光の母
本当にいいの?
光の母
もう少し
考えてからでも・・・
考えてからでも・・・
光
・・・いいの
光
もう決めたから
光の母
でも・・・一緒に卒業
できないのよ
できないのよ
光の母
杏香ちゃんや、
美桜ちゃんたちと
美桜ちゃんたちと
光
・・・しょうがないよ
光
どうせこのまま学校に
残ってたとしても
残ってたとしても
光
私は来年の卒業まで
生きられないから
生きられないから
光
・・・死ぬときは独りだよ
光の母
・・・
光
あ、違うの・・・ごめん
光
すっごい自分勝手だけど・・・
光
もう疲れちゃった。
光
この前、
全部終わらせてきたから
全部終わらせてきたから
光
・・・諦めたわけじゃないよ
光
受け入れたの
光
死ぬってことをね
光
だから何にも怖くない
光
・・・怖くないよ
杏香
どういうことですか
杏香
光が退学って
担任
・・・すまん
担任
わたしにも
分からないんだ
分からないんだ
美桜
ありえない・・・
杏香
なんでだよ
杏香
なんで光が退学しなきゃ
ならないんだよ
ならないんだよ
杏香
本気であれを最後に
するつもりなの?
するつもりなの?
杏香
病気だからって、
なんでまた勝手に
いなくなんだよ・・・
なんでまた勝手に
いなくなんだよ・・・
担任
・・・知ってたのか
担任
望月の病気のこと
美桜
・・・以前、
話してくれました
話してくれました
担任
そうか・・・話せたのか
担任
ならば良かった・・・
担任
いや、良くはないか
美桜
先生は聞いてたんですか
担任
ああ・・・少しだけな
担任
体を壊してしまったから
体育の授業は見学させて
くれって
体育の授業は見学させて
くれって
担任
その時に・・・言ってたよ
担任
絶対に杏香と美桜に
だけは話すなって
だけは話すなって
杏香
・・・
美桜
・・・
担任
あの2人の笑顔だけは
絶対に奪いたくないん
ですって
絶対に奪いたくないん
ですって
担任
固く口止めされたよ
杏香
・・・なんだよそれ
担任
望月は・・・ただただ
大切だったんだな。
お前らのことが
大切だったんだな。
お前らのことが
担任
部活を辞めて、
学校を辞めても、
学校を辞めても、
担任
それでも
お前らのことだけは
最後まで・・・
お前らのことだけは
最後まで・・・
美桜
そんな優しさ・・・
いらなかった
いらなかった
美桜
一緒にいたかった・・・
杏香
あんたがいなくて
笑顔になれるか
ってのに・・・
笑顔になれるか
ってのに・・・
担任
・・・いい友情だ
担任
望月が必死になって
守ろうとしてた意味、
今になってようやく
分かったよ
守ろうとしてた意味、
今になってようやく
分かったよ
美桜
・・・光、本当にもう
来ないんですか?
来ないんですか?
担任
・・・・・・これ
美桜
・・・?
担任
七夕の時に望月が
書いた短冊だ
書いた短冊だ
担任
渡すつもりは
なかったが・・・
なかったが・・・
『来年もここにいたい。』
担任
望月を、
支えてやってくれ
支えてやってくれ
光の母
光・・・お客さんよ
光
え・・・
杏香
・・・よ
美桜
来ちゃった
光
・・・どうして
杏香
こっちのセリフよ
杏香
なに勝手に
いなくなってんだよ
いなくなってんだよ
美桜
部活辞める時も
学校辞める時も
一人で決めて、
勝手すぎるよ・・・!
学校辞める時も
一人で決めて、
勝手すぎるよ・・・!
光
・・・言ったでしょ
光
私はもうすぐ死ぬの
光
今の私には、
必要のないものばかりなの
必要のないものばかりなの
光
これでも、今まで充分
楽しかったし
楽しかったし
光
未練なんてないんだよ
杏香
・・・嘘ばっかり
美桜
光は昔っから嘘が
下手なんだよ
下手なんだよ
光
・・・
『来年もここにいたい。』
光
っ・・・
杏香
こっそり神様に
こんなこと願うやつが、
未練ないわけ
ないだろ
こんなこと願うやつが、
未練ないわけ
ないだろ
美桜
これが光の本音でしょ
光
・・・誰にも、知られない
はずだったのにな・・・
はずだったのにな・・・
美桜
我慢しなくていいのに
美桜
たまには欲張りになっても
いいんだよ
いいんだよ
光
だって・・・
光
叶わないんだよ?
光
私の体は、
もう壊れかけてるの
もう壊れかけてるの
光
これから先、
もっと醜くなっていく・・・
もっと醜くなっていく・・・
光
私は、それを
受け入れられないほど
コドモじゃないけど・・・
受け入れられないほど
コドモじゃないけど・・・
光
それに打ち勝てるほど
強くはないの・・・
強くはないの・・・
杏香
・・・
光
聞いて、2人とも
光
私、たくさん嘘ついたり
隠し事してきたけどね
隠し事してきたけどね
光
2人のことが本当に大切
光
多分、死んでも
変わらない本心だよ
変わらない本心だよ
光
だからこそ、これ以上
傷付けたくない
傷付けたくない
光
もう、さよならしよう
杏香
──ふざけん・・・
美桜
──ふざけんな!
光
!
杏香
!
美桜
そんなことで、
私たちが傷つくとでも
思ってんの?
私たちが傷つくとでも
思ってんの?
美桜
光のせいで笑顔が
奪われるって?
奪われるって?
美桜
なめんなよ
光
美桜・・・
杏香
言っとくけど、
あんたがいない生活
の方が無理だから
あんたがいない生活
の方が無理だから
杏香
うちらの笑顔守りたい
とか言うんだったら
とか言うんだったら
杏香
死んでも一緒に
いてもらうから
いてもらうから
光
・・・
杏香
一緒なんだよ、
うちらだって
うちらだって
杏香
青春の全部、あんたに
かけてもいいって思える
くらい、大事なんだよ
かけてもいいって思える
くらい、大事なんだよ
美桜
ねえ光、頼ってよ
私たちのことも
私たちのことも
美桜
全部ひとりで背負おうと
しないでさ
しないでさ
美桜
寄りかかってみてよ
光
・・・・・・ありがと
杏香
・・・なにが
光
──ぜんぶ。
光
いっぱいいっぱい、
ごめんね、、、
ごめんね、、、
美桜
うちらもごめん
美桜
何にも気付かなかった
美桜
当たり前に
明日が来るとか
思っててごめん
明日が来るとか
思っててごめん
美桜
これからは私にも、
光の荷物、背負わせて
光の荷物、背負わせて
光
・・・うん
光
よかった・・・
杏香と美桜で。
杏香と美桜で。
杏香
うちらに出来ること、
何もないかもしんない
けどさ・・・
何もないかもしんない
けどさ・・・
杏香
あん時、あんたが言った
どんなに最低なこと
言っても親友でいてって
約束・・・
どんなに最低なこと
言っても親友でいてって
約束・・・
杏香
絶対守ってみせるから
杏香
約束しよう
杏香
もうさよならはしないで
杏香
──生きて。
杏香
最後の瞬間まで、
光らしく生きて・・・
光らしく生きて・・・
光
──約束。
光
この約束だけは、、
守りたいな・・・
守りたいな・・・
黒沢先生
朝倉奏多くんだね
朝倉
・・・そうですけど
朝倉
どちら様でしょうか
黒沢先生
総合病院の医師の
黒沢です
黒沢です
朝倉
・・・病院・・・
黒沢先生
望月光のことで
黒沢先生
君にどうしても
伝えておきたいことがある
伝えておきたいことがある