怪しいおじさん
ねぇ、そこの君
サイトウ
え、僕ですか?
怪しいおじさん
もしも、書いたことが現実になる本があったら欲しいかい?
サイトウ
そうですね、
サイトウ
もし、そんな本を手に入れてしまっても書いたことが現実になるのであれば何も面白味がないですね
サイトウ
未来が決まっていることが可笑しいんですよね、分からないからこその楽しみがあるのに
サイトウ
そんな本を手に入れて喜んでいるような人生よりは、今の方がいいですね
サイトウ
で、何か用ですか?
怪しいおじさん
え、いや何でもないよ
怪しいおじさん
じゃあ今きみが欲しいものって何かな?
サイトウ
現金ですかね。
怪しいおじさん
あ、そう
サンタクロース
じゃあな、青年よ
サンタクロース
もう少し綺麗な心を持つんじゃぞ
サンタクロース
フォフォフォ
怪しいおじさん(サンタクロース)は夜空に消えていった
サイトウ
何かくれよ!
その夜サイトウはカッコつけたことを後悔した