私は〇〇高校の1年生、最上 佳織。
趣味は散歩で、美術部の部員。
散歩は毎日学校から帰ってきたら行くの。
で、なんで美術部に入部したかというと
好きな人がいるから。
好きな人がいるから。
~☆*°START ☆*°~
瑠夏
ねーねー佳織!
佳織
んー?何ー?
瑠夏
今日の1限目って何だっけ?
佳織
数学じゃない?
瑠夏
うわ、最悪。
瑠夏
宿題やってなーい!
佳織
あ、瑠夏ヤバいじゃん。
佳織
手伝おっか?
瑠夏
やったー!ありがと佳織!
瑠夏
佳織は数学得意だもんねー。
佳織
えー、そんなことないよー!
瑠夏
いや、そんなことあるって……
そんな事を話していると……
ガラガラガラガラ…
と、音を立てて教室の扉が開き、人が入ってきた。
雄輝
おっはよ!
瑠夏
おぉー、雄輝じゃん!
佳織
あ、おはよう…!
そう、この人。
私が好きな人。
私と同じクラスの、夏代 雄輝。
美術部会計。運動神経抜群。
最初の席替えで、席が隣になった時に一瞬で惚れた。
生真面目なところもまた良いんだよね。
瑠夏
~?
瑠夏
佳織~?
佳織
……あっ!ご、ごめんっ!
瑠夏
ふーん、どうせ好きな人のことでも考えてたんでしょ?
佳織
い、いやっ、違っ…!そうじゃなくてっ……!
雄輝
ん、佳織好きな人いるのか?
佳織
えっ……雄輝まで聞いてたの……?
雄輝
おん!その反応からすれば好きな人いるんだな?
佳織
えっ……いな…いや、いるよ……。
雄輝
そーなんだ。ちなみに俺もいるがな。
佳織
あっ……そ…そーなんだ……。
佳織
(やっぱり雄輝好きな人いるんだ……。)
……ってなことがあった訳よ。
雄輝は好きな人いるんだ……。
やっぱり……こんな可愛くない私よりも可愛くて頭の良い人がお似合いだよね……。
佳織
……って。
佳織
ずっとこんなこと考えててもあれだから散歩行こ。
佳織
うぅ……寒いな…。
佳織
昨日すごい雪降ったから地面も凍ってるな。
佳織
一応ブーツ履いてきたけど滑りそう……。
なんて事を考えていると、
佳織
……うあっ!
ツルっ!
ドテン!
佳織
いたたたた……。
佳織
やっぱり滑った…。
佳織
あぁ!滑りそうって途中で思った時に戻ればよかった!
雄輝
おいおい佳織、大丈夫か?
佳織
えっ……あっ…ゆ、雄輝!?
佳織
なんでここに!?
雄輝
いいから立てよ。
雄輝
ほら、手貸すから。立てるか?
佳織
……んー、よいしょ…。
佳織
あ、ありがと。
佳織
で、なんで雄輝はここに?
雄輝
ちょっとコンビニに行こうと思ってな。
雄輝
(口が滑ってでも佳織がいたからこっちに来たとは言えない……。)
佳織
そ…そーなんだ。
佳織
じゃあ…私は帰るね……。
佳織
ありがと。また明日ね。
雄輝
(今しかないっ!)
雄輝
か、佳織!待ってくれ!
佳織
え、何?
雄輝
お、俺!
雄輝
佳織のことがずっと好きだった!
雄輝
つ、付き合ってくれ!
佳織
……!
佳織
も、もちろん!!
佳織
(こんな路地裏で告白されるとは思わなかった……!)
雄輝
(佳織びっくりしたやろうな……。)
雄輝
(でも成功して良かったわ……。)
佳織
こんな偶然ってあるんだ……。)
佳織
じゃあ改めて……
これからも……
よろしくな!/よろしくね!
好きな人がいるから。
❦ℯꫛᎴ❧