木山 春樹 様へ
突然のお手紙申し訳ありません。
でも、どうしても伝えたかったの です。
あなたは、私といつも一緒に居てくれましたね。
2人で教室を抜け出したこと。
2人で先生に叱られたこと。
2人で笑い合ったこと。
あなたは、私の青春の全てでした。
突然ですが、私は家の都合で引っ越すことになりました。
ここから離れた、遠いところです。
もう会えなくなると思います。
今まで本当に本当にありがとう。
最後に一つだけ。
私はあなたが大好きです。
宮崎 薫
感動的な手紙だ…けど
この手紙は僕にあてられた 物じゃない。
事の発端は、僕がクラスの日直 だった日。
残って教室の掃除をしていると、 タンスの奥に封筒を見つけた。
少し黄ばみ始めた封筒は、僕の好奇心をくすぐった。
その封筒を家に持ち帰り手紙の中を 見てしまい、
今に至る。
差出人の薫さんが、真剣な思いでこの手紙を書いたことは
2人のことを何も知らない僕にでも 分かった。
僕は手紙を受け取るはずだった 春樹さんを
探すことにした。
校長
校長
校長
校長
校長
校長
校長
校長
校長
校長
校長
校長
校長
校長
校長
校長
結婚という単語が、頭に焼きついた。
結婚…してしまったのか。
いや分かってた、結婚することくらい分かってるんだけど
相手は初恋の人ではないのだろうと 考えると、
やっぱり何処か切なくなった。
休日の日、僕は神上花に行った。
春樹さんの顔は、先生にアルバムを 見せてもらったから
なんとなく分かる。
でも、手掛かりになる事は
春樹さんの名前と顔だけだ。
木山 春樹
木山 春樹
顔立ちが変わっていないから、 すぐ分かった。
木山春樹さんだ。
…それより
薫?
じゃあ、この人は…
薫
木山 春樹
木山 春樹
薫
薫
木山 春樹
木山 春樹
薫
木山 春樹
薫
薫
薫
薫
薫
薫
薫
薫
薫
薫
宮崎薫さん
いや、木山薫さんは
そう言って笑った。
「なぁ、薫」
「何?春樹」
「よく、聞いてくれ」
「…うん」
「あなたは俺の全てです」
「俺と、結婚してくれる?」
「はい。」
「喜んで」
コメント
37件
こんなの感動しますわ…
コンテスト参加ありがとうございます。 届かなかった色褪せた手紙。そこからは、やはり結ばれない未来を想像してしまいます。ですが、カサミネさんの作品では何とハッピーエンド!読者をハラハラさせるような展開がとても素敵でした! 気になった点は、最後の告白(プロポーズ)の所です。薫のことを"あなた"と呼んでいるのならば、一人称も"私"で良かったんじゃないかなぁと思いました。