モブ1
モブ2
モブ3
嗚呼、僕はみんなと友達にはなれないんだ 僕は気味悪いから。醜いから。 ただ1人で、ずっと生きていかなければいけないんだ。
懐かしい夢を見た。 黒いウィッグをして、黒いカラコンを入れてみんなが遊んでるところに 「僕も入れて」 って勇気を出して言ったの みんなは手を止めてこちらを向いて 「いいよ」 って笑顔で答えてくれた。
いつもひとりぼっちだった僕なんかを仲間に入れてくれて、とても嬉しかったのを今でも鮮明に覚えている。 これで、僕もみんなと同じなんだ って。 でもその時、急に風が吹いて、ウィッグが飛んでいってしまったんだ。 そしたら、隠していた本当の僕が露 になって 「…嘘つき。」 みんなは僕を見るなり、嫌なものを見るかのような視線を向けて、何処かへ去っていってしまった。 嗚呼、僕はまたひとりぼっちだ。 そう悟った、まだ幼い頃。
まふまふ
窓から射し込む日差しに目を開けると、木に白い小鳥がとまっていた。
まふまふ
小鳥に手を伸ばすと、小さな嘴で僕の指を突き、何処かへと飛び立って行った。 窓に映る自分の髪は、先程の白い小鳥の様に真っ白で。 生まれつきこの体のせいで、仲間はずれにされたり、虐められたり。 でも僕は、仲間はずれにしたり虐めた人が悪いとは思ってない。 だって、悪いのは僕だから。 みんなと違って気味悪いから、 仕方ないんだ。 他人とあまり関わらないという理由で始めたパソコンの仕事を再開しようと起き上がった
が、その時にお腹の虫が情けなく鳴いた。
まふまふ
口に出してしまったが最後、どんどん空腹感が増してくる。 そういえば最後にまともな食事を取ったのはいつだったか…。 僕は人とは違う髪と瞳を隠すように 目深にフードを被り、コンビニへと向かった。
店員A
コンビニで適当に食べ物や飲み物を買い、店員さんの軽やかな声を背に 店を出る。
ポツ、ポツポツ…。
すると突然冷たいものが2、3滴 フードを濡らし、やがてザァァと、 勢いよく降り出した。
まふまふ
今日は晴れると聞いてたし、そもそもたかがコンビニまでの距離だった為、 生憎傘など持ってきていない。 早く帰ろう、そう思い足早に帰ろうとした時、ふと濡れないことに気付いた。 しかし、視界には雨が広がっている。
まふまふ
可笑しいなと上を見ると、ビニール傘が頭上に掲げられていた。
???
そう呟いてビニール傘から顔を出したのは、藍色の綺麗な瞳をした男性だった。
まふまふ
???
じゃ、と強引に傘を押し付け、去って いこうとする男性。 ていうか、僕に傘渡したらあの人が濡れるのでは…?
まふまふ
???
まふまふ
まふまふ
あれ?僕なんか日本語可笑しくない? 僕はただ、お礼がてら家で雨宿りして行きませんか、そう言いたかったんだけど…。
まふまふ
???
テンパっていると、僕の言いたかったことが通じたのかそうではないのか、傘を持ち直してくれた。
まふまふ
???
まふまふ
誰かの隣を歩くのは、久々で、雨なのに暖かかった。
???
そらる
彼のおかげであまり濡れることなく 無事に家へ着く。 彼は、お邪魔します、と一言添えてから礼儀正しく玄関にあがった。 そんな彼は空琉と名乗った。
まふまふ
そらる
いきなりそう言うなりフードを優しく取り、コンプレックスである白い髪をするりと撫でた。
そらる
まふまふ
そらる
ぽつりと呟いた自分でも驚くほどの低い声に、空琉さんも僕の目をじっと 見つめた。
まふまふ
そらる
空琉さんの戸惑う声色にはっと我に返る。
まふまふ
初めて会ったにも関わらず優しく接してくれたのに酷い態度を取ってしまい、合わせる顔が無く僕は玄関に向かった。
グイッ。
まふまふ
僕の腕は引かれ、つい立ち止まって しまった。
そらる
まふまふ
何故自分はこんなにもダメな存在なのだろう。
そらる
低くて優しい声と共に、暖かくて優しい香りが鼻を包んだ。 背に回された手に力が篭もり、その時やっと空琉さんに抱き締められているのだと分かった
そらる
優しい手つきで、その長い指がボクの髪を流れる。 今まで人を信頼したことなどなく、 ましてや初めて会った人なのに 僕は何故かこの人に安心感を覚えていた。
__この人なら、僕を受け入れてくれるかもしれない。 そんな漠然とした確信が胸に広がり、気付けば口を開いていた。
まふまふ
まふまふ
そこまで話終えると、空琉さんは抱き締めていた体をゆっくり離した。
やっぱり引かれたかな、と恐る恐る空琉さんを見ると、綺麗な藍色の瞳を潤ませ、僕よりも泣いていた。
まふまふ
そらる
僕よりも背が低く、空琉さんの震える体を思わず抱き締めていた。
まふまふ
空琉さんは僕の瞳を綺麗だと言ってくれたけれど、僕は空琉さんの藍色の瞳から流れる涙がキラキラと溢れ、宝石のようだと思った。 僕を想って泣いてくれる人に、 初めて出会えた。 僕なんかを必要と言ってくれる人がいて、素直に嬉しかった。
まふまふ
そらる
俺まふゆの心に滑り込めたかな、 なんて呟いて俺の心臓当たりをトン、 と指差すから、その答え代わりに唇に1回だけ影を落とした。
そらる
まふまふ
そらる
そう妖く微笑んだ空琉さん。 上手に誘う空琉さんに僕は 素直に押し倒し、ベッドに沈めたのだった。
朝6:37
朝、寝返り打てない体の重さに目が覚めた。 目の前に広がるのは、まふゆの整った寝顔。 その安心しきった寝顔に嬉しくなって、柄にもなく寄り添い その意外と広い胸元に顔を埋めた。
まふゆの第一印象は“綺麗”だった。 本人はコンプレックスの様で俺の気持ちを全否定していたけど、でも俺の気持ちに嘘も偽りもなくて。 素直に綺麗だと思ったのだ。 初めて一目惚れを知った。 …もっと早く出会いたかった。 そんな後悔はあるが、今更言ったって仕方がない。 その代わり、今まで辛い思いをしてきた分まふゆに愛をあげるから
そらる
まふまふ
そらる
独り言のつもりだったのに、頭上から声が降ってきて顔を上げたが、まふゆは目を閉じたままだった。
そらる
幸せそうに眠るまふゆを見て、もう一眠りしようと目を瞑った。 幸せを噛み締めるように…。
俺が眠りにつく直前、まふゆの口元が吊りあがったのを、俺は 気付かなかった。
あの…書いてて思ったんですが、 空琉さんとまふゆくんの名字が同じで、兄弟だったらなーってずっと考えてました。((余計なこと ここまで読んでいただきありがとうございますm(*_ _)m 誤字、脱字、あったらすみません(´×ω×`) 語彙力無さすぎてlll_ _ ) 気に入って貰えたら嬉しいです ⸜(* ॑꒳ ॑* )⸝
コメント
3件
神✨ フォロー失礼いたします
フォロー失礼します、!✨
感動…! 素敵なストーリーですねっ!