる。
空気は重く、どこからかうめき声のような風が吹く。
リナ
リナが警戒しながら辺りを見回す。
現れたのは、闇に染まった獣たち。
赤い目を光らせ、牙を剥く狼。
槍のような爪を持つ異形の猿。
羽音を立て群れをなす毒蜂。
リナは震える手で剣を抜いた。
リナ
しかし力の差は歴然だった。
リナ
小さな体では剣を振るうのがやっとで、1歩踏み込む事に傷は増える。
リナ
膝をつき、意識が遠のいたその時……
リナ
???
低く鋭い声が響いた。
銀白の毛並みを持つ大きな狼が、魔物たちの群れに飛びこむ。
その背には、黒髪の少年。
鋭い眼光を放ち、獣のような動きで魔物を斬り伏せていく。
リナ
数分後
リナ
リナ
リナがかすれた声で尋ねると、少年は少しだけ目を細めて答えた。
カイル
カイル
その目は人間離れした鋭さを持っていたが、どこか孤独な光も宿していた。
リナ
カイル
カイル
そう言って背を向けたカイルに、リナはなぜか温かさを感じた。
彼女の旅はまだ始まったばかり。
しかしこの出会いが、後の運命を 大きく変えることになるとは、 リナはまだ知らない_。
主
主
主
主