テラーノベル
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放課後。
私はいつものように教室を出ようとしていた。
鞄を肩にかけて、ドアの方へ向かう。
奏
後ろから声がした。
振り向く。
岩倉が机に肘をついて、こっちを見ていた。
雨季
奏
雨季
一瞬、言葉が詰まる。
岩倉はニヤッと笑った。
奏
雨季
奏
雨季
奏
奏
立ち上がって鞄を持つ。
奏
雨季
奏
雨季
奏
私は眉をひそめた。
雨季
奏
雨季
奏
岩倉は肩をすくめた。
奏
雨季
私は考えた。
別に断る理由はない。
でも
頭に浮かぶのはあの子。
海辺で歌う、黒髪の女の子。
雨季
奏
雨季
奏
岩倉は笑った。
海へ向かう道。
坂を下る。
隣を岩倉が歩いている。
奏
雨季
奏
雨季
奏
奏
雨季
岩倉は空を見た。
奏
雨季
奏
雨季
雨季
奏
雨季
それ以上は言わなかった。
海が好きというより。
あの子がいるから来ている。
そんな事、うまく説明できる気がしなかった。
やがて海岸に出る。
夕方の海。
波。
風。
そして
雨季
いた。
砂浜の向こう。
あの子だ。
私は無意識に足を止めた。
奏
奏
雨季
私は岩倉を見た。
雨季
雨季
奏
雨季
心臓が少しだけ速くなる。
私は海の方を指さした。
雨季
奏
雨季
岩倉は目を細めた。
奏
少し黙る、それから言った。
奏
胸の奥が、少しだけ冷たくなった。
雨季
奏
雨季
私はもう一度海を見た。
そこには確かにいる。
黒髪が風に揺れている。
歌っている。
でも
岩倉には見えていない。
奏
雨季
私は少しだけ首を振った。
雨季
奏
雨季
岩倉は不思議そうな顔をした。
そのとき
歌が止まった。
あの子が振り向く。
そして笑った。
小さく手を振る。
私は思わず一歩前に出た。
奏
雨季
私は砂浜の方へ歩いた。
近づく。
波の音が大きくなる。
そして
彼女には、岩倉が見えているようだ。
雨季
私が言うと、彼女は首を傾げた。
雨季
雨季
彼女はチラッと見る。
それから言った。
私は一瞬安心した。
でも
その次の言葉で、また胸がざわついた。
雨季
ニコッと笑う。
雨季
雨季
彼女は笑うだけ。
後ろから、岩倉の声がした。
奏
振り返る。
雨季
奏
雨季
私は、言葉に詰まった。
岩倉の目には
砂浜に立っている私しか見えていない。
振り返る。
そこにはちゃんといる。
水色のセーラー服。
黒い髪。
私を見て笑っている。
雨季
奏
岩倉が少し心配そうな顔をした。
奏
雨季
私はゆっくり頷いた。
雨季
でも
本当は
少しだけ分からなくなっていた。
雨季
雨季
雨季
それでも、私は思ってしまう。
もし
本当に
私にしか見えていないとしても。
雨季
この時間が。
好きだったから。
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