/s/[storyId]/_components/heading/assets/back_arrow_icon.4081080bcaba67b8.svg){kind=icon}
/s/[storyId]/_containers/report-container/assets/more-icon.20cfac1b79e24f56.svg){kind=icon}
女
もしよろしかったら、ぜひうちにいらしてください！
女
ね？
草也
…え
草也
えぇ？！
夜
未貴子
お湯加減、いかがでしたか？
草也
あぁもう最高でした
未貴子
なら良かったです！
未貴子
お夜食お運びしてもよろしいでしょうか？
草也
えぇぜひ…
草也
じゃなくて！
草也
え、俺ほんとにここいていいんですか？
未貴子
もちろんですわ！
未貴子
空き部屋ならたくさんありますもの
草也
確かに…すごい豪邸ですもんね
未貴子
そんな豪邸だなんて
未貴子
草也
（冗談だと思われとる…）
未貴子
ただうら若き男女がひとつ屋根の下…
未貴子
同室というわけにもいきませんので
未貴子
失礼ながら部屋は分けさせていただきますね？
草也
いやそれはもう当然というとか…
草也
あ、申し遅れました
草也
ぼく池内っていいます、池内草也
未貴子
私は城之内未貴子と申します
草也
え…？
草也
…城之内？
未貴子
ええ、なにか？
草也
あ、いえ…あの、未貴子さん
草也
僕とどこかで会ってます？
未貴子
え？いえ…
草也
僕、未貴子さんの顔に見覚えがある気がして…
未貴子
あら、そうなんですの
未貴子
でも覚え違いだと思いますよ
草也
そう、ですか…
未貴子
私は草也さんとお会いしたのは
未貴子
今日が初めてですし
草也
そうですよね、すみません
未貴子
お気になさらないで
未貴子
よくある顔ですから、私
草也
いえそんな！すっごくお綺麗です！！
未貴子
ふふ、ありがとうございます
草也
あの、明日になったらすぐに出ていきますから
草也
どうぞご安心を…
未貴子
え？！そんな！
未貴子
私今日一日宿をお貸しするつもりでお招きしたんじゃありませんのに
草也
え？
未貴子
どうぞこのままお住みになって？
草也
いやそんな！
草也
さすがにそこまでお世話になれませんよ！
未貴子
いいんです！
未貴子
空き部屋ならたくさんありますし
未貴子
男性にいてもらえると安心感もありますし
草也
恥ずかしい話なのですが、僕会社をクビになりまして
草也
家賃も払えないんです
未貴子
でしたらなおさらお住みになるべきですわ！
草也
え？
未貴子
近頃はアルバイトをするにも住所がいると聞きますし
未貴子
どうぞ、ここを草也さんの再スタートの基盤になさって？
草也
未貴子さん…
未貴子
なんて、やっぱり怪しいでしょうか？
草也
え？
未貴子
当然ですよね
未貴子
初対面の相手にいきなり「お住まいになって」なんて…
草也
いや、その…
未貴子
昔からこうなんです、私
未貴子
困っている人を見ると放っておけなくて
未貴子
すぐに首を突っ込んでしまう
未貴子
友人からも「お節介」と忠告はされるんですけど、治せなくて…
草也
いえ、お節介だなんて思ってません！
草也
僕は…
未貴子
僕は？
草也
その、感動しました
草也
こんなに優しい、素晴らしい人がいるんだ、って
未貴子
草也さん…
草也
多分、未貴子さんみたいな人が増えれば
草也
世界はもっとやさしくなるんだろうな
草也、崇、真人のLIME
崇
――いやどういう展開？
草也
だから言った通りだって
真人
いきなりテント開けて「うちにいらして」って
真人
怪しさ百点満点だろ
崇
で、お前はなにしてんの？
草也
取りあえず家に置いてもらいつつ仕事探してる
草也
家のことやろうとしたんだけど
草也
「客人にそんなことさせられませんわ」って…
崇
まぁ他人に家のことされるのイヤってタイプいるしな
真人
なにしてる女なの？
草也
家がやってる会社の事務だって
崇
えー、社長令嬢かよ
草也
お父さんがまだ現場修行中で社長ではないらしい
草也
でもまぁ、納得の豪邸だよ
真人
へー
草也
空き部屋がいくつもあってさ
草也
一応、未貴子さんの部屋から一番遠いとこ選んだんだ
崇
ほ～笑
真人
せめてもの抵抗ですな
草也
なんだよ抵抗って
崇
お前仕事とか家のこともそうだけど
崇
もう1つ大事なこと忘れんなよ？
草也
それは…
真人
あっち、なぁなぁの状態で女と同棲だろ？
崇
やらしいわ～
草也
そんなんじゃねぇって！
草也
家広いから同じマンションに住んでるみたいなもんだし
崇
ほ～？
草也
部屋遠いからやりとりだってLIMEなんだぜ
真人
わかったわかった
真人
でも家のことはひとまず解決したなら向き合ってやれよ
真人
紫乃とも、さ
草也
…わかってるよ
草也
でも俺、ちょっと気になってることがあるんだ
崇
なに？
草也
未貴子さんのことなんだけど
真人
うん
草也
未貴子さんの苗字
草也
城之内っていうんだ
崇
は
真人
え
崇
え、だって城之内ってお前の――
翌日
草也
ほんとにいいんですか？
草也
俺家のことなにもしなくて…
未貴子
いいんですのよ！
未貴子
今まで苦労されたんです
未貴子
しばらくはお休みになって？
草也
でも…
未貴子
代わりと言ってはなんですが、聞いてもいいですか？
草也
え？
未貴子
草也さんが会社をクビになったいきさつ――
/s/[storyId]/_containers/next-in-series-container/next-in-series/assets/list-icon.c10ab777f3210550.svg){kind=icon}
作品ページ
電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい！がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。
ランキング
新着