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作家(類)

ふむ、ここは少し坂になってますね。

警部(司)

恐らく、この上の所からドアに向かって落ちたのだろうな。

警部(司)

犯人が逃走する時に誤ってぶつかったのか…それとも単なる風か…

作家(類)

濡れてたっていうのも気になりますね。

警部(司)

それは…可能性としては、雨水、もしくは台車に乗っていた中にはコップもあった。それに入っていたものというのもあり得る。

作家(類)

ふむふむ、そうですね。

作家(類)

一度状況を整理してみましょう。

作家(類)

まず、被害者は後ろからナイフで刺され、亡くなっていた…そして、現場とみられる場所は完全なる密室…

作家(類)

これらからまず分かることは?

警部(司)

…後ろから刺されていたから、自殺はあり得んと言う事くらいか。

作家(類)

そうですね。

警部(司)

もう一度、被害者の部屋を詳しく調べてみるか。

警部(司)

ここだな。

作家(類)

窓の鍵は中からしかかけられない…扉の鍵は中からしか掛けられないようですね。

警部(司)

ふむ…特に怪しいものもなさそうだ。

警部(司)

しかし…この部屋、やけに暑いな。

作家(類)

恐らく暖炉でしょう。必要以上にくべられていますね。

警部(司)

少し温度を下げたいな…む?この暖炉どうやって使うんだ?

作家(類)

あぁ、少し難しい造りになってますね。特注…でしょうか?こんな形初めて見ました。

警部(司)

これは無理そうだな。一旦諦めよう。

作家(類)

ですね。それより、捜査に専念しましょう。

警部(司)

ああ。

警部(司)

作家(類)

何か分かってきましたか?

警部(司)

…少しずつだが、分かった気がする。

警部(司)

とりあえず、一旦広間に戻ろう。

香水ブランドのオーナー(まふゆ)

あ、お二人とも、どうでしたか?何か分かりました?

警部(司)

少しづつですが…

作家(類)

まだ判断材料が揃っていなくてですね…あと少しだと思うんですが、

アイドル(愛莉)

ねぇねぇ、ちょっと聞きたいんだけどいい?

警部(司)

はい?

アイドル(愛莉)

密室だったんでしょ?犯人って本当に人間なの?

作家(類)

ほう…興味深い発想ですね。詳しくお願い出来ますか?

アイドル(愛莉)

詳しくっていうか…だって、密室なんだったらどう考えても無理じゃない。

作家(類)

桃井さん、推理において、「絶対に無理」という考えをしては、真相に辿り着けないんですよ。

アイドル(愛莉)

どういう事かしら?

作家(類)

例えば貴方の言う、「密室なら人間の犯行は不可能」というのを、「絶対」にしてはいけないということです。

作家(類)

この世に「絶対」なんて存在しないんですから。僕らの未来が保証されていないみたいにね。

警部(司)

たしかに、密室でなかった可能性もある。しかし、あの部屋は密室だった証拠はある…

警部(司)

だが、殺人が行われたのは密室ではなかったとしたら……

作家(類)

お、流石警部さん。いい所に目をつけますね。

音楽家(宵崎)

話が読めないんですけど……

警部(司)

つまり、殺害されたのが違う部屋だったらどうですか?

ジュエルショップオーナー(瑞希)

え?

警部(司)

どこか別の部屋で殺害した後、被害者の部屋へ運び、なんらかのトリックで密室にする。けどそうなると悲鳴はどうなるんだ……?

警部(司)

だが、もしこの仮説が本当だとしたら、俺と類さん以外のアリバイは無くなるな。

作家(類)

ふむふむ、大分分かって来ました。

作家(類)

つまり、僕と警部さん以外の全員、今回の犯行は可能と言う事ですね。

アイドル(愛莉)

はぁ?!何よそれ、私じゃないわよ!

ジュエルショップオーナー(瑞希)

まぁでも、2人の言う通り別の場所で殺されたなら、ボクらのアリバイって意味ないよね。そもそも、ボクはその時広間にいなかったし。

女優(雫)

そうねぇ、うーん、何か情報提供してあげられれば良いのだけれど…

作家(類)

とにかく、犯人の動悸が知りたいですね。という事で、皆さんとモブさんの関係性を教えて貰えますか?

香水ブランドのオーナー(まふゆ)

1度だけ一緒に仕事した事があります。私の香水のCMに使う音楽の話で。

作家(類)

その時にトラブルは?

香水ブランドのオーナー(まふゆ)

いいえ、そんなものはありませんでした。それに、会ったのも1度だけなんです。後は社員がやってくれたので。

作家(類)

なるほど。

アイドル(愛莉)

私は全く面識のない初対面だわ。

女優(雫)

私もはじめましてだったわねぇ。

ジュエルショップオーナー(瑞希)

ボクも昨日初めて会ったよ〜

刑事(冬弥)

俺は中学生の頃に1度だけ、何かの会で会ったことがあります。

作家(類)

その時トラブルは?

刑事(冬弥)

いや…喋ってもないと思います。恐らく父が話してただけなので。宵崎さんとは話しました。

音楽家(宵崎)

私はみんなよりモブさんと面識があると思う。

音楽家(宵崎)

同業だし、それに…昔はよく話す仲だったから。

警部(司)

昔は?何かあったんですか?

音楽家(宵崎)

大したことじゃないけど、モブさんの性格が苦手になっていったんです。それでちょっと避けるようになって…

音楽家(宵崎)

昨日会ったのが3年ぶりくらいかな。

作家(類)

なるほど。

メイド(みのり)

私はもちろん初対面でした!ただのメイドなので!

作家(類)

僕も初対面でしたね。

警部(司)

俺も初対面だ。

香水ブランドのオーナー(まふゆ)

これで全員一通り終わりましたね。今ので分かったことはありますか?

作家(類)

まだ仮説段階ですが、1ピースだけなら。

ジュエルショップオーナー(瑞希)

さすが「密室/F」の作者!人が死んでて不謹慎だけど、こうして類の推理を近くで見れるのは光栄だな〜

アイドル(愛莉)

何楽しんでるのよ。私は一刻も早く帰りたいわ。いつ殺されるか分からないじゃない!

ジュエルショップオーナー(瑞希)

けど、こういうのは楽しんだもん勝ちじゃない?

アイドル(愛莉)

なんでそんな余裕なのよ…もしかしてアンタがやったの?

ジュエルショップオーナー(瑞希)

えぇー、ボク面識もないし、動悸は何一つないと思うんだけど…

警部(司)

動悸がない人間などいないだろう。

警部(司)

実際、昨日初めて会ったとしても、そのパーティの間に何かあったのかもしれない。

音楽家(宵崎)

パーティの間揉めてたのってたしか…

アイドル(愛莉)

わ……私じゃないわ!

ジュエルショップオーナー(瑞希)

けど、なんか焦ってるし、帰りたがってるし、ボクを犯人にしようとしたし、怪しいんじゃない?

作家(類)

みなさん、今は犯人探しの時じゃないです。

女優(雫)

そうね。証拠もないのに怪しいってだけで犯人と決めつけるのは可哀想だわ。

香水ブランドのオーナー(まふゆ)

なら、とにかく2人に捜査を続けてもらいましょう。私たちは部屋に戻るか、広間にいるかにして下さい。あまり自由にされると、また何か起こった時の対処が大変ですので。

女優(雫)

分かったわ

作家(類)

警部さん、ちょっと。

警部(司)

ん?

作家(類)

ここじゃなんです、向こうでお話を

警部(司)

どうした?犯人に聞かれてはいけないことか?

作家(類)

ええ。犯人、というか、貴方以外には聞かれたくないことです。

作家(類)

実はもう、犯人は分かってるんです。

警部(司)

なにっ?!?!

作家(類)

しっ、声が大きいですよ。まだ証拠が不十分なので言えませんが、ほぼ確定です。

警部(司)

何だ……言ってくれてもいいじゃないか。

作家(類)

フフ、それでは面白くないでしょう?

警部(司)

ん?

作家(類)

はい?

警部(司)

いや、すまん聞き間違いだ。

警部(司)

(一瞬ラードロと話してるような気分になった……気のせいか)

作家(類)

調べたいことがあるので、キッチンへ向かいましょう。

警部(司)

えっと…凶器と思われるナイフは見当たらないな。

警部(司)

犯人が持ち去ったか、証拠隠滅したか…

作家(類)

冷蔵庫はどこですかね?

警部(司)

冷蔵庫?なぜそんなものを?あそこにあるが、、

作家(類)

フフ、これが揃えばパズルは完成です。

警部(司)

勿体ぶるな。何を探している?

作家(類)

氷ですよ。

警部(司)

氷?なぜそんなもの…………あ、もしかして…

作家(類)

そう、現場は濡れていたんです。けど、調べても雨漏りしていなかった。それに、あれは水でした。

警部(司)

台車が独りでに動き出したとしたら…そうか、犯人が……

作家(類)

そうです。その証拠が揃えばビンゴなんです。……おや、色んな形がありますね。

作家(類)

L字型に階段型、I字型……

警部(司)

テト○スみたいだな。

作家(類)

…あぁ、犯人はとても頭が良いですね。

作家(類)

氷なら、使っても溶けて無くなるから証拠隠滅する必要がない…

警部(司)

たしかに。それをどう証明するんだ?

作家(類)

…………

作家(類)

よし、まとまりました。

警部(司)

早いな?!

作家(類)

警部殿、この後皆さんを被害者の部屋に集めてください。そこで証明を行います。

警部(司)

あ、ああ、分かった。

アイドル(愛莉)

やっとわかったのね?早く犯人が誰か教えて頂戴。

作家(類)

焦らないでください。これから1つ1つ証明しますから。

作家(類)

警部さんが

警部(司)

アドリブだな?!

作家(類)

フフッ

警部(司)

まぁいい。

警部(司)

まず、犯人の使ったトリックを説明させていただきます。

警部(司)

犯人はまず、被害者をどこか別の場所で殺し、この部屋まで運んできた。そして、台車を坂の上に設置し、氷で作ったストッパーで固定。時間が経つと溶けて台車が動くようにした。

女優(雫)

氷で作ったストッパー…

音楽家(宵崎)

そういえば、坂の上は濡れていたな。

アイドル(愛莉)

その台車になんの意味があるのよ?

警部(司)

2つあると思います。

警部(司)

1つは台車をドアにぶつけ、大きな音を出す事で人をあそこに集めること。

警部(司)

2つ目は台車の勢いでドアを少し壊し、鍵がかかっているように見せかける事。

香水ブランドのオーナー(まふゆ)

え?鍵は掛かってたんじゃないんですか?

警部(司)

掛かってるように見えただけで、実際は歪んでいたから開かないだけだったんです。確かにあの時ドアノブは回りました。

音楽家(宵崎)

けど、もし既に死んでいたんだとしたら、私たちが聞いた悲鳴は何だったの?

警部(司)

そんなのどうとでも出来ます。例えば録音とか。

刑事(冬弥)

たしかに、録音したのを部屋に忍ばせ、遠隔操作ができるものだったら可能ですね。

ジュエルショップオーナー(瑞希)

けど、それだったら誰にでも出来ることだよね?犯人の決定にはならないんじゃない?

警部(司)

ここからは類さんの仕事だな。

作家(類)

はい。

作家(類)

犯人はとても頭が良く、アリバイ工作も完璧でした。けれど、2つだけミスをしたんです。

アイドル(愛莉)

ミス?

作家(類)

1つはここに僕と警部さんを招いた事。もう1つは犯人の失言です。

女優(雫)

勿体ぶらないで早く教えてほしいわ。

作家(類)

そうですね。

作家(類)

僕は警部さんに頼んで、全員にこう伝えるように頼みました。「被害者は後ろから刺されて亡くなっていた」と。

ジュエルショップオーナー(瑞希)

それがどうかしたの?

作家(類)

僕は凶器について全く触れないようにしたんです。皆さんには、凶器を伝えませんでした。

作家(類)

けれど、犯人は言いました。「後ろからナイフで刺殺」と。

作家(類)

これは犯人しか知りえない情報です。

作家(類)

ね?朝比奈さん。

香水ブランドのオーナー(まふゆ)

音楽家(宵崎)

え……まふゆ…?

作家(類)

貴方が殺したんですよね?

香水ブランドのオーナー(まふゆ)

…それだけじゃ、証拠として弱いんでは?

作家(類)

この部屋にあるはずですよ。燃やされた録音機が。

警部(司)

ああ、たしかに事件後のこの部屋はやけに暑かったな。

作家(類)

犯人が録音機を燃やすためにくべたんでしょう。しかし、この暖炉は少し複雑な作りになっていて、パッと見じゃ使い方が分からない。

作家(類)

それを使ったことのある人か、持ち主なら手際よく使えますが。

香水ブランドのオーナー(まふゆ)

…ふーん。

女優(雫)

本当に…朝比奈さんがやったの?

香水ブランドのオーナー(まふゆ)

こんなのが証拠になるとでも?それに、誰でも刺すとしたらナイフだと思いませんか?

アイドル(愛莉)

包丁とかもあるでしょ。

警部(司)

それに、台車の音がする前、朝比奈さんは少し長い席を外してましたよね。

音楽家(宵崎)

たしかに…それは私も見た。

作家(類)

証拠は、揃えようとすればいくらでも揃います。まだ証明が必要ですか?

香水ブランドのオーナー(まふゆ)

…ふふっ、いいえ、必要ありません。

香水ブランドのオーナー(まふゆ)

あはははっ、ああ、可笑しい。本当に、馬鹿なことをしたな…

警部(司)

認めるんですね?

香水ブランドのオーナー(まふゆ)

ええ、もう必要ないですから。

香水ブランドのオーナー(まふゆ)

はぁ……なんで貴方たちを呼んだんだろう。それさえなければ、完璧だったはずなのに。

音楽家(宵崎)

教えてまふゆ…なんでこんな事したの?

香水ブランドのオーナー(まふゆ)

…奏が昔、私のためにって言って、曲を作ってくれた事があったでしょ?

音楽家(宵崎)

え?あ、うん。そうだね。

香水ブランドのオーナー(まふゆ)

私……なんて言うか、その曲がとても気に入ってたの。奏は、世間に公表せず、私だけの曲にしてくれてたでしょ?

音楽家(宵崎)

うん。だってまふゆのための曲だから。

香水ブランドのオーナー(まふゆ)

そう、私の曲。それなのに…

香水ブランドのオーナー(まふゆ)

あのモブって男が…それを盗作してデビューしたの。知ってた?

音楽家(宵崎)

え…?盗作?モブさんが?

香水ブランドのオーナー(まふゆ)

証拠を揃えて起訴しようとした。けど、向こうは結局無罪。勘違いでもないし、間違ってもない。なのに無罪だった。私はそれが嫌だったの。

香水ブランドのオーナー(まふゆ)

このパーティーは、モブを殺すために念入りに準備してキャストも揃えたの。こんなに苦労したのに、キャスティングを失敗するなんて…

警部(司)

…朝比奈さん、後の話は署で伺います。

警部(司)

冬弥、連絡を頼む

刑事(冬弥)

はい。

作家(類)

…朝比奈さんの計画はほぼ完璧でした。

香水ブランドのオーナー(まふゆ)

…どうも。

作家(類)

実は、氷のストッパーも勘だったんです。だって、証拠は残りませんでしたから。

香水ブランドのオーナー(まふゆ)

勘……そう、貴方はただの作家じゃないんですね。それがバレるなんて。

作家(類)

いいえ、僕はただの作家ですよ。

警部(司)

ふぁ……せっかくのパーティが、結局仕事になってしまったな。

刑事(冬弥)

そうですね。

作家(類)

あの…なんで僕もここにいるんですかね?

警部(司)

ん?あぁ、礼を言っておこうと思って。

警部(司)

今回の件はだいぶ助けられた。ありがとう。

作家(類)

いえいえ、そんな…たまたま、勘が当たっただけですよ。

警部(司)

なんだ、そんな事ないだろう。ラードロはそんな謙遜する奴だったか?

作家(類)

え?

警部(司)

ラードロ、むしろ何故バレないと思った?今、ここで逮捕する事も可能なのだぞ。

作家(類)

おやおや……なんの事やら。

警部(司)

シラを切るつもりか?まぁいい。今回の事件解決の協力に免じて、知らなかったことにしておく。

作家(類)

フフッ

作家(類)

やっぱり捕まえる気ないんじゃないんですか?

警部(司)

ほう、そんなに捕まりたいのか?

作家(類)

いえいえ、そんな。僕はただの作家ですから。

作家(類)

では失礼します、警部さん。

警部(司)

次は捕まえるからな。

𝐍𝐞𝐱𝐭

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