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イソップ
石壁に囲まれた場所で、イソップは一つ目の暗号機を発見した。然し、辿り着いた頃にはもう既に息はすっかり上がっており、足も震えている。
運動なんぞ人生には必要無いと思っていた彼は後悔しつつも、暗号機に手を掛けた。
イソップ
機械が音を立てて、振動し始める。
イソップ
順調に解読されていく暗号機に比例し、イソップの疲労は徐々に回復していく。
イソップ
一分以上経過し、暗号機の揺れがより一層増した瞬間、アンテナの頂点に付いた可笑しな形の照明が光り、機械は振動を止めた。
イソップ
鐘と共に、誰かがこの“舞台”で倒れる。
それは、駆け出した瞬間のイソップを驚嘆させるのは十分過ぎた。
イソップ
彼は気付いていなかった。ゲーム開始直後からずっと仲間から送られてきたメッセージの存在に。
ナワーブ
いつの間にやら彼に近付いていたナワーブは、悔恨の思いで石壁を思い切り叩く。
イソップ
ナワーブ
イソップ
ナワーブ
イソップ
当惑するイソップの右腕をナワーブは掴み、強い力でぐいと引っ張った。
ナワーブ
「ハンターが近くにいる!」
「早く逃げて!」
マーサが囚われていたのは、教会の東にある墓地のロケットチェアだった。
マーサ
椅子の目の前には太った道化師ーーまたの名を、ジョーカーと呼ばれるハンターがロケット型の玩具、サバイバーを裁く為の武器を抱えて立っている。
イソップ
ナワーブ
イソップ
ナワーブ
イソップ
ナワーブ
ナワーブはイソップの返事すら聞かず、一目散に椅子に向かって駆け出す。其処には何の曇り無き“傭兵”の姿があった。
傭兵に釣られた道化師は、マーサが捕らえられているロケットチェアから姿を消す。
イソップ
それに合わせて、イソップもロケットチェアへ向かった。
マーサ
イソップ
体を固定する為の縄を外すと、マーサはおもむろに立ち上がる。腹部からは出血が目立ち、歩くのさえ今の彼女は拷問と化している様だ。
マーサ
それでも、一歩でもハンターから逃れようと、マーサは必死に足を動かす。
イソップ
マーサ
イソップ
マーサ
時を同じく、ナワーブは教会内にて道化師との“鬼ごっこ”を繰り広げていた。
ナワーブ
息が上がる気配は無い、道化師からの攻撃は己に届いていない。
そんな有利的状況でも、彼の心臓は今にも破裂してしまいそうな程鼓動を繰り返していた。
道化師
道化師は不気味に破顔う。最も、己の顔を破って貼り付けた欺瞞の笑顔はずっと前から変わらなぬままなのだが。
ナワーブ
道化師
1個の暗号がまだ解読されていません 地下室が更新済みです
イライ
マーサ
イライ
マーサ
イソップ
その会話を聞き、イソップは思い出した。 自身の能力の事を。
彼は徐に暗号機から手を離し、鞄を地面に置いて、一つの棺を出現させる。 中には人体とほぼ同じ大きさの灰色の人形が、腕を交差させて立っていた。
マーサ
イソップ
丁寧且つ慎重に、然し素早く、ナワーブの身体を己の記憶を頼りにその人形へ宿していく。
三十秒も経たない内に、其処には立派な傭兵の人形が創られていた。
イライ
イソップ
マーサ
………
………
最後の暗号機が解読したその時ーー 会場全体に、大きなブザー音が鳴り響く。
マーサ