最近、元貴の様子がおかしい。
機嫌が悪いって訳じゃないんだけど、 なんかずっとあたふたしてると言うか、緊張していると言うか、妙に意識されていると言うか…
前は手が触れただけで動揺なんかしなかったのに、動揺してお醤油落としちゃうし…
ぼくが上半身裸でうろうろしてても、気にしなかったのに、顔を真っ赤にして逃げちゃうし…
思わず聞こえないふりしちゃったけど、僕の事“かわいい”って呟いてたし…
これはもしかしたらもしかするんじゃないかと期待してしまう事ばかりで、今までさり気なくアピールしてた努力の結果が出てきたのではと、錯覚してしまうくらい。
藤澤
ねえ、元貴。
さっきからソファーに座っている元貴に話し掛けているけど、全然反応がない。
藤澤
聞いてる〜?
後ろから声を掛けているから表情は見えないけど、考え事でもしてるのかな?
ぼくはソファーの背もたれに手をついて、後ろから元貴の顔を覗き込んでみた。
大森
え?!わっ、ごめん!
なに?!
なに?!
すると、元貴は顔を赤くして横に飛び退いた。
藤澤
さっきから呼んでたのに。
本当は全然怒ってないけど、わざと怒ったように頬を膨らましてみる。
大森
え、あ…そうなの?
大森
気付かなくて…
大森
あ!そうだ!
ぼくお風呂入ってくる!
ぼくお風呂入ってくる!
元貴はしどろもどろになりながらそう言うと、小走りでリビングから出て行った。
最近ではこの反応が可愛くて、つい意地悪をしちゃうんだよね。
…本当に僕の事意識してくれてたら嬉しいんだけどなぁ。