久々に家に帰ってお風呂を済ませてからソファーに横になると直ぐに眠ってしまった
次に目を開けたのはトントンッと軽快な包丁の音で意識を取り戻した時だった
玲
ん……
永茉
………
音の鳴るほうへ目を向けると永茉がエプロン姿で料理をしていた
玲
(…お嫁さんみたい……)
永茉
ん…?
視線に気づいた永茉はこちらを見て口を開いた
永茉
起きた?
永茉
合鍵で勝手に入っちゃった
永茉
もうすぐご飯出来るから
永茉
ちょっと待ってて
玲
…うん…
しばらくしてテーブルに料理が並んだ
玲
ほう…
永茉
簡単な物ばかりだけど…
玲
いや…凄い…
ずらりと並んだ料理は健康を考えたような、沢山の野菜やお肉が並んでいた
玲
い…いただきます…
自分が思ってるよりも食べられて満腹感に浸っていると永茉が口を開いた
永茉
それで、この前の人とはどうなったの
玲
へっ?!
永茉
あの…夏祭りの時の…
永茉
どうしてファミレスに…?
玲
あれは…
玲
…ちょっと話してただけ
永茉
………
信じてないような、疑ったようなじっと見つめる永茉に言葉が詰まってしまった
玲
………
玲
大学時代に付き合ってた人
永茉
!!…
そう言うと永茉は酷く落ち込んだような顔をして下を向いた
玲
…でももう別れた
玲
ただの同級生
永茉
………
永茉
私の事ずっと好きだったんじゃないの…
永茉
どうして他の人と…
玲
…それは…
玲
…クズだと思われるから言いたくない
永茉
思わないわよ
永茉
言わない方が嫌
玲
……っ…
玲
……はぁ…
大きく息を吸って吐いた
玲
…地元を出て大学に通ってた時
玲
…どうしても永茉の事が気になって…
玲
でも、そんなじゃ夢を叶えられないと思って
玲
忘れようとしてた
玲
…でも…
玲
……そんときに出会った律…は…
玲
凄く…永茉に似てたんだよ
永茉
え……
玲
…ね?クズでしょ
玲
永茉と律を重ねたんだよ
玲
はは…
力なく笑う私
怖くて永茉の顔を見れずにいると永茉は私の傍に来てしゃがんだ
永茉
……それで?
玲
……
永茉
今は、どうなの
永茉
私とどうなりたいの
永茉
私の事どう思ってるの
永茉
ちゃんと言って
永茉
……私だって不安なの…
玲
!
永茉は私の手をギュッと握って縋るように擦り寄った
玲
……好きだよ
玲
永茉の事が
玲
本当は今すぐにでも永茉の事
玲
めちゃくちゃにしたいって思ってるんだよ
玲
言ったでしょ
玲
大人ってずるいんだって
永茉
……
玲
永茉と重ねてさ
玲
ね…
玲
こんなんでも好きでいてくれる?
永茉
……バカ
永茉は立ち上がると私の膝に跨ってシャツのボタンを1つ外した
永茉
当たり前でしょ
永茉
今度からはあの人じゃなくて
永茉
私にして
首に腕を回してグッと身体を密着させて耳元で囁かれた
玲
……
玲
…いいの?
左手で太ももを撫でながら右手で髪を指でいじる
永茉
うん…いいよ
永茉
……抱いて
ちゃぷっという水音と永茉の声だけが響く部屋でもう何時間が経ったんだろう
永茉は何回も達して何もしなくても腰がビクッと弾けている
永茉
ぁ……ぁ…っ
玲
…永茉……
玲
永茉
永茉
っ…ぅ…
何度か名前を呼んでも目が虚ろになっていて焦点が合わなくなっていた
玲
(やり過ぎた…)
長年募っていた想いと、永茉の言葉で理性が壊れてしまった
しばらくして寝息が聞こえてきた
疲れて眠ってしまったのだろう
私はシーツを替えて服を着替えさせた
玲
…永茉……
玲
…好きだよ…
玲
愛してる
玲
……もう…
玲
離せないからね…