ソラの唄

明日はびびくんの誕生日（仮）

プレゼントも買ったし

完璧だっ!!

予約したケーキ、取りに行こ～

その隙に、色々準備しちゃおう!!

って俺…誕生日明日なのに張り切りすぎてないw？

ま、やりたいもんはしょうが無い!!

こーくからお使いを頼まれた

アイス買ってこいだってよ

俺に何があってもいいように、護身用の催涙スプレーと、じーぴーえす？ってのを持たされた

でもまあ何事もなく、アイスを買い終えた

しばらくこーくを追いかけて居ると、大通りに出た

こーくが、青ざめて、こちらへ向かってきた

あのね、こーく、俺、アイス買ってきたよ!

そこからはスローモーション

俺は気づいたら道路の外にはね除けられていて、

紅い液体が宙を舞った

急に目の前が人で埋め尽くされて

俺は、立てなかった

こーくじゃないよね

きっと…

こーくが病院に運ばれて

俺は、言い渡された

何が起きてるの？

分からない

こーくがトラックに引かれて

病院に運ばれて

亡くなった？

俺を庇ったから？

こーくの体を揺する

ねえ、こーく

俺…こーくが亡くなったら…

笑ってよ

ドッキリだよって

悲しくさせてごめんって

言ってよ

あの夜

君の唄に惹かれた

声の持ち主は

なんと男の子

傷だらけで、枯れ葉のような体で、

一生懸命に唄ってる

震えてるその子に

手を差し伸べた

ねぇ、びびくん

好きだったよ

こーくの声が聞こえた気がして

周りを見る

やっと吐き出せた言葉は

病室に染みわたった