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自分の家でまた暮らすようになって、毎週木曜日にエレナの家に顔を出すようになった。
ネイ
エレナ
エレナ
血を飲む目的で通っていたが、エレナと過ごす時間は俺にとって心地いいものになっていた。
金曜日の朝まで一緒に過ごすというのも珍しくはなかった。
ネイ
エレナ
牙が首元に沈んでく。 皮膚に突き刺さる感触のあとに生暖かい血が口を満たす。
相変わらず、まずかった。
でも、そのまずさすらなぜだか心地よくて、俺はただ血を飲む。
先代のヴァンパイアの話によると俺が血を飲む間、人間には言い知れぬ快楽が訪れるらしい。
それは甘く、切ない快楽が。
その快楽は人間が相手のヴァンパイアを好意的に見ていないと訪れないという。
エレナ
その甘い声を聞いて我に返った。
慌てて体を引き離した。
エレナ
エレナは驚いてこちらを見ている。
ネイ
まだエレナの家に行ってから3時間もたっていなかった。こんなことは初めてだった。
エレナ
ネイ
思いつきの嘘をエレナにつたえ、俺はエレナの家を去った。
あの甘い声は、エレナが将来青白くなった女のようになる。 そんなことを表している気がして怖くなったのだ。