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テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

〜翔太 side〜

翔太

っ……?

不思議な暖かさを感じて、目が覚める

あれ……僕、何してたんだっけ……?

???

気がついたかい?

まだぼんやりとした意識の中、 聞き覚えのあるような声が、 上から降ってきた

この人は……

翔太

……グレン……さん……?

ノア

あぁ、グレンは私の祖父。私は孫のノアだよ。あの2人から聞いていないかな

ノア……そういえば、そんなような 名前を、まふ君達が言ってたような

たしか、今の魔法界の 統治者なんだっけ……

ノア

君はショウタだよね。2人と祖父から、話は聞いているよ

翔太

っそう、ですか……

少しずつ意識がはっきりしてきて、 寝かされていたベンチから 起き上がろうとする

翔太

……った……

だけど、やっぱり力が入らなくて、 またどさりと倒れてしまった

ノア

無理をしない方がいいよ。今の君の身体は、突然魔力が大幅になくなった反動で、まともに動けなくなっているから

翔太

でも、早く2人のところに行かなくちゃ……

少し遠くで戦っている2人を 見ると、身体中傷だらけで、 ボロボロになっていた

そらるさんに至っては、 左目を抑えて顔を歪ませている

あれってもしかして、 “魔力突破(マジックブレイク)”を 長時間使用した反動……?

だとしたら、尚更早く 助けに行かなくちゃ……!

ノア

ショウタ。少し、聞いてくれるかな

翔太

はい……?

もう一度起き上がろうとした ところで、ノアさんが話し始める

ノア

私達は、君に沢山感謝しているんだ

翔太

感謝……?

感謝って僕、誉められるようなこと なんて、何もしてないのに……?

ノア

昔、闇のトップを討つために、戦ってくれてありがとう。

ノア

そして、今まで闇に耐えて、この未来に居てくれてありがとう。

ノア

……よく頑張ったね

翔太

っ……!

そう言って、優しい笑みを向けられる

それは、昔見たグレンさんの 笑顔に、すごくそっくりで

翔太

(……なんか、安心するな……)

ノア

この耳飾り、今でもつけてくれているんだね

翔太

はい。……これは、僕にとって大切な物だから

昔、魔力がなくて思うように 戦えず悩んでいた時、グレンさんが これを渡してくれた

その時のことは、 今でもずっと覚えている

僕にとってグレンさんは、 大切な恩人なんだ

だからこそ、絶対に闇堕ちはしたく なくて……あの時、必死に抗った

その結果、こんな中途半端な 存在になっちゃったわけだけど

ノア

先程、魔力を補充しておいたよ。

ノア

私のものだから、君の知っている魔力とは少し違うかもしれないけれど……きっと、ショウタなら扱える

翔太

ありがとうございます

さっきから感じていた暖かさは、 ノアさんがくれた魔力の おかげだったのかな

そのおかげか、段々と身体に 力が入るようになってくる

ノアさんに手伝ってもらいつつ、 今度はしっかりとベンチから 起き上がって、地面に立った

ノア

もう大丈夫だね。行っておいで

翔太

はいっ!

〜真冬 side〜

真冬

はあっ、はあっ……! ……っぐ……!

ふらりとよろめいて、 その場に尻餅をつく

傷のせいで全身が痛い。 長く戦って体力も限界で、 思うように体が動かせない

真冬

っ、そらるさ……っ!?

ちらりとそらるさんの方を見ると、 さっきまで紋様が浮かんでいたはずの 左眼が、まるで機能していないかの ように、薄灰色のまま光を失っていた

彼方

チッ、くそ……!!

真冬

(そんな、もう反動が……!!)

こうなったら、これ以上そらるさんに 魔法を使わせるわけにはいかなくなる

だからと言って、僕にも魔力は もう残っていない

“魔力突破(マジックブレイク)”した として、体力も限界だから、するだけ 無駄になってしまう

真冬

……どうすればっ……。

真冬

……──っ!!

気がつくと、闇が僕らの前に 立って、手を構えていた

何か……他に何か、 闇を止める方法は……!?

真冬

……あ……

目の前には、“ダークナイフ”が3本

きっと、そらるさんの方も同じだ

真冬

(……僕らじゃ、到底敵わなかった……)

戦うことを……生きることを諦めて、 力無くその場に項垂れた

──その時

翔太

“光矢(ライトアロウ)・テン”!!

突然闇に向かって、 光速で何かが突き刺さる

これって、まさか……!

翔太

2人ともお待たせ!

真冬

天ちゃん……!!

彼方

天月……!

後ろを振り向くと、そこには 赤い眼をした天ちゃんが立っていた

翔太

ありがとう、後は僕に任せて!

そう言って僕らに笑いかけた 天ちゃんが、さっきの攻撃の反動で 吹っ飛んだ、闇の方へと向かっていく

ノア

2人とも、大丈夫かい?

真冬

はい、何とか……って、ノアさん!?

彼方

なんでこっちに……!?

いつの間にか、ノアさんまで 僕らの近くにいた

ノア

おや、知らなかったかい? 現世使いがこちらに来れるのなら、魔法界の使いだって現世に来れるよ。

ノア

実際、ここに住んでいる魔法界使いもいるからね。

ノア

……それより、見てごらん

そう言われて、ノアさんの 視線の先を見る

ノア

彼には、私の魔力を分けたんだが……流石史上最強だね

左手には光月夜を握って、右手では 無詠唱で魔法技を連発している

一切無駄のない動きに、 瞬間移動を混ぜた軽い身のこなし

速すぎる2人の攻防は、 僕には目で追うのがやっとだ

真冬

凄い……

史上最強って、話には聞いていたけど ……これは、想像以上だ

真冬

僕らも、あんな風になれますかね

彼方

さあな。なれたとしても、軽く100年以上はかかるだろ

真冬

あははっ、たしかに

それよりも、僕はまずそらるさんに 追いつかなくちゃいけないけど

ノア

それじゃあ、私はそろそろ戻るよ。魔法界も落ち着いてきたと言えど、まだやることが残っているからね

よかった、あっちはちゃんと 落ち着いてたんだ

ノア

それともう一つ。戦いが終わったら、3人でこちらへおいで。

ノア

2人の怪我は特に、現世ではすぐに治らないだろうからね。

ノア

その際、現世の人にはちゃんと言伝を残しておくこと。いいね?

真冬

はい

彼方

分かりました

2人で返事をした少し後、 いつもの如く、ノアさんの姿が消えた

〜翔太 side〜

久しぶりに、普通の使いとして戦う

翔太

本当に君とは久しぶりだよね。まさか、こんな形で再会するとは思わなかったけど

左手の光月夜で相手の攻撃を 受けつつ、右手で技を打つ

これが、いつもの僕の戦闘スタイル

前に遠距離が得意とは言ったけど、 こうして剣で戦うのも、僕は好きだ

翔太

(……やっぱり、か……)

翔太

……ねぇ、昔から気になってたんだけどさ

戦っていて、明らかに 2人の時と違うことが一つ

何で……

翔太

何で君は、僕にだけ手加減するの?

……!!

翔太

昔もそうだけど、今は尚更。

翔太

僕には勝てないって、君は分かってるよね?

翔太

なのに、手加減する理由は何? どうしてそんなに僕にこだわるの?

一度攻撃を止めて、 自分の姿をした闇と向き合う

戦ってるのに、どこか 手応えを感じない

いや、相手がほとんど 攻撃をしてこない

昔、初めて戦った時もそうだった

闇の力がたった“これだけ”なら、 あの2人が倒せていたって 何らおかしくないレベル

あんなにボロボロになるなんて、 普通に考えてあり得ないんだ

……かえり、たい

かえりたい……帰りたい?

翔太

何処に?

……かえりたい、だけ……!

そう言って、僕を指差した闇

翔太

僕……?

翔太

……っ!!

僕が考えている隙に、 また闇がこちらへ向かってきた

まさか、また僕を取り込む気……!?

翔太

君の帰る場所はここじゃない! もう君には支配されないっ!!

相手の攻撃を受けて、 すぐに距離を取る

昔と違って、闇使いはいない。 僕と闇の一対一

ちゃんと浄化できれば、 昔の二の舞にはならないはず

ううん、そんなことさせない!!

翔太

これで最期……!!

光月夜を構えて、闇に向かって走る

翔太

“浄光・命月詠”!!!

魔法使いは何を唱う?

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