空はいつものように洞窟に来ていた
それが空の日課である
ヒカリ
珍しくヒカリが出迎えてくれた
空
いつもの場所に座っているので、空も隣に座った
今日は今まで聞こうと思ってずっと忘れていたことを聞きに来た
ヒカリ
空
空
ヒカリ
空
ヒカリ
ヒカリ
空
ヒカリ
空
ヒカリ
ヒカリ
ヒカリ
空
ヒカリ
ヒカリ
確かに、ヒカリのケープはボロボロで棘のような形になっている
そして師匠から貰ったものだからか、一回り大きい
ヒカリ
空
ヒカリ
ヒカリが微笑んだ
ヒカリ
ヒカリ
空
ヒカリ
ヒカリ
空
ヒカリ
ヒカリ
ヒカリ
空
ヒカリ
師匠の話になると、ヒカリはいつも嬉しそうだ
ヒカリ
ヒカリ
ヒカリ
ヒカリ
ヒカリ
空
ヒカリ
大事な人を知らない間に苦しめていただなんて知ったら、どんなに自分を憎むだろう
ヒカリは眉間に皺を寄せていた
でも、それはすぐにほどかれた
ヒカリ
空
空
ヒカリ
空
ヒカリ
渋々ながらもヒカリは左手を差し出した
空はその手に恐る恐る触れてみる
人差し指が触れた瞬間、ビリッとした痛みが走った
そこからはズキズキという痛みが続いて、少しずつエナジーが減っていっている
ヒカリ
空
痛い
だが、どこか懐かしい
感じたことがある痛みだ
一体、どこで…
その瞬間、空の脳内にとある光景が映った
かつてあった右手で、ヒカリの左手を握っている
草原の陽の光の下で、太陽より眩しいヒカリの笑顔が輝いている
その横で、黒が顔をのぞかせている
そしてヒカリの姿は雀の姿とよく似ているが、その頭には暗黒竜の触覚が生えている
そんな光景を、自分が見下ろしている
この記憶は、一体…
ヒカリ
空
空
空
ヒカリ
ヒカリ
ヒカリ
あれは自分の記憶じゃない
ただの妄想だ
妄想でしかない
そう自分に言い聞かせた
空
空
コレクションの中に唯一黒ケープがなかったような…
ヒカリ
ヒカリ
ヒカリ
空
空の顔色は最悪で手にも顔にも冷や汗をかいている
空
空
空
空
ヒカリ
ヒカリ
空
空
空
ヒカリ
ヒカリ
空はすぐにホームに戻り、コレクションを開いた
そして自分の記憶通り、唯一黒ケープがなかった
薄々、気づいてはいた
明日から、どんな顔をして会いに行けばいいのだろう
コメント
2件
うわぁああああ……エッ良。好き。黒ケープが無いってもう決定やん……最高でした。