夏芽
ごめん、待たせた?
お母ちゃん
夏芽、待ってないよ。大丈夫!
夏芽
なら良かったよ
お母ちゃん
じゃあ行こうか!
夏芽
うん!
記憶が蘇ってきた。これは間違いなく私の記憶。私の、、、変えられない記憶。
お母ちゃん
ピクニックなんて何年ぶりだろう?
夏芽
小学校の時に行ったよね?
お母ちゃん
そうそう!緑公園ね!
お母ちゃん
今日はお弁当作ったからね!沢山食べられるよ!
夏芽
虫が入ったらって思うと怖いんだよね、、、
お母ちゃん
あははっ!虫だって生きてるんだからさ!米粒1つくらい分けてあげようよ!
夏芽
そういう問題?!
お母ちゃん
ふふっ!そういうことにしておけば幸せでしょ!
この日をループしていればいいのに
お母ちゃん
行こっか!
夏芽
うん!
夏芽
、、、
お母ちゃん
夏芽?
夏芽
あの、、、
お母ちゃん
ん?
夏芽
連れていかなくていいの?
お母ちゃん
え?誰を?
夏芽
いや、、、あの、、、
お母ちゃん
どうしたの?夏芽?
夏芽
灯緒は?
お母ちゃん
、、、誰?
夏芽
「ひお」だよ、、、連れていかないの?
お母ちゃん
家族じゃない人は連れていく必要は無いと思うの
夏芽
なっ、、、!なんて酷いこと言うの?!灯緒は家族だよ!!!
お母ちゃん
だってそんな人知らないよ!誰のことを話してるの?!やめなさい!!
夏芽
灯緒、、、
夏芽
ごめんね、あの、、、お姉ちゃん今からお出かけしようと思ってるの。だから灯緒も来る?
灯緒
姉さん?
夏芽
そうだよ、灯緒、、、
灯緒
私が行ったら母さんが怒る。
夏芽
怒らないよ!!怒らせない!!
灯緒
姉さんは偽善者だよね
灯緒
私は要らない家族だった?
夏芽
そんなことあるわけないでしょ?!あんたが生まれた時すごく嬉しかったんだから!!
灯緒
私の両親返してよ
夏芽
、、、え?
灯緒
母さんは父さんが居なくなっておかしくなった。姉さんがそこに漬け込んだから母さんは姉さんに優しくするようになったんでしょ!!!
夏芽
そんなつもりじゃ、、、!
灯緒
絶対行かないからっ!!!
夏芽
灯緒!
灯緒
この名前だけは穢さないでよ!!!お母さんが遺した唯一の救いなんだから!!気安く呼ばないで!!
夏芽
そんな、、、!
夏芽
ごめんなさい、、、
お母ちゃん
ね?だからあそこには誰もいなかったでしょう?
夏芽
、、、
お母ちゃん
夏芽、、、?最近おかしいわよ?大丈夫なの?
夏芽
あそこには、、、
夏芽
あそこには誰も、、、いなかった
お母ちゃん
そうでしょう?
お母ちゃん
なにか思い詰めてるんじゃないの?
夏芽
そうかも、、、うん
お母ちゃん
じゃあ食べよっか!
夏芽
うん、、、!
夏芽
私は、家族を捨てた、、、
たの
誰??誰を捨てたの?
夏芽
灯緒っていう妹
たの
へ〜!そうなんだ!
夏芽
めっちゃ元気そうだね、、、
たの
うん!いつでも元気元気〜!
夏芽
良かったね、、、
夏芽
灯緒っていう名前は私がつけたのに、、、
たの
のに?
夏芽
前にね、お母ちゃんとピクニックに行ったことがあってさ。その時のこと全然覚えてなかったけど、、、
夏芽
その時に灯緒も誘ったの
たの
うんうん!
夏芽
そしたら、私の名前を穢すなって言われてさ、、、
夏芽
本当に名前をつけたのは私なのにね
たの
そんなに言われてイライラしなかった?
夏芽
ううん、もう正直見捨ててたんだ。だって私にはなんの害も無かったからさ
たの
へー!そんなことがあったんだね!
たの
いま何歳なの?灯緒ちゃん!
夏芽
多分、、、15歳、、、
たの
受験に向けて頑張ってるのかな?
夏芽
、、、
たの
夏芽?
夏芽
灯緒の話ばっかりしないでよもう、、、今ここにいるのは私なのに、、、
たの
あはは!ごめんね!!
夏芽
灯緒、、、しばらく会ってない、、、
たの
夏芽は今何歳なの?
夏芽
18だけど、、、
たの
いいねえ!
たの
一人暮らししないの?夏芽!
夏芽
出来ないもん、、、
たの
そうなの?
夏芽
うん、、、でもできるようになったらすぐに、、、
あれ、、、なんで一人暮らしできないんだろ、、、あれ、、、学校とか、、、あれ、あれ、、、?
たの
夏芽?
夏芽
あ、ごめん、、、
たの
悩んでることがあるなら大丈夫!今日のうちに分かるからね!
夏芽
え、そうなの?
たの
うん!夏芽は今日生まれ変わるんだ!
夏芽
どうやって、、、?
夏芽
たの、、、?
たの
やっぱり綺麗だ、、、!
逃げなきゃ