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テコテコ
テコテコ
テコテコ
テコテコ
テコテコ
テコテコ
テコテコ
テコテコ
テコテコ
テコテコ
首を
絞められる感覚
今まで
何度も味わった
でも
嫌いな奴、知らない奴
赤の他人に絞められるより
愛してる人に絞められる方が
辛いだなんて
知らなかった
知りたくなかった
病室に誰か入ってきた
すぐに私の嫌いな奴だとわかって
警戒する
男達の目的は
私を壊すことだった
今まで
幾度となく行われた行為
そこには
優しさも快楽も愛も無い
あるのは
利害の一致による
恐怖と嫌悪と絶望のみ
支配だ
心身ともに
大切なものが
自分が自分であるための 生きるためのものが
目に見えて壊れていく
男達はもともと
合意なんて取る気はなかったようだ
私は抵抗しなかった
"敵わないものには抵抗しない"
これが生きていく上での
私の守らなければいけない決まり
でも
男が私をオモチャにしている最中
ふと、思った
"誰がそんな決まりを作ったのか"
薄々、感じていた
誰かに、何かに
"命令されている"
そのことに気づいたとたん
どうしようもない怒りと
それを超えるほどの歓喜に
頭のてっぺんからつま先まで 電流が走るように支配された
「なぁんだ」
「簡単なことだった」
「お前らクズがあたしを支配してるわけじゃなかった」
「あたしがあたし自身を支配することを放棄してたんだ」
あたしはあたしの中の悪魔が嫌いだ
でも
この一瞬だけは
いや、自覚してないだけで 他にもあったのかもしれないけど
自覚して、初めて
自分の中の悪魔を受け入れた
きっと 悪魔もこう思ったに違いない
"コイツらを痛めつけたい" と
そう考えた直後
あたしで遊んでた男の うめき声と
そばで見ていた男の息を飲む音が 聴こえた
そして気がつくと
男の顔だった部分が真っ赤っか
どうして?
、、、、あれ
私の手ってこんなに赤かったっけ
自分の赤い手に気づいて
最初に出てきたのは
リーヨの顔
だから咄嗟に出たんだ
「愛してた」
って
でも
リーヨの顔と同時に
あたしが無自覚に悪魔を 受け入れていた瞬間を思い出した
叫んだ
赤い
赤い
どこだっけ
あ、そっか
あたしの家だ
赤い家
赤い手
赤い
あたしの家族
あぁ、
そうだったっけ?
うん、
そーだったね
あたしが殺したんだ
これは
稀咲を止められなかった、とか
まに合わなかった、とか
そういう間接的なことじゃなくて
あたしがこの手で
家族が火事で焼け死ぬ前に
さした
理由はわかってる
リーヨ以外の
サリー、ミーラ、キース、カルト モリーの5人は
この先
生きていても苦痛しかないと あたしが勝手に判断したから
苦しまないように
リーヨは
もう愛せなくなったから
あたしが家に急いで帰って
リーヨ達を心配した時
リーヨが言った
「なんで生きてるんだ」
そうだった
リーヨは死にたがってるんだった
でもその発言を
他の兄弟の前で言ってしまった
それで口論になった
バレてはいけない
あたしはリーヨといられて 幸せなんだと
思わないと
次第に 口だけじゃ収まらなくなって
先に手を出したのは
リーヨだった
リーヨは
無理矢理心中しようと
ハサミを兄弟に向けようとした
恐怖で動けない兄弟を
お兄ちゃんが庇った
生々しい音と共に
お兄ちゃんの左眼が潰れた
これがスイッチだった
あたしの中でリーヨの認識が
"愛してた人"から
"お兄ちゃんを傷つけた敵"
に変わった
目を無くした痛みで お兄ちゃんは奥に消えた
お兄ちゃんは肉体的な痛みが 1番嫌いなんだ
だから、あたしが出た
それから死に物狂いで リーヨとハサミを取り合った
その内に
稀咲の手先が放った火が
家全体に広がっていることに気づいた
どうりで熱いと思った
あたしは火が回って落ちてきた 天井に潰された
一瞬覚悟したけど
痛みはほとんどなくて
でも
お兄ちゃんのものだった 部分だけが
異様にこわばってて
直後に聴こえた
お兄ちゃんの悲鳴
本当に聴こえたんだ
痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い
イヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだ
あたしもイタイ
お兄ちゃんを傷つけた敵を
あたしは絶対
ゆるさない
その一心で
服やカツラが燃えながら
煙を吸って倒れ込んだリーヨに ハサミをさした
さして
さして
さしてさしてさしてさしてさして
その後に
放心して動かない兄弟を
苦しまないように
精一杯の愛を込めたハサミで
さしてさしてさしてさしてさした
動くものがいなくなると
なぜか火が回っていても
とても心地よい空間になった
相変わらずお兄ちゃんの悲鳴は 続いているけど
それすら 子守唄に感じた
きもちいい
このまましんでもいいや
でもすぐに
あたしは理性を取り戻してしまった
状況の理解が追いつかず
目に映る情報を無視して
「あたしは悪くない」
「稀咲が殺した」
と、都合よく解釈して
まぁ、やっぱり
冷静を装ってるだけだったけど
だって、なぜか無事だった 白いワンピ着る余裕があったんだよ?
普通に考えてやべぇだろ
その後は
うん
裸足で歩いて
みんなのところに行ったんだ
なぁんて
今までのこと考えてんなら
今のこと考えなきゃじゃん
?
あれ
なんであたし
屋上にいるんだろ
ん〜?
まぁ、、いっか
わぁっ
空、きれいだね
ね?
お兄ちゃん
テコテコ
テコテコ
テコテコ
テコテコ
テコテコ