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莉子が音弥の家に 着いていた頃

卯木家の前には 奥様の通報によって駆けつけた 2名の警官の姿があった

警官

では間違い
ないんですね?

警官

こちらのお宅で
虐待と監禁が
行われていると?

近隣住民

はい!間違い
ありません!

近隣住民

この目でしっかりと
見ましたから!

近隣住民

裸でこの家に
監禁されてたんです

近隣住民

包丁で切り付けたような
傷だってありました!

近隣住民

痛々しいったら
なかったですよ!

警官

そうですか・・・

警官

で、その莉子さんは
今は恋人の家に
避難されてると?

近隣住民

はい!

近隣住民

莉子ちゃんは
無事です!

近隣住民

彼氏さんが
匿ってくれてます!

警官

そうですか・・・

警官は不思議そうに 卯木家を見上げる

警官

しかしなんとも
異様なお宅ですね

警官

窓全てに鉄格子とは

近隣住民

莉子ちゃんを
監禁する為ですよ!

近隣住民

間違いありません!

卯木千寿

あら?何の騒ぎ?

近隣住民と警官が 卯木家を眺めていると

買い物終わりの千寿が 帰宅して来た

近隣住民

卯木さん・・・

卯木千寿

警察?何かあったの?

警官

卯木千寿さんですね?

卯木千寿

え、えぇ・・・

卯木千寿

卯木千寿は私ですけど

卯木千寿

どうかされました?

警官

こちらのお二人より

警官

あなたが実の娘を虐待して
監禁している疑いがあると
通報を受けました

卯木千寿

虐待?監禁?

卯木千寿

あはははは

卯木千寿

何ですか?それ?

卯木千寿

そんな訳ありませんよ

近隣住民

嘘つかないでよ!

近隣住民

私はこの目で見たのよ?

近隣住民

莉子ちゃんを裸にして

近隣住民

おまけに玄関に
南京錠までつけて
監禁してたじゃない!

卯木千寿

南京錠?

近隣住民

莉子ちゃんの体には

近隣住民

刃物で切り付けた
ような傷まであったわ

卯木千寿

なんか悪い夢でも
見たんじゃない?

卯木千寿

大切な娘に
私がそんな事
する訳ないわ

警官

ですが疑いがある以上

警官

我々も無視は
できないんです

卯木千寿

私たち親子が
仲が良いから嫉妬
してるだけですよ

卯木千寿

ただの悪戯の通報なのに

卯木千寿

わざわざご苦労様

卯木千寿

私は帰らせてもらうわ

卯木千寿

娘も私の帰りを
待ってくれてるから

千寿は近隣住民と警官を 無視して玄関先に向かおうとする

近隣住民

莉子ちゃん
なら居ないわよ

近隣住民の言葉で 千寿の足が止まる

卯木千寿

莉子が居ない?

卯木千寿

どういう意味?

近隣住民

自分で確認したら?

卯木千寿

莉子!?

千寿は血相を変えて 玄関のドアに向かう

卯木千寿

何よ・・これ

千寿は壊された南京錠を見て 顔をこわばらせる

卯木千寿

誰がこんな事を・・・

近隣住民

莉子ちゃんの
彼氏さんよ

卯木千寿

莉子の彼氏ですって?

千寿の頭には音弥の顔が浮かぶ

卯木千寿

まさか”アイツ”が!?

卯木千寿

莉子ちゃん!?

千寿は慌てて家の中に入る

警官

ま、待て!卯木!

そんな千寿の跡を追って 警官も家の中に入る

卯木千寿

莉子ー?

卯木千寿

居るんでしょー?

卯木千寿

莉子ちゃーん?

卯木千寿

返事してー?

千寿は不安に満ちた表情で 莉子の名前を叫びながら 家の奥へと入って行く

警官

まて!卯木千寿!

警官も玄関に足を踏み入れる

近隣住民

ちょ!何よこれ!

近隣住民は床を指差す

そこには血痕らしき 赤いシミがついていた

近隣住民

もしかして血!?

警官

・・・・・

警官

これは・・・

卯木千寿

莉子!!!

卯木千寿

良い加減にしなさい!

卯木千寿

居るのは分かってるのよ?

卯木千寿

出て来なさい!

しかし莉子は姿を現さない

卯木千寿

ふざけんじゃ──

卯木千寿

ないわよー!

千寿は怒りに身を任せて 部屋の中を荒らし回る

卯木千寿

出て来いって
言ってんのよ!!

卯木千寿

さっさと出て来い!

卯木千寿

また罰を受けたいの?

近隣住民

卯木さん?

近隣住民

何よ・・あれ

狂気に満ちた千寿の奇行を 近隣住民は引き攣った顔で見つめる

警官

落ち着け!卯木!

卯木千寿

大切な一人娘が
攫われたかも
しれないのよ!

卯木千寿

それで落ち着けって?

卯木千寿

他人が出しゃばるん
じゃないわよ!!!

警官

やめろ!卯木!

卯木千寿

そうだ!あいつ!

卯木千寿

多良木音弥!

卯木千寿

あいつが私から
莉子を奪ったのよ!

卯木千寿

こうしちゃ
いられないわ!

そう言うと千寿は キッチンから包丁を持ってくると

近隣住民と警官に向かって その包丁を突き出す

卯木千寿

あんたら!
出て行きなさい!

警官

馬鹿な真似はやめろ!

近隣住民

そうよ卯木さん!

近隣住民

やめて!

警官

包丁を仕舞うんだ!

卯木千寿

黙れ!!!

卯木千寿

これは私たち
家族の問題よ!

卯木千寿

アンタらに干渉される
筋合いはないわ!

卯木千寿

ホラ!さっさと
出て行きなさい!

卯木千寿

でないと殺すわよ!

警官

く・・・

警官

わ、わかった・・・

警官は千寿に観念したのか 玄関から外に出る

卯木千寿

・・・・・

近隣住民

本当にこのまま
卯木さんを
放っておくんですか?

近隣住民

血だってありましたよ?

警官

しばらく監視を続けます

警官

あの様子だと──

警官

娘さんの事を
匿っている彼氏さんを
襲いかねませんから

近隣住民

そう・・よね

警官

ここは我々に任せて
あなた方はもう

警官

お帰りいただいて
結構です

警官

通報感謝いたします

警官は帽子を脱ぎ深々と頭を下げる

近隣住民

わかりました・・・

近隣住民

私たちは
帰らせてもらいます

近隣住民

卯木さんの事──

近隣住民

宜しくお願いします

近隣住民2人は 警官に頭を下げると それぞれの自宅へ帰って行く

警官

これから
どうしますか?

警官

とりあえず
張り込みだな

警官

あんな危ないヤツ

警官

野放しには出来ない

警官

ですよね・・・

警官

にしても──

警官

見れば見る程に
この家は不気味だな

警官

娘さんも、さぞ
息苦しかったでしょうね

警官

こんな家で・・・

警官

息苦しいなんて
レベルじゃねーだろ

警官

よく自殺
しなかったよな

警官

ですね・・・

卯木莉子

え?いいの?

多良木音弥

いやむしろ
それしかないよ

多良木音弥

しばらくウチ居たらいい

多良木音弥

莉子さんなら
ずっと居てもいい

卯木莉子

音弥くん・・・

卯木莉子

ぐすっ・・・

卯木莉子

ありがとう・・・

多良木音弥

莉子さん・・・

多良木音弥

よく耐えたね

音弥は涙を流す莉子を 優しく抱きしめる

多良木音弥

1人でよく耐えたよ

多良木音弥

くずっ・・・

卯木莉子

なんで音弥くんが泣くの?

多良木音弥

あはは・・何でだろ

多良木音弥

俺泣き虫だから

卯木莉子

ありがとう音弥くん

卯木莉子

私の為に泣いてくれて

多良木音弥

これからは俺が
莉子さんの事を護るよ

多良木音弥

何があっても護る

卯木莉子

ありがとう・・・

多良木音弥

それでさ・・莉子さん?

卯木莉子

ん?

多良木音弥

なんかさ・・・

多良木音弥

お腹空かない?

卯木莉子

え?

卯木莉子

お、お腹?

多良木音弥

いやさ・・今日は
その・・ホラ

多良木音弥

莉子さんと一緒に
ご飯食べに行く
予定だったから

多良木音弥

何も食べてなくて

多良木音弥

お腹空いたな・・って

卯木莉子

ぷっ、何それ(笑)

莉子は小さく笑う

多良木音弥

わ、笑う事ないだろ!?

多良木音弥

しょうがないじゃん!

多良木音弥

朝から何も食べて
なかったんだから!

音弥は顔を赤くして文句を言う

卯木莉子

ごめん(笑)ごめん(笑)

多良木音弥

まだ笑ってるし!

卯木莉子

だって今の音弥くん
可愛かったから

多良木音弥

あー!そーですか!

多良木音弥

はいはい!
わかりましたよ!

多良木音弥

せっかく手料理
振る舞おうと思ったのに

多良木音弥

もう俺だけ食べますよ

卯木莉子

あー!ごめん!

卯木莉子

今のナシ!許して!

多良木音弥

まぁ、莉子さんが
どうしてもって言うなら

多良木音弥

許してあげない
事も無いけど?

卯木莉子

許して?どうしても

多良木音弥

分かった!許す!

多良木音弥

一緒に食べよ?

卯木莉子

うん❤︎

大食いの彼女には秘密がある

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