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銀世界 (ぎんせかい)
雪が降って あたり一面が白く輝く美しい景色。
氷野天花
冷えきった手に息を吐いて、 擦り合わせる。
今にも雪が降りそうな 灰色の空を見上げながら、
訳もなく憂鬱な気持ちで 学校に向かっていた時。
男子小学生
男子小学生
氷野天花
後ろから走ってきた 小学生にぶつかられ、
私の視界は 気付いたら歪んでいた。
男子小学生
なんて声が聞こえるけど、 それどころじゃない。
目元に触れても何も無い。 メガネを落としたんだ。
氷野天花
慌ててしゃがんで地面に触れるも、
感じるのは 冷たいコンクリートの感触だけ。
氷野天花
北信介
と、頭上から 声が降ってきて顔を上げる。
ぼんやりと辛うじて 人の顔が確認できる。
氷野天花
北信介
氷野天花
北信介
氷野天花
どうして…と問うより先に
メガネのツルがこめかみに触れ、 スッと耳元まで進む。
私の視界は一気に クリアになった。
氷野天花
息を飲んだ。
目の前には 雪のように白い銀髪と、
胡桃色の瞳があった。
北信介
氷野天花
北信介
氷野天花
膝を着いていた彼が 立ち上がったので、
私も続いて体を起こす。
ぺこりと軽く会釈して 去っていく背中に、
私は頭を下げることしか できなかった。
氷野天花
激しく鼓動する心臓。
無意識にブレザーに皺ができるほど 胸元を強く握っていた。
私の初恋。
高校2年生の年の、 初雪の日。
氷野天花
北信介
氷野天花
そして高校3年生の春。
新しいクラスの教室には あの時の彼がいたのだった。
氷野天花
北信介
氷野天花
氷野天花
北信介
氷野天花
氷野天花
氷野天花
氷野天花
嬉しくてペラペラ話す私に、 彼はパチクリと目を瞬かせる。
氷野天花
氷野天花
氷野天花
自分で言っててどんどん 恥ずかしくなってしまう。
お友達って… 幼稚園児じゃないんだから。
思い切りテンパっている私に 彼は小さく笑って。
北信介
北信介
氷野天花
その瞬間、周りの人の姿も音も 全て消えた気がした。
真っ白な世界に 彼…、北くんだけ。
氷野天花
氷野天花
それはまるで、 雪に覆われた銀世界のようだった。
コメント
11件
この初恋のきっかけを作り上げてくれた男子小学生に盛大な拍手を👏👏 やっぱり、てまりさんが書く小説はぜんぶ面白いです‼︎
表現いつもより国語的なの気のせい⁉️⁉️ 北さんの頭のいい感じに合っててまじめちゃくちゃすき💖 男子小学生に感謝😘😘