テラーノベル
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2015 夏
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母親
母親
母親
母親
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母親
母親
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母親
母親
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父親
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父親
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父親
父親
父親
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父親
父親
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ガタッ
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トサッ…
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ノート、?
忘れられたように引き出しの奥にしまわれていた、 数冊のノート
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小3の始まりから小4の夏まで、ずっと付けられていた
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試しに1冊手に取り、ページを適当に開いてみる
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あるページを捲った時、
ひとつの紙切れが床に落ちた
少年6人が、無邪気な笑顔で写った集合写真
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ページが進むにつれて、 どんどん殴り書きになっていく記録
文章の内容も、
楽しい思い出語りをしていたものから、
恨み、後悔、謝罪の言葉が並ぶものへと変わっていく
ノートに置いた手を、 無意識に握り締めた
母親
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反射的に、ノートをキャリーケースの中に押し込んだ
母親
母親
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母親
母親
母親
母親
腰を曲げて、右足を気にかけるように擦りながら言う
母親
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母親
母親
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部屋に散らかった思い出を適当に分別してまとめた後、 部屋を出た
…サッ サッ
人気の少ない道路に面した 境内で
積まれた落ち葉を掃く
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集めた落ち葉を本殿の裏に捨てようとした時
奥へと進む階段を見つけた
本殿の後ろは、すぐ裏山
階段の向こうには、小路が続いていた
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どこへと向かうのか気になって、林の向こうへ足を踏み入れた
ガサッ ガサッ
もうどこに向かっているのかも分からないまま
道なりに進んで数分が経った
これ…
どこまで続いてんの、?
少しずつ、帰りの不安に襲われる
ある程度進んだところで、目の前に祠と地蔵が現れた
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長年放置されていたのか、泥や枯葉を被っている
手でそれらを払い落とすと、 そこそこ綺麗に保たれた姿が見られた
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明日ここへ来る時は、なにかお供え物を持って行こう
そう思いながら、そのまま来た路を引き返した
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深夜に近い時間帯
母親が寝たことを確認した後
自分も寝床についた
机に目を向けると
小3の夏から付けられた、2冊目の日記が置かれていた
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遠くなる意識の中で、 そう思った
FIN