坂口安吾
今日は車なのでトマトジュースを
太宰治
暫く振りだねぇ、仕事帰りかい?
坂口安吾
酷い一日でした
坂口安吾
密輸品の買い付けに手間取りましてね、
坂口安吾
八時迄ねばって成果は此の骨董時計ひとつですよ
微睡〇〇
あーらら
坂口安吾
之で今支配取引の内、七十四───
安吾はポートマフィア所属の諜報員。
重要で気密性の高い情報は、
殆ど彼を通して外部とやり取りされる。
安吾の頭の中には黄金より貴重なマフィアの情報が詰まっていて、
拷問してでも吐かせたい敵組織は星の数ほど居る。
まあ、本当は特務課のエージェントなのだけど。
太宰治
安吾も仕事でしゅっぱいしたって事か
坂口安吾
しゅっぱい?
太宰治
そう、しゅっぱい仲間だ
太宰治
そういえば私達は此処でこうやって飲むようになって随分経つけど、
太宰治
織田作の仕事の愚痴は聞いた事がない
微睡〇〇
自分語りはしない主義?
織田作之助
そういう訳ではないが
織田作之助
俺の様な最下級構成員の仕事内容を聞いても、
織田作之助
退屈なだけだ
太宰治
まーたそうやって隠す
太宰治
今回はどんな事をした?
織田作之助
ウチに上納金を納めてる商店街で、
織田作之助
子供が万引きしていたのを懲らしめた
織田作之助
フロント企業の役員が愛人と妻で挟まれた修羅場で仲裁
織田作之助
後はマフィア事務所の裏手で見つかった不発弾の処理
作之助の仕事内容に治は目をキラキラ輝かせる。
安吾は顔を青くして持っていたグラスをカタカタ鳴らしていた。
太宰治
ねえ織田作!私と仕事を交換しよう!
太宰治
私も不発弾の処理やりたい!
坂口安吾
太宰君には無理です
織田作之助
あぁ、吹っ飛ぶ
太宰治
吹っ飛ぶ!?
太宰治
ねえ聞いた〇〇!?吹っ飛ぶって!
太宰治
私吹っ飛ぶって!!
微睡〇〇
騒ぐな喧しい
作之助は最下級構成員である事から、
入ってくる仕事は誰もやりたがらない溝浚いばかり。
要するに組織の何でも屋と云ったところだ。