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紫色の閃光

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紫色の閃光

1 - ある寒い日

♥

6

2023年01月19日

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人生は、一瞬の火花のように輝き、消えていく

今日はずいぶん冷えるね

店主

そうですね

こんな日は、熱燗をもらうか

店主

おや

店主

お酒ですか? 珍しいですね

店主

てっきり、飲まれない方かと

ああ、実は下戸なんだ

店主

えっ

ただ、飲みたくなる日もあるんだ

しばらく後――

あれは、こんな寒い日だった

店主

雪が積もってね

その日、娘は受験だった

店主

おや、娘さんがいらしたんですね

ああ。その日、交通機関が麻痺して、娘はとても困っていた

乗るはずだったバスがこなくてね

店主

それはお困りだったでしょうね

ところが、いっしょにバスを待っていた女の人が、

自分はタクシーを呼ぶ、よければ一緒に乗らないか、と言ってくれたんだ

店主

ほう

娘は、最初遠慮したが、なにせ困っていたからね

乗せてもらうことにしたんだ

店主

それで、受験には間に合ったのですか?

…………

娘の乗ったタクシーは、途中事故にあってね

店主

えっ

乗っていた人は、全員即死だった

店主

…………

娘を誘ってくれた人は、病院に行く途中だったそうだ

子どもが出来たらしくて

それが、女の子だったそうだ

だから、雪で困っているうちの娘をほっておけなかったんだろうね

みんな親切で、誰も悪くない

ただ

こんな日は、無性に飲めもしない酒が飲みたくなるんだ

店主

…………

店主

私も、一杯付きあいましょう

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