どうして君は振り向いて くれないのだろうかと
ずっとずっと考えていた
赤
桃
赤
桃
俺たちは恋人なはずなのに
どうして俺は一生片想いなのか
君の矢印がこちらを 向くことはないのか
そもそも、君は俺を好きなのか
考えれば考えるほどわからなくなって
俺が君を想う気持ちは
いつのまにか、愛ではない何かに 変わってしまった
赤
桃
桃
赤
赤
桃
桃
赤
桃
赤
桃
ようやく名前を呼んでくれた
求めてくれた
そう思ったのに
桃
君から出てくる言葉は
俺を求めているわけではなく
当たり前の生活を求めているだけ
それに気づいた時
今まで君を想ってきた自分が 馬鹿らしくなって
俺の中の何かがプツン、と音を立てて 切れたのが自分でもわかった
赤
桃
桃
その日も、同じように君に接していた
赤
桃
赤
赤
赤
桃
桃
赤
桃
「話は終わった」
それ以降、君は一度も俺の方に 振り向くことなく、家から出ていった
スマホに一件、通知が来たと思えば
青 “赤くんも〜らいっ”
ただ一文、それだけが届いていて
理解しようとしなくても
理解できてしまうその内容に
嫉妬心さえ覚えなかったのは
俺はとっくに赤を 愛せていなかったことを示していた
無機質なこの部屋には
少しの後悔と
ほんのり甘い君の匂いだけが 残っていた
コメント
1件
あれ……涙が……桃チャァン……((神ですね✧︎