テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
ふかふかの布団に、やわらかい枕
床は冷たくないし、天井も遠く感じる
高峰理人
高峰理人
高峰理人
部屋の入口で高峰が少しだけ屈んで声をかける
朔弥が無言でうなずく
高峰理人
カチリ、と鍵のかからないドアの音がして、足音が遠ざかっていく
あっという間に、部屋は静けさに包まれた
……でも、すぐには眠れない
どこか落ち着かなくて、視線が天井や壁をゆっくり彷徨う
ガタッ
柊 朔弥
少しでも音がすれば肩がびくっと跳ねる
こんなに「安全」そうな場所にいるのに、どこか身体が緊張を解いてくれない
シーツの中、ぎゅっと自分の膝を抱えこむ
あたたかいはずの毛布の中で、どこか寒さを感じるのはなぜだろう
……思い浮かぶのは、小さな、柔らかな手
夜になると必ずすがってきたあの温もり
今はもういない
喉の奥がきゅう、と詰まって、呼吸が浅くなる
心のどこかに、ぽっかり穴があいたような感覚だけが残る
静かな朝の光が、カーテン越しに差し込んでいた
柊 朔弥
柊 朔弥
朔弥が部屋のドアを開けると、廊下にはすでに生活の気配が漂っている
階段をゆっくり降りると、キッチンとつながった広々としたダイニングに辿り着いた
高峰理人
高峰理人
テーブルに座って新聞をめくっていた高峰が顔を上げて、目を細めながら声をかける
朔弥は少し迷いながらも小さくうなずいて、テーブルの端に座った
高峰理人
そう言いながら高峰は湯気の立つカップを朔弥の前に置いた
続いてキッチンから東條がエプロン姿で現れる
東條 絢斗
東條 絢斗
テーブルの上には、ふわりと湯気の立つスープと、ふっくら焼けたパン、やさしい色合いのスクランブルエッグ
ぎこちない手つきでスプーンを握り、スープをひと口すくう
あたたかい……
高峰理人
高峰理人
高峰がドヤ顔をすると、即座に東條が眉を寄せる
東條 絢斗
高峰理人
高峰理人
突然ふられて朔弥が戸惑っていると
東條 絢斗
と、東條が呆れ声を上げた
テーブルの上には、小さな笑い声が重なっていく
白夜 ゑぬ。
742
結愛
354