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三途の川を走り、転び、船を漕ぐ

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三途の川を走り、転び、船を漕ぐ

1 - 三途の川を走り、転び、船を漕ぐ

♥

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2020年07月05日

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三途の川

それは、現世とあの世の境目

死に逝くものに現れる場所

そんな場所に、僕は今

車で向かっています

青年

着いたー!

車を走らせること1時間

ようやく三途の川に着いた

青年

まぁ、実際には違うのだけど

訂正、三途の川がある渓谷に架かっている橋に着いた

車から降りた僕は

下にある、三途の川を見る

青年

うわぁ…

そこには幻想的な光景が広がっていた

川の近くに咲き誇る木々は 今が秋ということもあり、立派に紅葉している

ここは観光客が多いとのことだが この景色を見れば納得する

青年

…あれ?

しかし

肝心の三途の川を見ると

青年

何か、浅くない?

そう、浅いのだ

目視なので断定はできないが

膝あたりまでの深さしかないように見える

青年

・・・

きっと何かの間違いだろう

そう結論付け、僕は橋から三途の川まで

車を使って向かった

青年

よし!

三途の川へ着いた僕は

そーっと、川へ足を突っ込んだ

青年

・・・

しばらく僕はかたまり

青年

・・・

もう片方の足を、今度は勢いよく突っ込んだ

青年

・・・

…信じていたのだ

だってあの三途の川だ

川の深さは底無しで

川の見た目は亡者の怨念で濁っており

見るもの全てに恐怖を抱かせる

そんな伝説を信じていたのだ

なのに、

青年

あさーーーーーーーーい!!!!!!

深さは膝よりも浅く

見た目は透き通る程きれいで

周りからは鳥のさえずりが聞こえてくる

・・・

何か違う!

青年

くそっ!

青年

こんな三途の川はいやだー!!!!

僕は三途の川を走った

びちゃびちゃと水の跳ねる音をだしながら

一心不乱に走った

足に小石が刺さって泣きたくなったが

舌をかんで我慢した

そうしていると

青年

あっ

頭から勢いよく転んだ

青年

ん…

青年

はっ!

僕は、何をしていたんだ?

意識が覚醒し、今までのことを思いだそうとする

青年

ここは、どこだ?

辺りを見回すと

照明で光る建物が見えた

青年

…行くか

僕は、建物へと向かった

建物へと向かっていると、建物の看板が目に留まった

閻魔大王の!にぎにぎ☆お寿司屋さん! <三途の川支店>

青年

何だこれ

はっきりいって、イカれているのかと思った

青年

しかも閻魔大王ってさぁ…

閻魔大王といえば、嘘をついた者の舌を抜くことで有名なやつだ

青年

罰当たりな店名だな

だが、僕はこの店へ行くのだ

だって、周りにはここ以外何もない

必然的に僕は、ここへ行かなければならないのだ

青年

はぁ、

遂に店の目の前まできた

青年

こうなりゃ、やけだ

僕は店へと入っていった

大将

いらっしゃい!

青年

へ?

青年

ど、どうも

大将

お客さん、緊張しなくたっていい

大将

お客さんが緊張していると俺まで緊張しちまう

青年

そ、そうですか

大将

ああ、お客さん注文は?

青年

ええと、僕は食べに来たんじゃなくて

僕は、大将と思われる人に事情を説明した

大将

なるほどな

青年

それで、ここはどこなんでしょうか?

大将

ここは三途の川だ

青年

いや、だから

大将

坊主が行った三途の川とここの三途の川は違う

青年

え!

大将

坊主の行った三途の川は秋田にある川だろう?

青年

そうです!

大将

ここは地獄の三途の川だ

青年

へ?

大将

坊主は死んじまったのさ

青年

えーーーーーーー!?

大将

驚くのも無理はないだが…

青年

すげーー!

青年

ここが三途の川だったのか!

青年

写真撮ろ!スマホどこにいれたっけ??

大将

青年

そういえば大将!

大将

な、何だ?

大将

言っとくが生き返らせたりはできねぇぞ!

青年

違います!

青年

三途の川って死者を船にのせて運ぶんですよね!

大将

ああ、そうだが

青年

なら、僕にその船の、船頭をさせてください!

大将

は?

大将

坊主、船頭っていうのは死者を運ぶという内容から

大将

死神にしか務まらなくてだな

青年

じゃあちょっと死神になってきますね!

大将

え?

青年

無理でした!!

大将

だろうね

青年

そもそも、死神とかどうやってなればいいんだよ!

青年

卍解か!?卍解すればいいのか!?

大将

おい、やめろ

青年

す、すみません

大将

坊主に熱意があるのは十分伝わった

大将

だが、これは決まりだ

大将

閻魔大王が直々に決めた法律なんだ

青年

閻魔大王…

青年

そうなんですね…

青年

今の僕には無理なんですね

大将

ああ、残念だが諦め…

青年

なら、僕は閻魔大王に直談判してきます!

大将

は?

青年

閻魔!大王に!直談判!してきます!

大将

おい、それは坊主でもしゃれにならねぇぞ

青年

いいんです!

青年

僕はどうしても船頭になりたいんです!

大将

・・・

大将

そうか

青年

大将?

大将

坊主はこの店の名前を見たか?

青年

えぇ、確か…

青年

は!?

大将

そう、俺は寿司屋の大将でもあり

閻魔大王

地獄の大将、閻魔大王なのだ!

青年

!?

閻魔大王

坊主の気持ちは伝わった

閻魔大王

特例として、坊主を三途の川の船頭にしてやる

青年

ほ、本当ですか!

閻魔大王

ああ、閻魔は嘘はつかねぇ

青年

ありがとうございます!

閻魔大王

ふふ、いいってことよ

閻魔大王

それより坊主、早速仕事だぜ

閻魔大王

今すぐ、死者を運んでいけ

青年

はい!

三日後

青年

閻魔様!

閻魔大王

何だ?

青年

運んでいた死者を300名ほど
川に落としてしまいました!

青年

どうしましょうか!

閻魔大王

うん

閻魔大王

クビね

この作品はいかがでしたか?

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コメント

3

ユーザー

閻魔様がチャキチャキで笑った😁

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