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Officeに愛は溢れてる

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Officeに愛は溢れてる

1 - Officeに愛は溢れてる

♥

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2020年07月05日

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秘書

社長、少し休まれては?

十田 幸人

ああ、そうだな

十田 幸人

十田 幸人

ところで

秘書

はい?

十田 幸人

新入社員に使えそうな奴はいるか?

秘書

今はまだなんとも…

十田 幸人

よし、見に行ってみるか

秘書

今からですか!?

十田 幸人

社員の様子を見るのも社長の役目、だろ?

秘書

あ、ちょっ…!

社員

足立さん、これお願いね

足立 夏鈴

はい

社員

これも~

足立 夏鈴

あ、はい!

デスクに積み重なる資料

ため息が出そうなのを堪える

足立 夏鈴

(新人だからって押し付けるな!)

なんて心で思っても言えるはずない

仕方なく黙々と書類を片付けていると

足立 夏鈴

足立 夏鈴

(ん…?なんか雰囲気が…)

社員

社員

足立さん仕事多すぎ!

社員

手伝うよ~

足立 夏鈴

(は!?)

私のデスクに書類を置いた「本人」が書類を持ってデスクに戻って行った

足立 夏鈴

(何が起きたの!?)

心なしか彼女の声のトーンが上がっていた

社員

社員

社長お疲れ様です!

足立 夏鈴

(社長!?)

後ろを振り向くと

高そうなスーツを嫌味なくらい着こなした男がいた

足立 夏鈴

(なるほど…)

社長は国宝かと言うくらい整った顔をしていた

それならさっきの彼女の行動も説明がつく

十田 幸人

十田 幸人

どうだ?新人の様子は

社員

もうちょっと仕事早くしてほしいなって

社員

今も私が半分仕事受け持ったんですよ~?

足立 夏鈴

(コイツ…!)

よくも嘘をつけたものだ

今までも私が肩代わりをしていたというのに

十田 幸人

そうか…

十田 幸人

それじゃあ俺は行く

社員

はーい

社員

お疲れ様でーす

社員

社員

はい、やっといてね

足立 夏鈴

社員

返事!

足立 夏鈴

はい…

どれもこれもあの顔面国宝のせいだ!

秘書

社長どうでしたか?

十田 幸人

十田 幸人

期待はずれ、だな

一人女の新入社員がいたが

言いたい事も言えないお人好し

あれじゃあ直ぐに病んでしまうな

秘書

そうでしたか

十田 幸人

泣かれたら面倒だ

秘書

その場合は…

十田 幸人

即クビだ

帰宅しようと社長室から出ると

オフィスに明かりが見えた

十田 幸人

(残業は禁止しているはずだが…)

そう思い、オフィスを覗いてみると

足立 夏鈴

足立 夏鈴

仕事は自分でやれ!

足立 夏鈴

男好き!あざと女子!

なんとあの新入社員だった

山積みの書類を先輩の机に戻していた

足立 夏鈴

足立 夏鈴

大体あの社長のせいで…

十田 幸人

十田 幸人

俺か?

足立 夏鈴

!?

十田 幸人

俺がどうかしたか?

足立 夏鈴

し…社長…

足立 夏鈴

なんでもありません!

十田 幸人

フーン…何も、ねえ

十田 幸人

ところで残業は禁止しているはずだが何しているんだ?

残業はしていない

ただあの先輩が帰るのを待ってただけだ

デスクに書類を置くために

足立 夏鈴

残業はしていません!

十田 幸人

そうか

十田 幸人

十田 幸人

今帰るところか?

足立 夏鈴

はい

十田 幸人

俺も今帰るところだ

足立 夏鈴

はい?

十田 幸人

飯でもどうだ?

飯…メシ…めし

何を言っているのだろうかこの人は

社長と二人でご飯食べれるくらい肝が座ってるわけなかろう

足立 夏鈴

いえ!結構です

十田 幸人

十田 幸人

…女子

足立 夏鈴

え?

十田 幸人

男好きであざと女子

足立 夏鈴

…っ!

十田 幸人

あの先輩が知ったらどうなるかな?

足立 夏鈴

…喜んでいきます!

足立 夏鈴

足立 夏鈴

なんか意外です

十田 幸人

高いところが良かったのか?

着いた先は居酒屋

女は不思議そうに笑っていた

足立 夏鈴

いえ!

足立 夏鈴

三星しか許さん!ってイメージだったので

十田 幸人

俺を馬鹿にしてるのか

足立 夏鈴

違いますよ

足立 夏鈴

ただ親近感がわきました

緊張が解けたのかベラベラと喋る女

十田 幸人

仕事はどうだ

足立 夏鈴

楽しいですよ

十田 幸人

それが聞けてよかった

十田 幸人

あの問題の先輩はどうだ?

足立 夏鈴

あんなの気になりませんよ

足立 夏鈴

こっちが下手に出たら調子乗って!

こっちの方が意外だ

大人しいと思っていたのに

足立 夏鈴

あんなのに負けませんよ

十田 幸人

そうか

足立 夏鈴

だって憧れのシンデレラコスメで働けたんですから!

十田 幸人

…っ

猫の様に目を細めて笑う彼女

胸が、少し高鳴ったのは

会社を褒められたからか

はたまた…

十田 幸人

十田 幸人

いや、ないな…

さっきまで煩かった声が聞こえない

嫌な予感がする…

十田 幸人

…おい

十田 幸人

おい!

足立 夏鈴

ん~

寝ている

酒が弱いなら飲むなよ!

十田 幸人

…ったく

寝たお前が悪いんだからな

朝だ

心なしかいつもよりベッドがふかふかしているような…

十田 幸人

十田 幸人

おい

聞き覚えのある声がする

十田 幸人

起きろ

あーこの声社長だ

…社長?

足立 夏鈴

…っ!?

足立 夏鈴

なんで!?

見覚えのない部屋

男女が二人きり

足立 夏鈴

足立 夏鈴

まさか…

よかった衣服は乱れていない

十田 幸人

おい酔っ払い

足立 夏鈴

…あのここは?

十田 幸人

俺の家だ

足立 夏鈴

え!?

十田 幸人

あんまり飲みすぎるなよ

十田 幸人

今日の仕事に支障が出るぞ

足立 夏鈴

仕事…!

足立 夏鈴

今何時ですか!

十田 幸人

5:30

十田 幸人

家帰るだろ

足立 夏鈴

はい

十田 幸人

車乗れ

十田 幸人

送ってく

足立 夏鈴

ありがとうございます

足立 夏鈴

社長、ここ!

足立 夏鈴

ここで止めてください

十田 幸人

はあ?なんで

足立 夏鈴

会社の皆にバレたら殺されますよ!

足立 夏鈴

顔面国宝なの自覚して下さい

十田 幸人

…わかったよ

十田 幸人

ほら降りろ

少し会社から離れた所で彼女を降ろす

足立 夏鈴

ありがとうございます

十田 幸人

…っああ

別に社員に誤解されたっていいのに

十田 幸人

何考えてんだ…俺

秘書

社長、随分眠そうですね

十田 幸人

…寝てないからな

秘書

はい!?

信じられないことが起こっている…

睡眠不足は仕事の敵だと言っていた社長が

寝ていないなんて

十田 幸人

あの女

秘書

はい?

十田 幸人

新入社員の女

秘書

…足立がどうかしましたか?

十田 幸人

そうか…足立っていうのか…

少し、社長の表情が和らいだ気がした

秘書

(まさか、ね)

秘書

足立夏鈴ですよ

十田 幸人

夏鈴、か…

秘書

(やっぱり…)

十田 幸人

…?どうかしたか?

秘書

いえ

冷徹社長を

虜にした彼女は

一体どんな子なんだろうか

社員

社員

ねえなんでやってないわけ?

足立 夏鈴

…すいませーん

足立 夏鈴

私、仕事遅い子なんで!

社員

…っ

足立 夏鈴

(おお、怖)

社員

…いいのよー!

足立 夏鈴

え?

また声のトーンが上がってる

ということは

社員

私がやっとくから!

足立 夏鈴

足立 夏鈴

また、社長ですね?

足立 夏鈴

足立 夏鈴

え?

後ろを向くと違う人物が立っていた

秘書

社長秘書の片桐です

これまた顔面国宝が立っていた

秘書

昼休憩少しよろしいですか?

足立 夏鈴

嫌…

おお、メガネのレンズが光った

怖すぎる

足立 夏鈴

じゃないです

秘書

ですよね

足立 夏鈴

あの、なんですか?

秘書

社長の事、どう想っていらっしゃるのですか?

足立 夏鈴

社長…社長…

足立 夏鈴

俺様な人?

秘書

そういう事ではなくてですね

足立 夏鈴

凄腕!

秘書

それはそうですけど

十田 幸人

十田 幸人

なにやってるんだ

秘書

社長

威圧感が半端ない

十田 幸人

十田 幸人

足立…夏鈴

足立 夏鈴

…っ?はい!

十田 幸人

着いてこい

足立 夏鈴

はい!

なんか社長少し怖い…

秘書さんに助けを求めるも呆然としているだけだった

足立 夏鈴

あの…社長?

足立 夏鈴

…っ!

顔を近づけられる

至近距離のその顔に胸の高鳴りが止まらない

足立 夏鈴

しゃ、ちょ…

十田 幸人

なんだろうな

十田 幸人

これ…

切なそうな顔をしたあと

彼は去っていった

足立 夏鈴

…っ

足立 夏鈴

なんだったの…

社員

足立さん!

足立 夏鈴

はい?

社員

これ社長室にお願いしてもいい?

足立 夏鈴

はい…

さっきの事があったから少し気まずいけど

大丈夫だよね

十田 幸人

十田 幸人

おい片桐どういうことだ

彼女を昼飯に誘おうとした

すると、姿が見えない

聞けば片桐と一緒だ?

どういうことか理解ができん

秘書

秘書

単刀直入にお聞きします

十田 幸人

なんだよ

秘書

社長は足立に恋していますよね

社長室の前で深呼吸をする

足立 夏鈴

(よし…)

秘書

社長は足立に恋していますよね

足立 夏鈴

!?

会話が聞こえてきて

動きを止める

十田 幸人

十田 幸人

恋って…何だ?

秘書

そこからですか

秘書

恋とは…その人の事を思うだけで胸が張り裂けそうになる

秘書

そんな感じですかね

足立 夏鈴

(張り裂けそうに…)

最近、そんな感情になったことがある

十田 幸人

張り裂けそうに、ね

秘書

社長が足立に抱いている感情もそうなんじゃないですか?

足立 夏鈴

…っ

十田 幸人

いいや、違うな

分かっていたけど…

なんで…!

足立 夏鈴

(こんなに辛いの…?)

気付きたくなかった

でももう隠せない

彼…社長が好きなんだ

社員

足立さん?

足立 夏鈴

…っ!

私は書類を彼に押し付け走ってその場を去った

社員

失礼します

社員

社長、チェックお願いします

十田 幸人

ああ

秘書

これ、足立さんに持ってくるように頼んだやつじゃないですか

変な気をきかせやがって…

社員

そうなんですけど

社員

さっき、泣きそうな顔で走ってっちゃって…

十田 幸人

泣きそう…?

十田 幸人

十田 幸人

お前、足立夏鈴を泣かせたのか!?

社員

い、いえ!

十田 幸人

…っ!

社員

社長!?

俺は思い切り立ち上がって部屋を出た

秘書

書類私が受け取りますよ

社員

あの、いま何が…?

秘書

ラブストーリーはお好きですか?

社員

まあ…

秘書

それですよ

社員

え?

足立 夏鈴

逃げてきちゃった…

戻らなきゃ

そう思い振り向いた時だった

十田 幸人

足立夏鈴!

足立 夏鈴

…っ、なんで…

十田 幸人

何故逃げた

足立 夏鈴

…追いかけないでくださいよ

足立 夏鈴

私に恋心ないんでしょう?

足立 夏鈴

勘違いしちゃいます…!

十田 幸人

あの会話聞いていたのか

十田 幸人

十田 幸人

確かに俺の君への気持ちは恋心じゃない

足立 夏鈴

わかってます…

足立 夏鈴

わかってますからもう…

言わないで、そう言おうとした

けれど言えなかった

彼が強く私を抱き締めたから

足立 夏鈴

なんで…

十田 幸人

お前、そこしか聞いてなかったのか

足立 夏鈴

え?

十田 幸人

その後聞いた?

足立 夏鈴

いえ…

十田 幸人

俺はあのあと…

秘書

おや意外でした

秘書

てっきり恋だとばかり…

十田 幸人

彼女のこと想ってはいるさ

秘書

は…

珍しく態度が崩れた秘書に小さく笑う

十田 幸人

俺は彼女を想うと心が暖かくて

十田 幸人

それだけでも満たされてしまうんだ

十田 幸人

十田 幸人

これは、愛だろう?

足立 夏鈴

…そんな話してたんですか?

十田 幸人

恥ずかしいな

十田 幸人

この歳でこんなこと言うなんて

十田 幸人

十田 幸人

夏鈴、愛してるよ

足立 夏鈴

…社長

十田 幸人

君の答えを聞かせてくれ

足立 夏鈴

わかってるくせに

十田 幸人

君の口から聞きたいんだ

余裕たっぷりな表情

困らせてやりたい

足立 夏鈴

足立 夏鈴

私は社長を愛していません

十田 幸人

…っ

困った、というより悲しそうな顔をされた

慌てて言葉を繋げる

足立 夏鈴

まだ恋ですから

足立 夏鈴

好きです社長

十田 幸人

…っ

十田 幸人

直ぐに、愛にしてやるよ

この日、おとぎ話のようなストーリーは

ハッピーエンドを迎えた

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