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俺らのミライは壊させない

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俺らのミライは壊させない

3 - 俺らのミライは壊させない[中編2]

♥

261

2022年09月03日

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ジャラリ…

悠佑

……

手錠が金属音を立てて揺れている

悠佑

俺をどうするつもりや

キッと数十人いる奴らを睨んだ

組織の人間

どうするも
こうするも

組織の人間

利用するだけだよ

男がニヤリと笑う。

悠佑

……はっ、お前らに
俺が扱えるかな

嘲笑うような笑みを浮かべ 男たちを煽る

組織の人間

なっ……!!

組織の人間

まて、傷をつけるな

組織の人間

そうだぞ、大切な

生贄なんだから

悠佑

……生贄、な

その言葉に違和感を覚えるでもなく ただそれを受け入れる

組織の人間

どうした?怖いのか?

悠佑

っ…!

髪を引っ張りあげられる 慣れてはいるが痛いものは痛い

組織の人間

…傷つけるなよ

組織の人間

へいへい

悠佑

パッと手を離す 相当に俺が大切らしい

悠佑

アイツらには…
手ぇだすなよ

絞り出した言葉はソレだった

組織の人間

ん?あー、あの二人か

組織の人間

どーする?

組織の人間

人質として使えたかもなw

組織の人間

面倒だろそんなのw

組織の人間が好き勝手に会話する

組織の人間

でもまあ、お前が
逆らったらアイツらが
どうなるかくらい、

組織の人間

わかるよなァ?

鋭い目つきをした人間が、 こちらを見てそう言った。

悠佑

当たり前や……
従うことには従う

悠佑

やけど…

どうせ、お前らには無理な話や

組織の人間

……まあいい。
そのまま大人しく寝ていろ

悠佑

はいはい

悠佑

……

アイツら、余計なことせんよな……

そんな不安を掲げながら 俺は一夜をここで過ごした。

組織の人間

おい、起きろ

悠佑

…ふわぁあ……

どうやらもう、朝らしい

組織の人間

立て、あの場所に行くぞ

悠佑

あの場所……ああ

儀式の間のことか。

悠佑

もう、なんやなぁ

終わりは着々と近づいてきていた

霧がかかった洞窟を進んでいく

悠佑

……さみぃなぁ

今は夏だが、洞窟は冬のように 寒かった

組織の人間

文句を言うな。

悠佑

そうは言っても…
俺やって人間やで?

生贄ではあるし、神子でもあるけど 人間なのだ。寒いもんは寒い。

組織の人間

チッ……

悠佑

……

手錠を引いている組織の人間が 舌打ちをして、小声でなんか言ってた

悠佑

はぁ……

あの海が 暑さが ……ないこたちが

悠佑

(覚悟は、決めたハズ
なんになぁ……)

恋しい。

目を瞑り、彼らを想う。

悠佑

……

生まれ変わったら、

悠佑

今度は、

アイツらの兄弟になりたいな

そんなありもしない妄想をして ただただ歩いた。

洞窟を抜けると、そこには 一本の大きな木が立っていた

組織の人間

おお……ここが…

聖地、カルマ…!!

誰かがそう呟いた。

悠佑

……で、どうするんや?

組織の人間

…そうだな

組織の人間

お前が素直に従えば
全て丸く収まるのだが…

悠佑

ほぉん、俺が従うと
思っとったん?

挑発するような口調で声をかける

組織の人間

ハッ……従わないなら
アイツらを殺すだけだ

脅しだ。明らかな。

ガシャン!!

金属の錠が外れ、床に落ちた。

悠佑

なら…殺すしかないよな

手をかざす

組織の人間

なっ…!!お前、
どうやって…!?

悠佑

こんくらい造作も出てない

悠佑

俺は昔からこういう目に
あっとるもんでなぁ

悠佑

縄も、手錠も、解けるんや

にっこりと、笑いかける。

組織の人間

だ、だが…、
多勢に無勢だ!
お前に勝ち目はない!

焦っているのは果たしてどちらか。

悠佑

……そうやな

口元は笑っているが、 他の何もかもが笑っていない

悠佑

それでも多少は道連れに
できるやろ?

組織の人間

くっ……!!お前ら!
何してもいい!!

組織の人間

コイツを捕らえろ!!

ああ、やっぱりお前らは俺を

悠佑

殺せやしないんやな

冷めきった表情を浮かべて、

組織の人間

オラオラオラ!!

バンッバンッ!!

響くは銃音。

悠佑

…サヨナラ

組織の人間

は、?

バタッ

鈍い音が鳴るのは人が倒れた時。

悠佑

即効性の毒薬……
とるのに苦労したわ…

手の中に埋め込んだ毒針を見つめて そう言い放った

組織の人間

毒針だと…!?

組織の人間

クソッ、どうにか
するんだ!!

組織の人間

どうにか…って
どうすればいいんだよぉ!!

ドンドン、バンバン、少しだけ違う 銃の音に耳を傾けて

悠佑

…無駄やで

冷淡に殺していく

組織の人間

ぐぁあっ!!

組織の人間

ヒッ、、!

組織の人間

怯むな!!打てぇ!!

各々、恐怖の感情を表しながら それでもなお、攻撃をやめない

バンバンッ!!ドンッ!ドンッ!

悠佑

……

静かに殺して

静かとは言えない形で 死んでいく

悠佑

無惨やなぁ…

そう呟いたのは殺した本人だった

悠佑

そろそろ諦めたらどうや?

60人ほどいた組織の奴らは もう10人と満たない程度に なっていた

組織の人間

くっ……

組織の人間

俺死にたくねぇ……

組織の人間

狼狽えるな…!!

組織の人間

………。

何かしらの言葉を発してはいるが 戦意喪失の言葉がほとんどだ

悠佑

……殺されたいか?

そう問いかける

組織の人間

……

無言で返された。

皆、死にたくなどないのだ ただ組織に逆らえば何があるか……

悠佑

そうかええよ、
見逃したる

悠佑

逃げたい奴は
逃げろ。

悠佑

さもなくば

殺す

組織の人間

……、…

組織の人間

う、うわぁあぁあ!

組織の人間

あ、おいまてよ!!
俺も,逃げる、!!

組織の人間

くそ……!!

逃げていく逃げていく。 死にたくがないために。 皆、逃げていく

悠佑

…もう、ええかな

全員逃げ出した。

そう思った瞬間

ドンッ!

悠佑

は……、

腹に鈍い痛みが走る

組織の人間

はあっ、はあっ、
はあっ、は、ハハ!!

組織の人間

やった、ついに
やったぞぉ!!

1人の男が自信満々に銃を掲げた

組織の人間

これで目標は
たっせ

ヒュン

悠佑

ハァッ、はぁっ、ひゅあ、
はぁっ、はぁっ、くそ、、

もう、ここまで、か

悠佑

…さいご、にっ、
アイツらに、、

会いたかったなぁ。

ないこ

アニキ!!

ぼやけた視界にピンク髪の彼が映る

悠佑

……

ついに幻覚まで見え始めたか…

いふ

ほとけ服かせ!!

ほとせ

うん!

初兎

悠くん…!死んだら
あかんで!!

りうら

アニキ!!しっかりして!

悠佑

は、、は……

幻覚でも、お前らは優しいな

口元に笑みが浮かんだ

いふ

くっ……よし!!
これで一応、応急処置は
できたはずや!!

悠佑

……?

もうだんだん眠くなってきていたのに

少しだけなら動ける

そんな気がした

悠佑

おまっ、えら……、

ないこ

アニキ!良かった、
俺らのことわかるんだね!

りうら

幻覚じゃないからね!
本物だからね!?

悠佑

は、、?げんかく、
ちゃう、んか…

りうら

やっぱり勘違いしてた!

初兎

悠くん、助けに来たんに…

いふ

間に合わんかった

ほとけ以外は神妙な面持ちで、 声をかける

ほとせ

ごめ"ん"!!あ"に"き"!!

ほとけはもう既に涙でぐちゃぐちゃだ

悠佑

ふはっ……、ええ、よ
あり、がとう、!

精一杯の声を絞り出す

ないこ

あ、、無理しないで、
話さなくていいから!

悠佑

……、あか、ん。

生贄として。 神子として。

ないこ

え、?

そんな"諦め"は許されない。

重たい腰を持ち上げ、立ち上がる。

ほとせ

あ、アニキ!?

ほとせ

だめ、だよ!そ、んな
ことしたら!!

悠佑

おれ、には……使命が
あるんや、…!!

息ができなくとも、 動きがにぶくとも、

やらなくてはいけないことがある

いふ

アニキ、つかまって。

いふは悠佑に手を差し出した。

悠佑

い、ふ……

いふ

そんなに言うんやもん

いふ

めっちゃ大切な
ことなんやろ?

悠佑

……ああ、せや。

世界を、地球を、救うんやからな

いふ

最後まで、付き合うよ。

悠佑

ありが、と

微笑んで、そう答えられたら、 もう何も言えない。

ないこ

ッ…!俺も、一緒に
いさせて!!

ないこ

ほら、おぶるから!

しゃがんで背中を見せるないこに 各々が反応する

悠佑

ないこ……!

いふ

あっ、ないこたんズル〜い

初兎

ないちゃん
抜け駆けですかw?

りうら

もー!!りうらだって
おぶりたい!!

ほとせ

僕も!!……だけど、

ないこ

元気良く挙手をするほとけが、 ないこの目を見て言う

ほとせ

今回はないちゃんに
譲るよ。

ほとせ

特別に!だけどねっ!

ないこ

ほとけっち…っ!

感極まって泣きそうになっている

りうら

今回は…ないちゃんと
いふくんのファインプレー
だったし……

初兎

…せやな、俺ら、
なんもできとらへん…

ないこ

りうら、初兎……

ほとけに続いたのはりうら、初兎だ

いふ

……しょーがない!
今回は譲ってやるよ

ないこ

いふっ…!!

笑っていふが言いのけた

いふ

やけどこの先は
本気でいくからな

ないこの耳元でそう呟いた

ないこ

ッ…!臨むところだ!

挑戦的な笑みを浮かべていた

ないこ

さ、アニキ、乗って!!

悠佑

おう……

木に触れる寸前までアニキを 運んだ

ないこ

本当に、ここでいいの?

悠佑

おう、あんが、と、な!

弱々しく笑う彼にあとどれだけ 時間が残されているのだろうか

悠佑

すこし、はなれとって

ないこ

…?うん…

アニキが言う通りに皆下がる

悠佑

ふぅっ……

悠佑が、息を吹きかける

すると…

ないこ

えっ、なにこれっ!?

パリンッ、パリンッ!!

周りが、空気が割れていく

りうら

て、手繋いでおこ!!
ね?初兎ちゃん!

りうらは初兎に向かって手を出した

初兎

! せやな!!いむくん!

その手を初兎は掴み、次は ほとけに手を出す

ほとせ

うん! いふくん!!

いふ

おう! ないこ!!

ないこ

うん!!アニキも!
手出して!

ほとけもいふもないこも同様に 手を繋いだ。

悠佑

俺は、ええよ。

アニキは微笑み、そう言った

悠佑

世界の創造を、見届ける
義務があるから。

ないこ

え……アニキ…!?

悠佑

じゃあな、お前ら

トンッ…

背中を押されたと同時に、 木の周辺以外の地面が崩壊した

ないこ

アニキ!!!!

姿が見えるのに、 手を伸ばしても届かない

ないこ

……!!

口パクでアニキが何か言っている

悠佑

あ……

会えてよかった。

ないこ

!!!

その時の泣きそうなほどに 優しい悠佑の顔を 俺は一生忘れられない。

俺らのミライは壊させない

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コメント

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、、、すきだぁあ

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