ある日の夜。 リビングの掃除をしている時、 テーブルにページが開かれたアルバムと、涼ちゃんの携帯が置かれているのが目に入った。
最近、肌身離さず持ち歩いてるので珍しいなと思いつつ、アルバムに貼られていたある写真に目がいく。
大森
その写真を見た瞬間、 ぼくは今まで忘れていた記憶が朧気に蘇った。
大森
そして、靄が掛かったような記憶が鮮明になるかならないかのところで、涼ちゃんの携帯のバイブが鳴り、画面が明るくなった。
見るつもりなかったけど、反射的に見てしまった。
大森
若井? なんで?
混乱するぼくの耳に、トイレを流す音が聞こえてくる。
ぼくは何も見なかった振りをする為、急いでキッチンに行き、洗い物をする振りをした。
水で手が冷やされて、次第に混乱する頭も冷静になっていく。
そう言えば、涼ちゃんが携帯を触るようになったのは、若井が家に来てからな気がする。 そして、今送られてきた若井からの内容…
今思うと、若井に涼ちゃんの事を相談した時、ずっとニヤニヤしてたし、“そう言う事に疎いんだね”とも言われた。
ぼくとしては、涼ちゃんへの気持ちを自覚した後に、若井は『自分の気持ちも分からないんだ』って意味で言ってたんだなって理解してたけど、もし相談の相手が涼ちゃんって気付いていて、違う意味だったとしたら…?
最悪…
なんであんな約束、 このタイミングで思い出すかな…
そっか…
涼ちゃんが好きな人は若井で、 若井も涼ちゃんが好きなんだ…
コメント
4件
思い違いというのでしょうか、それがとても自分に刺さりました!
うわぁぁぁあ😭😭😭 胸がギュッてなりました😭 好きって辛い😭